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白夜の炎

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「中国が尖閣にこだわるワケも知っておいた方がいい」宋文洲

2014-03-10 16:31:33 | アジア
「中国が尖閣にこだわるワケも知っておいた方がいい


2013年末に安倍晋三首相が靖国神社を参拝したことで、日中関係がさらに悪化した。私の立場上、このテーマを避ける訳にはいかないと思う。

今の日中関係の難局は言うまでもなく、尖閣問題が発端だ。領土問題は極めて解決が難しいテーマだが、放置していては現状のままなのも事実。そこで私は、日本の方々に1つ提案したい。それは、日本側も、なぜ中国が尖閣を自国領と主張するのか、その理由を知っておいた方が今後、この問題を考えていくうえで役立つ、ということだ。

尖閣が中国領だと主張する中国人は次のように考えている。

明と清の時代において、現在の沖縄である琉球は中国の冊封国だった。「冊」とは「認定書」のことで、「封」は「土地の寸法」を意味する。中国との境界線を定めていないと冊封は成り立たないため、当時は、明確な国境があったことになる。

その時代は、明と清の冊封使節団は福建省を出発し琉球に向かった。その途中にある釣魚島(中国での尖閣諸島の名称)を必ず通るため、明と清の外交文書や公文書に「釣魚島は中国領」との記述が存在する。

その後、アヘン戦争などで清が弱体化すると、当時の日本政府は独自の調査を通じて釣魚島を「無主島」と決め、国標を建てようとした。しかし、清が島名を付けていたため、「機会を待つべき」と国標の設立を見送った。これは日本の外交文書に記述がある。

そしてその「機会」は、日清戦争に日本が勝利した時に訪れ、1895年に日本は釣魚島を領土編入した。「尖閣諸島」という名称は1900年にイギリス海軍が付けた「Pinnacle Islands」を直訳した名称であり、日本で歴史的に使われてきたのではない──。

こうした考え方と、尖閣は日本領とする方の考え方の最大のギャップは、歴史を振り返る時間軸の違いだ。

尖閣問題においては、日本側が1895年を起点とした領土編入後の証拠を使って固有の領土だと主張しているのに対し、中国側はそれ以前の明・清時代の琉球との外交関係を使って固有の領土と主張している。出発点が異なる結果、中国側は日本による領土編入が一方的で非合法だと言っているわけだ。

1978年にトウ小平氏が、福田赳夫氏との共同会見で、尖閣問題の棚上げと、「次世代が賢くなって解決してくれる」との期待を表明した。福田氏は異を唱えなかったのでこれに同意した、と受け止められている。

私個人としては、このとき、日中の首脳がこの問題を先送りしたからこそ、今の難局があると考えている。

企業経営では、先代の経営者が残した課題は、後世の経営者が処理をしなければならない。それは政治の世界でも同様で、今の日中はまさに歴史的な懸案の処理を迫られている。

どんな困難があっても、結局、日中両国は平和共存するのがお互いにとって最適な道だと私は思う。そして、感情をぶつけ合っているだけでは、その道を探ることはできないのも間違いない。経営課題と同じく、まずは懸案が生まれたプロセスを冷静に共有する。それが事態を動かす第一歩になるのではないか。」

http://www.soubunshu.com/article/391078632.html

日本で広がるナショナリスト的風潮―中韓との対立で

2014-02-28 18:55:51 | アジア
「【東京】日本では第2次世界大戦中の特攻隊員を賛美する映画が2カ月にわたり興行収入のトップを記録している。東京の書店では、日本の近隣諸国を非難する書籍のコーナーが設けられている。そして、「ネトウヨ(ネット右翼の略称)」と呼ばれ過激なナショナリスト的な思想を持つ匿名の投稿がツイッターやチャットページで急増している。

 中国と韓国との緊張が高まる中で、第2次世界大戦に対する後悔の念によって長年かけて形成されてきた日本の世論が変わりつつある兆しが各地で見られている。

 周辺海域での中国政府の武力威嚇に対する脅威や、今後の日本経済に対する不安から、ナショナリスト的な感情や近隣諸国への不信感、時には強い敵意をあらわにする人が増えている。 

 民主党の辻元清美衆議院議員は「これは差別じゃないかとか、激しい嫌悪感とか、今まで押さえ込んできた感情や思想がふたを開けて飛び出してきている。日本中で同じようなリズムを持った人が、自分は正しかったと、振り子の共振作用のように発言している」と述べた。

 日本では平和を守ろうとする考え方が深く根付いており、右傾化はまだ始まったばかりにすぎない。しかし、主に30代と40代で、米国のティーパーティー(茶会党)と共通点もある強硬な保守的思想を持つ人が増えるにつれて、こうした右寄りの風潮が日本の政治にも影響を及ぼし始めている。 

 今月上旬に行われた東京都知事選で、外国人たたきで有名な右翼団体のトップを務める元航空幕僚長の田母神俊雄氏は、日本の主要メディアが同氏を泡沫候補と見なしていたにもかかわらず、予想外に大量の票を集めた。朝日新聞の出口調査によると、20代の回答者の24%が田母神氏に投票した。

 今までよりはっきり意見を言う少数の国家主義者の台頭で、東アジア諸国だけでなく、米国の当局者の間でも懸念が広がっている。中には、これが東アジアの緊張を悪化させ、中国と日本が衝突するリスクを高めかねないと危惧する声もある。

 米国のダニエル・ラッセル国務次官補(東アジア・太平洋担当)は先の議会証言で、日中関係が「極めて悪化している」ことを引き続き憂慮していると述べ、両国に「緊張を緩和させ」、「言葉遣いのトーンを抑えるよう」呼び掛けた。

 日本と中国の戦闘機や監視船が尖閣諸島近くでにらみ合いを続けていることを受けて、バイデン米副大統領など他の米政府高官も危険な衝突のリスクに警鐘を鳴らしている。 

 日本の多くの当局者と政治家は国内の世論の変化について、別の解釈をしている。彼らは戦時中の問題をめぐり中国と韓国はいつまでも不当に日本を批判していると考えており、これに国民がようやく反応し始めただけだと話す。また、中国と韓国は戦時中の残虐行為に対する謝罪と償いをしようとする日本の再三にわたる努力を認めようとしないと訴えている。

 中国と韓国はこうした見解をはねつけている。両国の首脳は、日本政府は歴史をゆがめているとして批判し、1年2カ月前に安倍晋三首相が就任して以来、同首相との二国間の会談を拒否している。

 韓国の上級外交官であるキム・ジュンハ氏は1月の国連会議で「日本の主要政治家らが最近、歴史修正主義の立場で過去の悪事を否定、ひいては正当化しようとしていることは遺憾だ」と述べた。

 政府系シンクタンクの中国社会科学院の日本専門家、楊伯江氏は、中国共産党機関紙「人民日報」の24日付論説で、安倍政権下の日本は、第1次世界大戦前のドイツや第2次世界大戦前の日本が犯した過ちを繰り返しているようだと指摘。「このことは人類が再び戦争の底なし地獄に引きずり込まれないように、平和を愛する世界の国々の警戒心をあおるはずだ」と述べた。

 中国と韓国でも、近年はナショナリズムが台頭している。だが、日本が第2次世界大戦で侵略国だった歴史を考えると、最近の日本の状況はとりわけデリケートだ。日本で最後にナショナリズムが急激に台頭した時期は1920年代と30年代で、その後、日本は戦争に突入した。当時、日本は関東大震災からの復興と世界的な景気後退に苦しんでいた。

 当時とは異なり、現在の日本は成熟した民主主義国家で、数十年間にわたり世界平和に貢献してきた。自衛隊は厳しい文民統制下にある。多くの政治学者は、振り子がナショナリズムの方向へ振れ続けるなら、日本社会にはそれを押し戻す柔軟性があると指摘する。ちょうど80年代と90年代に地域の緊張が今と同様に高まった時のようにだ。

