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白夜の炎

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「外交」とは何か―趙世暎・元外交部局長の「日本軍慰安婦問題を考える」を読んで/ハフポト

2014-10-20 13:19:26 | 政治
「慰安婦問題と初めて向き合ったのは1991年だった。日本留学の終わり頃、東京で開かれた元慰安婦の証言集会で、同時通訳のボランティアをした。正確に思い出せないが、おそらく当時アルバイトしていたNHKで、一緒に働いていた友人から頼まれたのだと思う。通訳する間ずっと、元慰安婦の訴えに涙をこらえきれなかったのを覚えている。

しかし翌年の春に韓国に帰国した後は、「慰安婦問題」解決運動とは距離を置いていた。当時、日本の民族主義と帝国主義の関係について勉強しており、私は慰安婦問題が民族主義的な議論になっていたことに懐疑的だった。帰国した韓国は金泳三(キム・ヨンサム)政権の時代、韓国の民族主義の高揚は、史料を通じて読んだ日本の明治時代の光景とうり二つだった。そうした民族主義的な風景の中心に、元慰安婦の支援団体「挺身隊問題対策協議会」(挺対協)があった。

しかし、より正確には運動に近づくきっかけがなかったと言うべきかもしれない。後で知ったことだが、挺対協は1980年代の民主化闘争に関わった人、キリスト教女性団体、梨花女子大学の人々が中心となっていたが、私はそのいずれとも関係がなかったためだ。

そうした年月を経て、私が再び本格的に慰安婦問題に関心を持つようになったのは2000年代に入ってからだ。慰安婦問題で始まった1990年代の日韓間の摩擦は、独島(竹島)問題などを経てより深まっていたが、2001年に歴史教科書問題が発生してから本格化しており、その摩擦を互いが増幅させている様子を見ながら、摩擦の原点にある「慰安婦問題」をきちんと考察する必要を感じたからだ。そして2003年、初めて元慰安婦の支援施設「ナヌムの家」を訪問し、元慰安婦の話を改めて近くで聞いた。ところが、その時に印象的だったのは、ナヌムの家から離れて一人で暮らし、日本の軍人との恋愛と悲しい別れについて思い出話を聞かせてくれた女性の笑顔だった。また、「日本軍より(自分を売り渡した)父親の方が憎い」という恨みのこもった表情だった。そんな表情の意味を考え、私は2005年に『和解のために-教科書・慰安婦・靖国・独島』を書いた。

趙世暎(チョ・セヨン)・元韓国外交部東北アジア局長(以下、趙局長)が先日発表した「日本軍慰安婦問題を考える 」を読んで私はまず、その記憶がよみがえった。場所こそ違うものの、彼もやはりこの20年間、彼なりに「慰安婦問題」と出会い、「哲学的考察」の対象としていた。1991年に彼は29歳だったというが、同じ年に私は34歳だった。私の方が少し年上だが、慰安婦問題に関する「距離」は、私と似ていると言えるだろう。初期には接点があり、関心はあったが深く関わらずに月日が経ち、彼が局長として再び慰安婦問題に深く関わっている時は、私は慰安婦問題を扱った別の本を書いていた。

慰安婦問題が難しいのは、中心人物のほとんどが20年以上関わる問題となり、多くの人にとってこの問題がすでに人生の一部になっているという点だ。自分の人生をかけてきた仕事を客観的に考えるのは容易ではない。私は彼らの信念と正義感を信頼するが、まさにこの部分こそ、慰安婦問題がこれほど長引いているもう一つの原因だと思う。問題は、そうした状況が変わらない限り、恐らく慰安婦問題の解決は難しいということだ。この問題に関心を持つ「第3者」の役割が重要なのは、そのためでもある。


■「アジア女性基金」

韓国で「アジア女性基金」への一方的な批判が大勢を占める中で、趙局長の文章は、挺対協が非難した「アジア女性基金」を日本の「善意」だったと明確に述べており、高く評価したい。私が知る限り、ここまで明確に述べた韓国人は多くない。文章でなく言葉で言った人は多いが、ほとんど公式の場ではなく、私的な場でなされているだけだ。慰安婦問題が解決されないもう一つの理由は、そうした「沈黙」にもある。ある意味、この部分こそ、韓国と「日本」の関係がいつまでも平行線をたどる理由でもある。しっかり「公論」化してこそ議論が深まり、前に進む基盤になるはずなのだが、解放後70年になろうとするのに、韓国人は「日本」についてだけは、正しかろうと間違っていようと、自分の考えをきちんと話せない。他の人と「違う考え」は無条件に「親日派」と見なされるだけではなく、そうした発言を処罰する法律を作ろうという発想まで出ている状況なので十分に理解はするが、重要なのは、沈黙は世の中を変えることはできないということだ。

その意味で、私は趙局長の文章を歓迎した。しかし、同時に致命的な問題点が見つかったため、この文章を書くことにした。趙局長の文の主眼は、韓国政府が「責任を果たそうとしない日本」の代わりに、元慰安婦に「次善の策」を取り、それが評価されるべきだという点にあるようだ。しかし、そのために展開した主張にはいくつかの誤りがある。