 大半の日本人にとって、地域的な対立は最大の関心事ではない。日本経済新聞が24日に掲載した世論調査によると、安倍首相にとって最も重要な政策課題は国家安全保障だと回答した人は全体のわずか6%しかなかった。それに対して、38%が社会保障だと回答し、30%が経済改革だと回答した。

 その一方で、多くの日本人が自らが置かれた状況により不安を感じていることは確かだ。昨年10月の内閣府調査では、「中国に親しみを感じない」と答えた人の割合が回答者の81%に達し、過去最高となった。この割合はわずか4年前には59%、20年前には40%だった。昨年の別の世論調査では、回答者の40%が韓国に対する考え方が前年より悪化したと答えた。その多くが戦後処理をめぐる韓国側からの日本に対する批判をその理由に挙げている。

 こうした漠然とした不安感は大衆文化にも広まっている。週刊誌などは韓国や中国を攻撃する衝撃的な見出しで競い合っている。週刊文春の最近の特集記事の見出しは「韓国の暗部を打て」だった。また、週刊新潮では「大嘘承知で反日プロパガンダ!」との見出しが躍った。

 また、書籍の売り上げランキングによると、中韓両国の経済破たんを予測する本、例えば「破綻する中国、繁栄する日本」や「サムソンの真実」などが飛ぶように売れている。

 さらに、米国への敵意もゆっくりと首をもたげてきている。米国が中国と経済的な結びつきを強化していることを背景に、日本の政府関係者や議員らは、仮に日本が中国の攻撃を受けた場合、米国が果たして日本を守ってくれるかどうかについて懐疑的になっている。 

 中には、米国が近隣諸国との関係で日本に自制するよう圧力をかけ続けていることを鬱陶しいと見る向きもある。また、戦犯も合祀(ごうし)された靖国神社に安倍首相が参拝したことを受け、オバマ政権が首相に苦言を呈したことを特に苛立たしく感じた向きも多い。

 衛藤晟一首相補佐官は動画サイト「ユーチューブ」に投稿したビデオメッセージ(後にこのメッセージは削除された)で、米国が公式に「失望した」と表明したことに触れ、「むしろわれわれの方が失望した。米国はなぜ同盟国の日本を大事にしないのか」との不満を表明した。

 米国務省当局者は26日、「米国は日本との深くて長期的な同盟関係にコミットし続ける」と述べる一方、安倍首相の靖国神社参拝については米国の立場を「とても明確に」示したと述べた。

 日本のナショナリスト的な傾向は特に若者の間で目立っている。

 時事問題を扱う月刊誌「WiLL」は「世界の嫌われ者、韓国」や「中国は一線を越えた!」といった人々の注目を集めるナショナリスト的な見出しで知られているが、この2年間で発行部数が30%増え、10万近くに達したという。花田紀凱編集長によると、今や読者層の40%が20代から30代の若者で、女性にも多く読まれている。50歳を超える男性が大半だった以前から様変わりしているという。

 そんな中、若い保守派の中核となりつつある政治家が安倍首相を支持している。

 その1人が就職斡旋会社の経営者から政治家に転じた宮崎謙介氏(33)だ。

 宮崎氏は「われわれの若い世代には、自分たちの国に対して誇りをもてない人、将来に対してネガティブな思いを持っている人が多い」としたうえで、「自分たちの国が侵略をした国だという自虐的な歴史観を徹底的にすりこまれてきたからだと思う」と述べた。

 そうした若手議員は個人としての影響力は限られているものの、集団としては安倍首相の挑戦的な外交・防衛姿勢に影響を及ぼしている。日本の憲法では軍の役割を自衛のみに厳しく制限しているが、首相は米国などの友好国が敵の攻撃を受けた場合に自衛隊が反撃できるよう憲法見直しに向けた動きを推進している。

 首相による年末の靖国神社参拝は、若者の間での人気の高さを一段と裏付けることになった。参拝は近隣諸国の怒りを買ったものの、朝日新聞が昨年行った世論調査で30代の回答者の60%が参拝を支持すると答えた。全体の割合と比較してはるかに高い数字だ。

 また、春の例大祭に靖国神社を参拝した議員の数は168人と、前年の81人から大幅に増え、過去最高となった。

 そうした中、第2次世界大戦時の特攻隊員を題材にした映画「永遠の0」はヒットしている。興行通信社によると、「永遠の0」は国内映画ランキング(観客動員数)で今月初めまで8週連続トップとなった。

 首相をはじめとする同映画のファンは、若者に戦争の残虐性を伝える機会になると称賛している。

 一方、悲劇的な政策の過ちによる無益な死を美化するものだと批判する人たちもいる。

 この映画のヒットをきっかけに、日本の戦時のイメージをもっと前向きにとらえたいと考える人たちの期待に応えた特攻隊関連の展示会がちょっとしたブームを呼んでいる。映画のロケ地となった旧筑波海軍航空隊史跡は映画公開に合わせて記念館として期間限定で公開されている。パイロットをモチーフにしたイメージキャラクターも作成され、12月20日のオープン以降、来場者は1万人以上に上る。

 映画の原作となった同名のベストセラー小説の著者で首相の友人でもある百田尚樹氏は最近、NHKの経営委員に任命された。しかし、任命から間もなく野党議員の批判にさらされることになった。1945年の原爆投下と東京大空襲を「大虐殺」と呼び、米国を厳しく非難したことが大きな一因だ。

こうした社会的潮流の変化は、2012年12月の衆議院選挙で安倍総裁率いる自民党が圧勝して以来、国会における首相の支持基盤強化に一役買っている。自民党の119人の新人議員の多くが今、首相が議場で日中や日韓関係について見解を示すたびに拍手喝采を送っている。

 それら議員は連立与党政権が国会で過半数を十分維持するのに貢献している。首相の支持率は50~60%と歴史的高水準にあり、最も異論のある政策を除き、従来中国との密接な関係を支持している党内のリベラル派からも首相はほとんどプレッシャーを受けていない。

 日本大学の岩井奉信教授(政治学)は「今の自民党は安倍さんの言うように動く」とし、「安倍さんに文句を言う人がいないから、どんどん物事が決まってゆく」と指摘した。

 新人議員の1人、武藤貴也衆議院議員(34)は大学教授になる道を断念した後、政治の世界に入った。「最もタカ派の議員の1人」を自称する同氏は、日本は米国に頼らなくても中韓に対して自ら防衛できる十分な能力を持つべきだと考えている。

 武藤氏は「アメリカがスーパーパワーだった時代は終わり、日本を守れなくなる時代がくる」とし、「防衛は自前でやらなくてはならない」と述べた。

 そのために日本はどうすべきか尋ねたところ、最もナショナリスト的な議員の間でさえ依然異例とされる答えが返ってきた。それは「核武装」だった。」

http://jp.wsj.com/article/SB10001424052702304227204579408363522000826.html?mod=trending_now_2

「新公民運動」女性活動家、獄中からの手紙―1通のメール/遠藤誉さんのブログより

2014-02-25 17:46:51 | アジア
 以下のような記事をみていると圧政に向かう安倍政権と「価値観」を共有するのは習近平政権ではないかと思われます。

 そして-以下は真面目な思いです-国籍を問わず自由と攻勢を求める市民の願いは同じです。このような市民の連帯こそが、そしてそれだけが、アジアの未来の基礎となるのではないでしょうか。

「中国の憲法を根拠に人権擁護などを訴える「新公民運動」の中心的人物として知られ、公共秩序騒乱罪に問われた人権活動家、許志永氏(40)に対する判決公判が26日、北京市第一中級人民法院(地裁)で開かれ、懲役4年の実刑判決が言い渡された。関係者によると、「自分が裁かれる法的根拠はない」と主張している許氏だが、ほかの新公民運動の仲間の裁判結果をみてから「上訴するかどうかを判断する」としているという。

 弁護士で大学講師でもあった許氏は、2012年から13年にかけて、出稼ぎ労働者の子供に対する教育の機会均等や政府高官の資産公開を求める「新公民運動」をインターネットで展開した。時には仲間と街頭で横断幕を掲げてビラをまいたりしたことがあったが、それが公共秩序騒乱罪にあたるとして、昨年7月に拘束された。


 2014年1月27日未明の1時43分、私のメールボックスに「新公民運動」女性活動家・侯欣(こう・きん)氏(45歳)からの手紙が届いた。書いた日付は2014年1月23日。差出人は中国の民主活動家であり、いつも情報を送ってくれている。中国語で約1500文字。日本語に訳すと長くなるが、どうか広く世界の万民に知らせてくれという懇願があったので、一部だけ省略してその要望に応えることとする。


 侯欣氏は投獄された後、心臓発作を起こし入院したこともあり、それでも自分が自己の良心に背き、無知なまま無駄に生きるくらいなら、死んだ方がましだと決意しているという。

 手紙の最後に侯欣氏は『数十年前、今日の執政党は反腐敗を掲げて民主共和国を建国した。言論の自由を掲げて国民党を倒した。しかしあれから60年経った今、高みにおられるお歴々の方々、どうか革命の初心を思い出してほしい。あのとき国民に約束したことを実現してほしい!』と呼び掛けている。


◆「新公民運動」女性活動家・侯欣からの手紙

 今日、私はここで公判を受けることになっている。これまでの11カ月間、私はこれまで想像もしなかった経験をしてきた。私は自問自答を繰り返している。「私は本当に罪を犯したのだろうか」と。

 そう、たしかに私は自分の家族に対して申し訳なかったと思っている。一人の娘として、また一人の妻として私は自分の職務を十分には果たせなかった。 

「西単331」行動において、私は確かに事前に公安の許可を得ていなかった(筆者注:「西単311」とは、2013年3月31日、北京市西単で、袁冬・張宝成・馬新立・侯欣の4名が横断幕を掲げるなどして「資産公開」を要求した行動)。しかし、私は無罪だと言いたい。

 公安も検察も、そして裁判所も、私に何度も「素直に罪を認めろ」と迫ってきた。私の家族も友達も、「罪を認めた方が早いのではないか」と私を諭した。罪を認めた方が私には有利だということを私は知っている。


 しかし私たちのこの国がもし、「官員(政府官僚と党幹部)が資産公開するという基本的な職責を実行することを要求する」のが罪になるのだとしたら、私たちのこの時代は、あまりに不条理な時代ではないだろうか。のうのうと暮らしている高級官僚であれ、日々の暮らしに奔走している庶民であれ、私たちはきっと歴史の恥辱の柱に刻まれ、百年後も千年後までも、後世の笑い者となるだろう。

 私はたしかに恐れている。牢獄に入ってから二度も病に倒れた身として、二度と生きてこの牢獄から出ることはできないのではないかと恐れている。それでも私は、自分が自己の良心に背き、無知なまま無駄に生きるくらいなら、死んだ方がましなような日々を送るより、死を選ぼうと思う。

 4000年以上の文明の歴史を有し、アジア一の民主共和国を建立したはずの民主共和国、私が深く愛する中国は、いったい、どこまで(文明的に)落ちぶれれば気が済むのか?


 習(近平)総書記は、腐敗が執政党(中国共産党)の存亡に関わることを自覚してはいる。

 それならなぜ全人民の力を結集させ人民の力を借りようとしないのか、「憲法第三十五条」が保証している「言論、集会、結社、出版の自由」を公民が行使することを認めないのか?執政党を監督し、すべてを変革し、後世に申し開きできる状況を作ろうとしないのか?


 公安検察は私と許志永を同罪にしようとしている。街頭で「官員の資産公開要求」をしたのは「西単331」行動の、一回限りだ。しかもこのときは、周りにいて写真を撮っただけで、私自身は横断幕を掲げてはいない。しかし私はそれ故に冤罪だとは言わない。私は喜んで、この行動を栄誉と受け止める。


 数十年前、今日の執政党は反腐敗を掲げて民主共和国を建国した。言論の自由を掲げて国民党を倒した。しかしあれから60年経った今、高みにおられるお歴々の方々、どうか革命の初心を思い出してほしい。あのとき国民に約束したことを実現してほしい!


多くの人が「なんで、あなたはこういうことをしているのか」と私に聞く。

 たしかに、私は既に45歳になり、他の多くの人と比べると過度の不公平や過度の迫害を受けてきたわけではない。しかし私たち一人一人はみな、21世紀に生きている公民だ。もし自分の利益が侵された時にのみ抗議の声を発するのだとすれば、それは一匹の豚に等しいのではないのか?


 建国から65年が過ぎようとしている。正々堂々と公民でいることは、決して過ぎた望みではないはずだ。私はこの国を愛している。私がやっている全ては、この国への、そして我が同胞への捨てがたい愛に基づいている。


 ただし愛国の最高の姿は、「政府を監督し、執政党を監督すること」であって、決して「礼賛の歌を歌いあげ、迎合すること」ではない。裁判所がどのような判決を私に出そうと、私は自分のやるべきことをやったに過ぎない。私はその結果を甘んじて受けとめよう。

 「自分の観点を表現しただけで被告席に立たなければならない」というのが、中国の公民にとって、どうか今回が最後であることを切望してやまない。」

http://www.douten.asia/news/449

韓国政府 大統領直属の「統一準備委員会」設置へ

2014-02-25 15:59:31 | アジア
「【ソウル聯合ニュース】韓国の朴槿恵(パク・クンヘ)大統領は25日、「大統領直属の統一準備委員会を発足させ、体系的かつ建設的に統一のあり方を模索する」との考えを明らかにした。

 就任1年を迎えた同日、青瓦台(大統領府)で「経済革新3カ年計画」に関する談話文を発表した場で「朝鮮半島の統一を準備し南北間の対話と民間交流の幅を広げていく」と発言。統一準備委員会についての構想も明かした。

 来年、朝鮮半島が南北に分断されて70年になることを踏まえ、統一に向けた国民の議論を活発化させ、幅広い意見を反映させた統一の青写真を作成するとした。朴大統領の構想を受け、政界を中心に統一に向けた議論が本格化する見通しだ。

 経済革新3カ年計画については、2017年に3%台前半にまで落ち込むとみられる潜在成長率を4%台に引き上げるほか、就業率70%の目標を掲げた。さらに国民1人あたりの国民所得を4万ドル(410万円)にすると述べた。

 また創造経済(産業と産業、文化と産業を融合させ付加価値、雇用、成長動力を生み出す経済政策)の基盤となる科学技術の技量強化のため、17年までに研究開発(R&D)投資を国内総生産(GDP)の5%水準まで引き上げるとした。

 投資を促すため不必要な規制を撤廃するなど、規制を原点に戻って再検討する考えも示した。

 雇用問題に関しては、若年層の雇用促進のため50万人分の雇用とともに、女性150万人分の雇用も創出すると強調した。

sjp@yna.co.kr」

http://japanese.yonhapnews.co.kr/Politics2/2014/02/25/0900000000AJP20140225001800882.HTML

米、日本側の尖閣上空視察を拒否 施政権返還前、公文書で判明/東京新聞

2014-02-24 15:18:14 | アジア
 つまり沖縄返還の時点からアメリカは尖閣を日中間の紛争の種として置いておくためだけに使っていたということだろう。

「米、日本側の尖閣上空視察を拒否 施政権返還前、公文書で判明

2014年2月24日 14時00分

 沖縄返還直前の1972年3月、尖閣諸島の施政権が約2カ月後に日本に返還されることを踏まえ、当時の日本政府高官が尖閣上空を視察飛行したいと米政府に打診したが、主権問題で日本に肩入れした印象を持たれることを恐れた米側に拒否されていたことが24日、機密指定を解除された米公文書で分かった。

 米政府は当時から、尖閣諸島は日本防衛義務を定めた日米安全保障条約第5条の適用対象としているが、日米合同と受け取られかねない視察飛行に背を向けた事実は、主権の所在については中立を保ち、同盟国日本とも距離を置く立場を浮き彫りにしている。
(共同)」

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014022401001837.html

過去への謝罪にうんざりな日本/WSJ

2014-02-13 14:37:15 | アジア
「【東京】学者で評論家の秋山信将氏の言葉を借りれば、日本は第2次世界大戦で負けたことをはっきりと認め深く謝罪する「グッド・ルーザー」役を演じ続け、久しく二級国家としての地位に甘んじてきたが、その役回りにすっかりうんざりしている。

 秋山氏によれば、それが安倍晋三首相の国内政治における目を見張るような成功の一因である。安倍首相は、過去について謝罪することに嫌気がさした国民の上に戦後ずっとのしかかってきた汚名を返上しようとしている。

 だがそれはまた、中国や韓国が安倍氏に対しあからさまな反発を示す理由でもある。中韓は、日本がアジアで2000万人弱、中国だけで約1000万~1500万人の犠牲者を出した戦時中の残虐行為を十分に謝罪していないと非難する。


Japan's Prime Minster Shinzo Abe is trying to revamp the country, focusing on new economic policies and moving away from apologizing for World War II. China's World columnist Andrew Browne tells us why Mr. Abe's renewed nationalism may harm Japan.

 日本を「普通」の国家にするという安倍氏の取り組みの中には、戦後の占領時代に制定された他に類のない「戦争放棄」をうたった憲法の改正に向けての取り組みもある。安倍首相は、ごくわずかではあるが防衛費を増額し、地域を越えた外交の立役者として派手に振る舞っている。一橋大学国際・公共政策大学院の秋山信将教授は、「日本のナショナリストは『グッド・ルーザー』として扱われることに飽き飽きしている」と指摘、「もうこれ以上敗者ではいたくないと思っている」と話す。

 安倍氏がナショナリストであるのは疑いない。日本の過去に対する誇りと将来に対する自信を回復しようという彼のキャッチフレーズは、終戦後約70年間の敗北の重荷を背負い続けたくないと思っている日本の若い世代に特に共感を呼んでいる。

 例えば、先週末行われた東京都知事選で、元航空幕僚長の田母神俊雄氏は20歳代の有権者から驚くほどの支持を集め、表情の暗さや硬さにもかかわらず同氏は16人の候補者のうち4位と善戦した。田母神氏は、2008年に日本が行った朝鮮半島の植民地化や中国の一部占領を正当化するとともに日本は米国の謀略で開戦に追い込まれたとの考えを示唆する論文を執筆し航空幕僚長を更迭された。

 しかしながら、こうした見解は安倍首相が昨年12月に参拝した靖国神社に併設された遊就館の展示品の説明にもみられる。

 安倍氏の参拝は東アジア諸国に衝撃を与え、ワシントンでは同氏の政治的な判断に疑問が投げ掛けられ、中国からは同氏は戦後のアジアの平和に挑戦する頑固な軍国主義者だと非難を浴びせた。

 だが、日本国内では靖国参拝は安倍氏に大きなダメージを与えなかった。最近の世論調査では、安倍氏の靖国参拝を支持するとの回答が41%で、反対は46%だった。

 支持者が全員、右翼というわけではない。世論調査の専門家や学者によれば、支持者の多くは現職の首相の言動について中韓から命じられる筋合いはないとの考えから支持したのだという。つまり、日本の国民は日本が近隣諸国にもう十分に悔恨の情を示したとのメッセージを送っているのだ。

 だが近隣諸国では、日本が永久に謝罪を続けることを広く期待している。そうした感情を配慮している日本の政界、学界、報道界の多くの人は、安倍氏の靖国参拝に失望のため息をついた。これらの人たちは、参拝は道徳的な観点からは必ずしも間違ってはおらず、やり方がまずいだけと言う。それは、台頭する地域の覇権国、中国をけん制する力の一つになることを自らの新たな役割とすることで、過去の戦時のイメージから脱するという安倍氏の本当の課題に暗い影を投げ掛けた。

 一方、安倍氏は軍国主義者であるとの中国の見方に対して、日本では共鳴する人はほとんどいない。東京大学の高原明生教授(政治学)は、国防費を爆発的に増加させ、ミサイルや潜水艦を増強している中国と、最近わずかばかり防衛費を増やした日本のどちらが軍国主義者なのかと疑問を呈する。

 安倍氏自身は、「グッド・ルーザー」としての日本の地位に終止符を打つという彼の使命を多少違うやり方で明確にしている。「戦後レジームからの脱却」という表現を使っているのだ。だが、安倍氏の政策課題の問題点は、日本の歴史上の罪の大きさゆえに、これ以上少しでも申し訳ないという敗北の姿勢から離れると、東アジア地域に計り知れない不安をもたらすことである。

 ワシントンは、安倍氏の憲法改正の方針をおおむね支持している。また、日本が自衛のためより多くの責任を持つことを歓迎している。だが、安倍首相が近隣諸国をいら立たせていることには警戒感を抱いており、彼がナショナリズムを振りかざしてどこに行こうとしているのか漠たる不安を持っている。

 外交問題評議会(CFR)の日本担当上級研究員であるシーラ・スミス氏は、「我々の問題は、安倍氏がどういう人物で、彼の戦略的目標が何であるのか分からないことだ」と話す。スミス氏によれば、「安倍氏は自分に力があることを分かっている。だが、彼にシナリオがあるのかどうかは私には分からない」と語った。」

http://jp.wsj.com/article/SB10001424052702304204104579378190435424698.html?dsk=y

ゆれながら咲く花

2014-02-12 14:27:28 | アジア
 韓国のドラマ「揺れながわ咲く花」は詩からインスピレーションを得て題がつけられたとのこと。

 その詩が以下の詩。素晴らしいので載せました。

「흔들리며 피는 꽃
                 도종환
흔들리지않고 피는 꽃이 어디 있으랴...
이 세상 어떤 아름다운 꽃들도
다 흔들리며 피었나니...
흔들리며 줄기를 곧게 세웠나니...
흔들리지않고 가는 사랑이 어디 있으랴...
젖지않고 피는 꽃이 어디 있으랴...
이 세상 어떤 빛나는 꽃들도
다 젖으며 젖으며 피었나니...
바람과 비에 젖으며 꽃잎 따뜻하게 피웠나니...
젖지않고 가는 삶이 어디 있으랴...


<訳>
揺れながら咲く花
          ト・ジョンファン

揺れずに咲く花がどこにあるだろうか...

この世どんなに美しい花も

みな揺れながら咲くのだ...

揺れながら幹をまっすぐに伸ばすのだ...

揺れない愛がどこにあるだろうか...

濡れずに咲く花がどこにあるだろうか...

この世どんなに輝く花も

みな濡れながら濡れながら咲くのだ...

風と雨に濡れながら花びらを暖かく咲かせるのだ...

濡れずに行く人生がどこにあるだろうか...」

慰安婦問題で米下院3議員が長官に書簡 「日本政府に謝罪するよう働きかけよ」

2014-02-04 13:24:30 | アジア
「2014.2.4 12:46

慰安婦問題で米下院3議員が長官に書簡 「日本政府に謝罪するよう働きかけよ」
 米下院の3議員がケリー国務長官に対し、慰安婦問題に関して日本政府に謝罪するよう働き掛けることを求める書簡を送ったことが3日、分かった。カリフォルニア州選出のシフ議員(民主党)がウェブサイトで明らかにした。

 書簡を送った他の2人はいずれもニュージャージー州選出で、民主党と共和党1人ずつ。両州には慰安婦の像や碑が置かれている。

 1月29日付の書簡は「(旧日本軍は)しばしば作り話を用いて女性を招き寄せ、売春を強制して日本軍に奉仕させた。誘拐することさえあった」と厳しく批判。「80歳を優にこえた女性たちは、日本政府から正式な謝罪を受けて然るべきだ」と指摘した。

 さらに「この問題はわれわれの選挙区住民にとって極めて重要であり、国務省は優先課題として扱うべきだ」として外交的な取り組みを求めた。(共同)」

http://www.iza.ne.jp/kiji/world/news/140204/wor14020412470023-n1.html

日中平和条約/武力ではなく平和的手段でと規定

2014-01-15 14:21:23 | アジア
 日中平和条約。第1条2で「両締約国は、前記の諸原則及び国際連合憲章の原則に基づき、相互の関係において、すべての紛争を平和的手段により解決し及び武力又は武力による威嚇に訴えないことを確認する」とした。

 さらに第2条では「両締約国は、そのいずれも、アジア・太平洋地域においても又は他のいずれの地域においても覇権を求めるべきではなく、また、このような覇権を確立しようとする他のいかなる国又は国の集団による試みにも反対することを表明する」として、覇権否定をうたっている。

 この基本に立ち返る必要があるのではないか。


「日本国と中華人民共和国との間の平和友好条約(昭和53年条約第19号)

 日本国と中華人民共和国は、
 千九百七十二年九月二十九日に北京で日本国政府及び中華人民共和国政府が共同声明を発出して以来、両国政府及び両国民の間の友好関係が新しい基礎の上に大きな発展を遂げていることを満足の意をもつて回顧し、
 前記の共同声明が両国間の平和友好関係の基礎となるものであること及び前記の共同声明に示された諸原則が厳格に遵守されるべきことを確認し、
 国際連合憲章の原則が十分に尊重されるべきことを確認し、
 アジア及び世界の平和及び安定に寄与することを希望し、
 両国間の平和友好関係を強固にし、発展させるため、
 平和友好条約を締結することに決定し、このため、次のとおりそれぞれ全権委員を任命した。

 日本国外務大臣 園田直
 中華人民共和国外交部長 黄華

 これらの全権委員は、互いにその全権委任状を示し、それが良好妥当であると認められた後、次のとおり協定した。

第一条 両締約国は、主権及び領土保全の相互尊重、相互不可侵、内政に対する相互不干渉、平等及び互恵並びに平和共存の諸原則の基礎の上に、両国間の恒久的な平和友好関係を発展させるものとする。
2 両締約国は、前記の諸原則及び国際連合憲章の原則に基づき、相互の関係において、すべての紛争を平和的手段により解決し及び武力又は武力による威嚇に訴えないことを確認する。

第二条 両締約国は、そのいずれも、アジア・太平洋地域においても又は他のいずれの地域においても覇権を求めるべきではなく、また、このような覇権を確立しようとする他のいかなる国又は国の集団による試みにも反対することを表明する。

第三条 両締約国は、善隣友好の精神に基づき、かつ、平等及び互恵並びに内政に対する相互不干渉の原則に従い、両国間の経済関係及び文化関係の一層の発展並びに両国民の交流の促進のために努力する。

第四条 この条約は、第三国との関係に関する各締約国の立場に影響を及ぼすものではない。

第五条 この条約は、批准されるものとし、東京で行われる批准書の交換の日に効力を生ずる。この条約は、十年間効力を有するものとし、その後は、2の規定に定めるところによつて終了するまで効力を存続する。
2 いずれの一方の締約国も、一年前に他方の締約国に対して文書による予告を与えることにより、最初の十年の期間の満了の際またはその後いつでもこの条約を終了させることができる。

 以上の証拠として、各全権委員は、この条約に署名調印した。

 千九百七十八年八月十二日に北京で、ひとしく正文である日本語及び中国語により本書二通を作成した。

 (署名略)」

http://www.geocities.jp/nakanolib/joyaku/js53-19.htm より

隣人:日中韓/2 予期せぬ衝突、回避策急務

2014-01-01 17:38:39 | アジア
 今まで積み上げてきたあらゆる努力を崩壊させた安倍の参拝。

 本当に安倍はキム・ジョンウン並みだ。排除するしかない。


「隣人:日中韓/2 予期せぬ衝突、回避策急務

毎日新聞 2014年01月01日 東京朝刊

 昨年6月6日、中国・北京市内のホテル。自衛隊将官OBで作る「中国政経懇談会」(中政懇)と、現役の中国人民解放軍幹部の会合では、本音を交えたあけすけな議論が約9時間続いた。

 中国人民解放軍少将「釣魚島(尖閣諸島)で衝突が万一起きれば、日中間の全面的な戦争も引き起こしかねない。誤射撃で日本の飛行機を撃墜してほしいと考える人が一部にいる」

 自衛隊元将官「中国側の国際的な警戒・監視のルールの理解不足が、不要な緊張をもたらしている」

 冷え込む日中関係を反映するように、会合は尖閣関連のやりとりでほぼ埋め尽くされた。

 この会合から5カ月後の昨年11月に中国が発表する防空識別圏を先取りする議論も交わされた。自衛隊元将官が「防空識別圏は日本の国家主権を主張するものではない。中国空軍にも同様のものがあると承知している」と指摘した。これに対し、中国軍少将は「日本のラインが公海上なら問題ないが、中国の海域、つまり排他的経済水域(EEZ)に設定されている。非合法ではないか」と反論してきた。

 会合は1977年にトウ小平副首相(当時)や自衛隊の元陸将らが旗振り役となって始まった。日本側が毎年訪中し、時には激論を交わしてきたが、会合は30年以上も続く。2012年の尖閣国有化で、日中間のパイプが次々と閉ざされる中で中国軍の本音を探るほぼ唯一のパイプとなっている。

 熱を帯びた議論は、中国軍と自衛隊が、尖閣周辺で偶発的な衝突を避けるための「海上連絡メカニズム」へと向かう。

 自衛隊元将官「現役で顔を合わせて意見交換し、事故防止協定につなげるべきだ」

 別の中国軍少将「早く作る必要がある。ホットライン創設は相互信頼がないとなかなか実現しない」

 中政懇理事長の永岩俊道元空将は「最前線の衝突防止を大前提に腹を割って話した。中身は現役にも打ち返した」と会議の意義を語った。

 ◇緊張「いつ起きても…」


拡大写真
 「日本の活動家が、漁業目的で尖閣へ行くのは説明がつかない。中国側から批判が起きることも想定すべきだ」

 昨年11月初旬、危機管理や情報収集を担当する内閣官房や外務省の幹部職員がひそかに集まった。内閣官房の幹部職員は、こう切り出した。

 尖閣諸島周辺では領海を守る海上保安庁の巡視船と中国海警局所属の公船とのせめぎ合いが続く。「向こうへ行け!」。海保側から中国側へ無線で怒声が飛ぶ。活動家の漁船が来ると、緊迫の度合いはさらに高まる。海保の巡視船は漁船に気を配りながら、活動家の漁船を追いかける中国公船が領海侵入するのをけん制しなければならない。中国側の乗組員の様子がわかるほど接近し、一つ間違えば、衝突しかねない。

 巡視船と中国公船の背後には自衛隊と中国軍が控える。どうすれば、尖閣周辺で予期せぬ衝突を起こさずに済むのか……。

 ◇交渉、靖国参拝で遠のく

 自衛隊と中国軍との間の「海上連絡メカニズム」は12年6月に基本合意していた。合意は、防衛当局者や専門家の定期会合、複数のホットライン創設、現場の艦艇・航空機間の通信の3本柱だった。

 「その年の秋には国防相より権限の強い解放軍トップが訪日して調印式を行う計画だった」と複数の日中関係筋は明かす。しかし、同年9月の尖閣国有化で白紙と化し、中国側とは連絡もままならなくなった。

 その中国側が、メカニズム構築に向けた対話を呼びかけ始めた。防空識別圏を公表した直後の昨年12月3日、中国外務省の劉振民次官は北京市内で講演し、「中日で防空識別圏が重なっている問題について対話を強化し、偶発事故に備えるべきだ」と強調した。

 安倍晋三首相も同18日のテレビ番組で「誤った軍事衝突が起こらないように、中国軍と自衛隊が連絡しあうメカニズムは海も空もあった方がいい」と話した。しかし、現場レベルでは話し合いが再開される気配はない。「中国側は対外的には必要だと言うが、やりとりは一往復もいかないほどだ」と防衛省幹部は説明する。

 中国側が連絡メカニズムの構築を「識別圏黙認」につなげようとしているのではないかとの警戒感も日本側には強い。自衛隊幹部は「日本は海保で領海を警備し、自衛隊が防空識別圏を設定し、警戒・監視している。だから中国も、日本と同じ状態で何が悪いのかという発想だ」と語る。

 12月4日に発足した「国家安全保障会議」(日本版NSC)の事務局長への就任が内定している谷内正太郎元外務事務次官は同12日、早稲田大学でのシンポジウムで聴衆に語りかけた。「中国への政策展開は、戦略的忍耐を持って対応していくべきだ」。同26日の首相の靖国神社参拝は、戦略的忍耐が作用しなかったということなのか。日本政府関係者は「これでメカニズムの話は当面お預けだ」と悲観的な見通しを語る。=つづく」

http://mainichi.jp/shimen/news/20140101ddm003010115000c.html

<中国>防空圏3年前提示 日本コメント拒否 非公式会合

2014-01-01 17:16:23 | アジア
 中国は防空識別圏を日本側に提示して説明をしてた。

 なぜ日本の役人は国民と世界にウソをつくのか。

 これでは世界のどことも信頼関係を築くことはできない。


「<中国>防空圏3年前提示 日本コメント拒否 非公式会合

毎日新聞 1月1日(水)9時34分配信

<中国>防空圏3年前提示 日本コメント拒否 非公式会合

日中の防空識別圏

 中国人民解放軍の幹部が、2010年5月に北京で開かれた日本政府関係者が出席した非公式会合で、中国側がすでに設定していた当時非公表だった防空識別圏の存在を説明していたことが31日、明らかになった。毎日新聞が入手した会合の「機密扱」の発言録によると、防空圏の範囲は、昨年11月に発表した内容と同様に尖閣諸島(沖縄県)を含んでおり、中国側が東シナ海の海洋権益の確保や「領空拡大」に向け、3年以上前から防空圏の公表を見据えた作業を進めていたことが改めて裏付けられた。

【防空識別圏】中国政府内に異論 飛行計画提出の運用面で

 非公式会合は10年5月14、15の両日、北京市内の中国国際戦略研究基金会で行われた。発言録によると、中国海軍のシンクタンク・海軍軍事学術研究所に所属する准将(当時)が、中国側の防空圏の存在を明らかにしたうえで、その範囲について「中国が主張するEEZ(排他的経済水域)と大陸棚の端だ」と具体的に説明し、尖閣上空も含むとの認識を示した。

 また、この准将は「日中の防空識別区(圏)が重なり合うのは約100カイリ(約185キロ)くらいあるだろうか」と述べるとともに、航空自衛隊と中国空軍の航空機による不測の事態に備えたルール作りを提案した。

 人民解放軍の最高学術機関である軍事科学院所属の別の准将(当時)も「中国と日本で重なる東海(東シナ海)の防空識別区(圏)をどう解決するかだ」と述べたうえで、同様の提案をしていた。

 中国の防空圏に尖閣諸島が含まれていれば、「尖閣に領土問題は存在しない」という日本政府の公式的な立場を崩しかねない。このため、日本側出席者の防衛省職員が「中国は国際的に(防空圏を)公表していないので、どこが重複しているのかわからない。コメントできない」と突っぱねた。

 中国政府はこの会合の1年前の09年5月、沿岸から200カイリ(約370キロ)を超える海域に大陸棚の拡張を求める暫定申請を国連の大陸棚限界委員会に提出。12年12月に正式申請した。これらの申請地点と、昨年11月に発表した防空識別圏はほぼ重なり合う。

 日本政府は、一連の中国側の動きを踏まえ、防衛省・自衛隊が警戒・監視活動を実施。中国側が昨年初めから、対日安全保障政策の立案を担う国防大学や軍事科学院を中心に、防空圏公表に向けた調整を本格化させたことも把握していた。

 非公式会合は「日中安全保障問題研究会議」と呼ばれ、日本側からは石原信雄元官房副長官を団長に、荒井聡首相補佐官(当時)や複数の事務次官OBが出席。現職の外務・防衛両省の職員も「オブザーバー」の立場で、議論に加わっていた。中国側は王英凡元外務次官を団長に、国防大学や軍事科学院などの幹部が出席した。」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140101-00000023-mai-cn

歴史逆行に断じて未来はない/人民日報日本語版

2013-12-28 17:43:07 | アジア
「 アジア近隣国を始めとする国際社会の警告を無視して、日本国首相の安倍晋三氏は頑として靖国神社を参拝し、過去1年間の執政に醜いピリオドを打った。(人民日報「鐘声」国際論評」)

 亡霊参拝が何を意味するのか、日本の政治屋は腹ではよくわかっている。靖国神社には第2次大戦のA級戦犯14人の位牌が祀られている。まさに彼らが、アジアさらには世界の人々に空前の惨禍をもたらしたのだ。こうした戦犯にひれ伏して礼拝を捧げるのは、軍国主義の亡霊を呼び戻し、中国その他アジア諸国の人々の感情を荒々しく踏みにじるものであり、歴史の正義と人類の良識に対する公然たる挑戦であり、戦後国際秩序に対する公然たる蔑視である。

 安倍氏は公然たる亡霊参拝によって、誤った歴史観を再び大いに露呈した。安倍氏は早くも第1次安倍政権時に閣議決定した政府答弁書で、慰安婦問題について「強制性を証明する証拠はない」として、慰安婦問題が国家犯罪であることを否認しようと企てた。2012年の自民党総裁選では、首相在任中に靖国神社を参拝できなかったことを痛恨の極みと述べた。今年4月23日には「侵略の定義は学界的にも国際的にも定まっていない」との謬論をぶち上げ、国際世論を騒然とさせた。今年9月25日には「もし皆様が私を右翼の軍国主義者とお呼びになりたいのであれば、どうぞそうお呼びいただきたい」とさらなる妄言を吐いた。このようにぬけぬけとずうずうしいことを言うとは、「右翼軍国主義」が人々から相手にされなくなるレッテルであることを安倍氏が全く顧みていないことをはっきりと示している。歴史問題において安倍氏は不行跡が多いと言える。

 安倍氏の公然たる亡霊参拝は、日本社会のさらなる右傾化の最新の例証だ。侵略の歴史の清算が徹底的でなかったために、日本の軍国主義思想は極めてしぶとい生存力を保っている。近年、経済的低迷を大きな背景に、日本の政治屋は国家の前進の方向性に対する理性的な設計を欠き、ひたすら右翼勢力に迎合し、強化し、政治の世界における右翼過激勢力の急速な台頭を招いている。政界要人は「靖国参拝は日本の内政」との誤った発言を度々行い、侵略の歴史を否定し、美化し、A級戦犯の罪を否定している。軍拡の加速、自衛隊の昇格、海兵隊の創設、憲法改正の推進、秘密保護法の可決といったアジア太平洋地域の安全と安定を脅かす安倍内閣の一連の挑発行為は、国際社会とアジア諸国の強い警戒を招いた。

 安倍氏の公然たる亡霊参拝は、国際社会にどんなメッセージを伝えようとするものなのか?安倍氏は声明で、参拝は日本は決して戦争を起こさないとの約束を新たにするためであり、「恒久平和」のためだと、もっともらしく述べた。なんという世界に対するでたらめなごまかしか。公然と軍国主義の侵略の歴史の亡霊を呼び戻す政治屋のどこに平和を大げさに語る資格があるのか?もし本心から世界平和の促進に貢献したいのなら、日本はまず歴史を否定し、侵略を美化する誤った歴史認識から抜け出し、被害国の人々に対して真摯に反省し、謝罪すべきだ。まさに韓国政府が指摘したように、安倍氏の行為は北東アジア全体の安定と協力を破壊し、時代の潮流に背くものであり、このような誤った歴史観を持つ日本が、平和の促進にどう貢献するというのだ?

 安倍氏の公然たる亡霊参拝は、その政権があくまでも誤った方向に引き続き進んでいくことを示している。英紙ガーディアン電子版はこのほど「安倍晋三:日本の首相は危険な軍国主義者か、それとも近代化の改革者か?」と題する記事を掲載した。今や、その答えは言わずとも明らかだ。安倍氏は歴史を否定する言動をすでに多くしており、これは彼の追い求める「普通の国」「強大な国」がどんな国なのかを人々にはっきりと悟らせるに十分だ。それは公然と侵略の歴史を美化し、世界反ファシズム戦争の勝利の成果を否定し、戦後国際秩序の取り決めに挑戦する国に他ならない。そのような国が国際関係システムに融け込むことは不可能だ。そのような国が世界にいかなる「積極的な平和」をもたらすことも絶対に不可能だ。

 歴史が告げるように、ファシズム戦争の邪悪さを正しく認識できず、戦争責任を反省できない国に真の復興はあり得ない。歴史を逆行させることに、活路と未来は断じてない。(編集NA)

 「人民網日本語版」2013年12月27日」

http://j.peopledaily.com.cn/94474/8497645.html

日中韓の市民社会の連携を

2013-12-09 17:36:54 | アジア
 日中韓の対立が高まっている。国家主義的立場が前面に出て、感情的にも相互に嫌悪しあう状態に陥っている。このようなことは決して必然ではない。

 中国の台頭を嫌いけん制するアメリカと、その傀儡の日本の対米従属派の官僚の存在があり、中国では国家の台頭を軍事的・覇権的台頭として実現することを望む党官僚と軍人集団がいる。韓国では米中のはざまで自主的に事態を打開しようとする試みが日米の圧力を受ける中、朴政権は左派・民主派の弾圧を強めている。

 しかしいま目を転じてみれば東アジアにこれほど大きな可能性が生まれたことはない。世界第2位と第3位の経済大国が隣接し、しかも経済的に相互補完的であることは明らかだ。日円と中国元でドルに代わる通貨制度を作ってもいいではないか。韓国が加わればより成熟し、北の問題を解決すれば他にどんな問題がこの地にあるというのだろう。

 文化的にも今までにない展開を何れの国も見せている。文学、映像芸術、娯楽作品、50年前には存在しなかった世界がこの地に生まれ、世界を変えつつある。

 この繁栄と変化をなぜ政治的対立で台無しにし、軍事的に破綻させるのか。間違っている。

 今この繁栄を担っているのは、それぞれに生きる市民の活動だ。ここでいう活動は、日常の仕事や生活のことだ。特別な芸術活動や政治行動のことではない。普通の生活が普通の市民とともにあるのだ。

 そしてかつては存在しないか極めて弱かった市民社会が、それぞれの国で力強く成長している。中国では-極論すれば-70年代まで、指導者と「人民」しかいなかった。韓国にも独裁者と労働者、そして反抗する学生だけだった。

 今は違う。中国でさえも様々なNGOが活動し、自分たちが抱える課題に取り組み、生むことなく前進している。韓国は言うまでもない。日本でも特定秘密保護法反対に示された民意は、かつての政党や組合動員の反対とは全く質が異なっている。本当の市民の自主的な行動だ。

 いま求められているのは、このような市民間の交流であり、意見の交換であり、連携だ。それぞれが互いを必ず必要としている。そのつながりを作らなければならない。そこに共通の基盤を作り、それを東アジアの市民籍政治基盤・理念に育てなければいけない。それこそが未来ではないだろうか。

中国は帝政ドイツの過ちを繰り返してはならない 2013.12.05(木) Financial Times

2013-12-05 12:10:44 | アジア
「台頭著しい専制国家とそれに比べれば経済に衰えが見える民主主義国家との緊張をうまく管理しながら、開かれた世界経済を維持することはできるのだろうか? この問いは19世紀の後半、帝政ドイツが欧州一の経済・軍事大国にのし上がる際に示されたものだ。

 現在、これと全く同じ問いが、共産主義国家・中国の台頭を受けて浮上している。かつてと同様に不信感が強まっており、かつてと同様に新興の大国の行動が紛争のリスクを高めているのだ。この物語が1914年にどのような結末を迎えたかは周知の通りだ。新しい物語はその100年後に、果たしてどんな結末を見せるのだろうか。

明らかに挑発的な防空識別圏の設定

中国の防空識別圏は「日本がターゲット」、中国国営紙
中国は無人島の主権を巡り、紛争が起きるリスクを取っている(写真は朝日を受ける尖閣諸島)〔AFPBB News〕

 中国が先日、日本が現在支配している無人の島々(日本では尖閣諸島、中国では釣魚島と呼ばれている)の上空を含む空域に「東シナ海防空識別圏」なるものを設けることを決めたことは、明らかに挑発的だ。両国の防空識別圏が互いに重なり合うことになるからだ。

 日本も韓国もこの新しい防空識別圏を承認していないが、中国はこれを守る構えのようだ。米国もこの防空識別圏を認めておらず、紛争時には日本を支援する義務を条約により負っている。

 ただ米国務省は、無辜の乗客の命を危険にさらすことを避けるために、米国の民間航空会社が中国の要請に従うことを「期待する」とも述べている。

 つまり、米国のシグナルは曖昧である。このような状況では普通に見られることだが、かつて米国の太平洋軍司令官を務めたウィリアム・ファロン氏が述べているように、中国の防空識別圏の設定によって、偶発的な紛争が生じる危険性は高まっている。

 もし中国と日本の軍用機が撃ち合う事態になったら、一体どうなるのだろうか? もし中国の軍用ジェット機が民間機を銃撃したり着陸を強制したりすることになったら、一体何が起こるのだろうか? 米国が発した曖昧なシグナルは、紛争のリスクをむしろ高めているのかもしれない。

今の中国と帝政ドイツ台頭との類似点

 第1次世界大戦が始まった時のことからも分かるように、一見些細な出来事があっという間にとてつもない大事(おおごと)にエスカレートすることがある。

 欧州はあの戦争の被害から立ち直ることができなかったし、その25年後にはもっとひどい戦争を引き起こしてしまった。

 翻って今日では、強気なナショナリストの習近平氏が中国を率い、それに負けないくらい強気なナショナリストの安倍晋三氏が日本を率い、さらには米国が条約で日本の防衛を約束していることから、破滅的な紛争が勃発するリスクが再び生じている。

 そのような事態は決して不可避ではなく、現実のものとなる公算も小さい。だが全くあり得ないとも言い切れず、現実化の可能性は1カ月前よりも高まっている。

 帝政ドイツが台頭した時との類似点はほかにもある。帝政ドイツは20世紀の初めに、海軍力の強化で英国と競い始めた。1911年には、フランスがモロッコに介入したことを受けて砲艦1隻をモロッコに派遣した。フランスと英国の関係を試すこともその狙いの1つだった。この一件により、フランスと英国の関係は強化された。

中国の習主席、ロシア訪問に続きアフリカ歴訪開始
習近平国家主席の意図は何か?〔AFPBB News〕

 これと同様に、中国の今回の行動は一方では日本と韓国の、他方では日本と米国の関係を強化する公算が大きい。また当時の英国がそうだったように、今日の米国は、この地域で影響力を行使したい中国がもたらす難題にますます悩まされている。

 中国の国家主席はなぜこのような挑発的な行動を取るのだろうか? 習近平氏は国内での立場を強化しているように見えるため、恐らく意識したうえでこの決断を下したのだろう。恐らく、同様な行動をさらに取ることも視野に入れているのだろう。

戦争は勝者にとってすら無益

 しかし、利害関係のない第三者から見れば、いくつかの無人の岩礁を支配することによる利得よりも、習氏の国が抱え込むリスクの方がはるかに大きい。習氏の率いる中国は複雑な経済改革に着手したばかりで、世界経済に深く組み込まれているうえに、高所得国になるというゴールに至る道のりはまだ長いからだ。

 これはかつてイングランドのリベラル派政治家、ノーマン・エンジェルが1909年の著書『The Great Illusion(大いなる幻想)』で提起した問いにほかならない。エンジェルは、欧州の大国同士の戦争など考えられないと論じたと一部で指摘されているが、そうではなかった。そんなに愚かな人ではなかった。

 エンジェルが主張したのは、戦争は勝者にとってすら無益なものになる、ということだった。争って領土を獲得したところで、市民の福祉の向上には何の役にも立ちはしない、市民やその指導者たちが一時的に有頂天になって小躍りできるぐらいだろう、と説いたのである。

 これほどまでに的中した予言もあるまい。いざ戦争が始まると、主な参加国は軒並み壊滅的な損害を被ることになったのだから。

 先ほどの問いに戻ろう。今日の中国の指導者が、いくつかの岩礁について主権を主張することにはあのようなリスクを冒す価値があると考えるのはなぜなのか、という問題だ。

 確かに中国は、今回は咎めを受けずに済むかもしれない。次回も、そのまた次もそうかもしれない。しかし、この手を試みればそのたびに同じリスクを抱え込むことになる。そこで生じ得る損失を正当化できる利得とは、果たしてどんなものなのだろうか?

全面対決になれば、負けるのは中国

日中韓FTA交渉始まる
貿易に依存する中国だが、本格的な戦いになれば、海上を支配している米国は中国の貿易を遮断することができる〔AFPBB News〕

 軍事専門家によれば、もし正面からの対決になれば負けるのは中国だという。中国経済は劇的な成長を遂げてきたが、その規模はまだ米国よりも小さい。米国と日本を足し合わせればなおさらだ。

 何よりも、米国はまだ海上を支配している。もし本格的な戦いになったら、米国は、中国と世界のほかの国々との貿易を遮断することができるだろう。

 中国が所有する、流動性のある外国資産の大部分を接収することもできるだろう。世界に及ぶ経済的なダメージは非常に大きなものになるだろうが、中国が受けるダメージの方が、米国とその同盟国が受けるダメージよりも大きくなることはまず間違いない。

 何と言っても、中国は例外的なほど開かれた大国だ。国内総生産(GDP)に対する貿易額の比率は米国や日本よりも高い。また資源が乏しいため、重要な原材料の多くを輸入に頼っている。技術力は急速に伸びているものの、外国のノウハウや外国からの直接投資への依存度は高い。中国の技術力に対する世界のほかの国々の依存度よりも、はるかに高いのが実情だ。

 もし戦いが始まれば、西側諸国や日本の企業の多くは撤退を余儀なくされ、安全そうなほかの国を目指さざるを得なくなる可能性がある。

 また中国の外貨準備はGDPの40%に相当する規模だが、その定義上外国で保管されているため、その大部分がリスクにさらされることになろう。

 エンジェルが生きていたらきっとそう言うだろうが、中国にとって、紛争が始まるリスクを冒すことは明らかに理にかなっていない。

 沖合の領土をわずかに拡大することで得られる利益よりも、貿易を拡大して経済的な相互依存度を深めることで得られる相互利益の方がはるかに大きく、また(誰しもそう思っただろうが)説得力もある。これは第1次世界大戦の時も同じで、被害を正当化できる利得などなかった。

いくら何でもリスクが大きすぎるゲーム

 だが残念なことに、現状維持を主張する強国とその修正を求める強国との摩擦は、どれほど破滅的なものになろうと、紛争につながる可能性が高いということも歴史の教えるところだ。実際、古代ギリシャの偉大な歴史家ツキディデスによれば、大変な損害をもたらしたペロポネソス戦争の原因は、勢力を強めるアテナイに対しスパルタが不安や心配を覚えたからだという。

 ナショナリストの野心、そして過去の悪行に対する恨みは、実に人間らしいものだ。しかし、このゲームはいくら何でもリスクが大きすぎる。中国国民の長期的な利益のために、習氏は今一度考え直し、このゲームをやめるべきだ。

By Martin Wolf」

日本がTPPに対する立場を変える時が来た/ハフィントンプレス

2013-12-02 14:35:37 | アジア
「ジョー・バイデン米副大統領が、環太平洋パートナーシップ(TPP)協定交渉の年内妥結を目指し、東京にやって来る。日本のメディアの関心は農産品の関税に集まるかもしれないが、内部告発サイト「ウィキリークス」が先月末に公開したTPPの交渉文書を見る限り、この協定は、保健衛生と医薬品の入手問題にもさまざまな悪影響を及ぼすことになる。

ウィキリークスが公開した文書から、日本政府の立場も分かってきた。米国が求めている条項案は、他のいかなる貿易協定よりも医薬品の入手機会を脅かすものだが、残念ながら、日本政府は、いくつかの最も有害な条項を支持している。そしてこの姿勢は、アジア太平洋地域の弱い立場の患者を大いに苦しめる可能性がある。

米国が推している厳しい知的財産条項とは次のようなものだ。20年を超える特許期間の延長、医療行為や動・植物への特許付与、既存薬に対し有効性向上を伴わない構造変化に対する特許付与、製薬会社が一定期間臨床データを独占できる権利の許可(バイオ医薬品の場合は12年におよぶ)。

このような手段の全てが、薬価を下げる効果をもつジェネリック薬(後発医薬品)の製造と販売の阻止に最終的に繋がっていく。ジェネリック薬は、アジア各地の数百万という人びとにとっての命綱だ。例えばHIVの治療費は、ほんの10年余り前までは1人当たり年間1万ドルかかっていた。しかしジェネリック薬により99%近く値が下がり、今では120ドルとなった。ジェネリック薬による価格競争を阻害する要因を作れば、治療費が患者に手の届かないほど高額になってしまう危険があるのだ。国境なき医師団のような組織が、ミャンマーやカンボジアで数千人の患者を治療する際に使う医薬品のうちジェネリック薬は実に90%を占めている。

より大きな影響を被るのは、現在交渉に参加しているベトナム、マレーシア、ペルーといった開発途上国に住む患者だろう。しかし影響はそれらの国々にとどまらない。TPPが将来の貿易協定のモデルになると謳われているため、他の国々にも影響が及ぶことになるからだ。

そしてTPPは、医療や医薬品の費用の高騰を招き、日本の公衆衛生にも影響を及ぼす。日本は、世界でもC型肝炎による疾病負担が最も大きい国のひとつで、感染者数は300万人以上にのぼる。新しい経口薬が市場に出てきているが、価格は桁違いに高額だ。新薬のひとつである「ソホスブビル」の価格は、3ヵ月間の治療を受けた場合で約8万ドルになると予想されている。もし日本がTPP条項案を受け入れれば、日本の保健システム、そして最終的には患者が、この薬の廉価版を入手するために長い期間待たされることになる。

今回のバイデン副大統領の訪問に際して、日本政府がTPPの優先事項を再編することを強く求める。そして、日本が保健システムを守ること、安価な医薬品の入手を妨げ、医療費を高騰させるような条項が最終合意に盛り込まれることがないよう努めることを、強く求める。」

http://www.huffingtonpost.jp/brian-davis/tpp_6_b_4370013.html?utm_hp_ref=japan-politics