■アジア女性基金が韓国政府の影響を受けて作られたという主張

就任直後の金泳三(キム・ヨンサム)大統領が1993年3月13日、これ以上日本に金銭的補償を要求せず、韓国政府が被害者に支援をすると宣言した。(金泳三政権は被害者に500万ウォンの一時金と生活補助金、医療支援、永久賃貸住宅などの支援を実施し、1998年、金大中政権は追加で4300万ウォンの一時金を支給した。)

(中略)


韓国政府は「道徳的優位に立脚した自助措置」という表現を使ったが、それは実際に対日外交の現場で道徳的、外交的な優越感を感じさせてくれた快挙だった。

(日本軍慰安婦問題を考える | 趙世暎より 2014/03/06)
趙局長が当時の外交部職員として、そうした措置に自負心を感じるのは当然だ。実は私も、韓国政府が初期に元慰安婦に500万ウォンを支給したということは、少し前に趙局長と会った時に初めて知った。従って、そのことが私の本で言及されてないという指摘は謙虚に受け止めたい。しかし、1998年に支給された4300万ウォンについては『和解のために』で批判的に書いた。支給自体ではなく、その理由が日本に対する「道徳的優位」に立とうとしたことについてだった。もちろん、「道徳的優位」を感じること自体、大きく問題視することではない。問題は、日本に「道徳・モラル」はないと断定していることだ。「アジア女性基金」は、韓国人が維持するよう求めている河野談話と村山談話の精神が継承された基金だった(村山元首相がこの基金の2代目理事長を務めたこともその証拠だ)。さらに遡れば、すでに自民党政権時代から構想のあった、冷戦終結後に国際社会との和解をめざし「歴史問題を念頭に置こうと」する政策につながったのだった。我々は自民党に謝罪する気がないと判断して一方的に敵視するが、「河野談話」を出した河野元官房長官も自民党出身だ。

したがって、当時の日本が韓国の「救済措置」を参考にしなかったとは考えられないが、韓国の独自支援が日本を「針のむしろ」に座らせ、「窮地」に陥れたと考えるのは、優越感が生んだ一方的な考えではないかと思う。

もちろん、現場の一部の外交部職員たちがそういう反応を示した可能性はあるが、問題は趙局長の自負心が、金泳三・元大統領のように、日本には謝罪する気がないという根拠のない断定による優越感と違わないということだ。そのような優越感は、金大中(キム・デジュン)・元大統領まで含めて「日本に謝罪を要求しない」という一方的な宣言に至ったが、それは元慰安婦の「個人」の意思を無視した宣言だった。「国家」の、家父長制的な思考で、兄や父が妹や娘の権利を「代わり」に処理してきたように。

何よりもその原資は国民の税金であり、彼女らを守ることができなかった男性主導の国家として、当然のことをしただけだ。私はその救済措置が、韓国男性が日本に「道徳的優越感」を感じるべき類のものではなかったと考えている。「救済措置」に選ばれたその事業は、むしろ彼女たちをそんな立場に転落させた国家として、遅まきながら多少の「責任」を負っただけのことだ。国民を守れなかった国家として。


■基金が「民間基金」であるという主張

原文兵衛理事長をはじめ、「基金」に参加した日本の民間人たちは、日本の過去の清算と被害者補償を信念として主張していた良心的な知識人だった。彼らは被害者の余命いくばくもない状況で、日本政府の法的責任の認定と被害補償という実現しにくい最善を追求するよりは、現実的に実現可能な次善の策を作って、1日も早く被害者を支援した方がいいという判断で「基金」活動に参加した。「基金」の背後にある日本政府の隠された意図が何であれ、彼らの心は純粋な善意だったと私は信じている。

(中略)

全体的に見て「基金」の事業が素直に受け入れられなかったことは間違いない。いくら善意でも、相手が快く受け入れないことを無理に押し切れば、それは独善になってしまう。

(日本軍慰安婦問題を考える | 조세영より 2014/03/06)
趙局長が書いたように、アジア女性基金からは「贖罪金」200万円と「医療福祉費」300万円が支給されたが、最初に「贖罪金」部分を「国民の募金」にしようとしたのは責任を負いたくないからでも、道徳意識=モラルが不足していたからでもなく、1965年にすべてが清算されたという「協定」に違反せずに責任を果たすための、まさに「自己救済策」であり「手段」だった。

しかし、「日本政府の隠された意図」が存在する可能性にあえて言及し、「責任を認めて補償する考えがない」と書いている趙局長は、当時もそうだったが、今も日本に不信感を抱いているようだ。

もちろん私は、基金の内容が当事者らとの協議もなく決まったのは問題だったと思う。また後日、「基金」にも多くの人々がいて、彼らの間でも対立があったと知った。「基金」も一枚岩ではなかったのだ。また、基金を伝達する役割を果たした人々の一部は、挺対協に予想以上の憎悪の念を抱いていたこともわかり、挺対協との対立の背景を別の側面から推測することもできた。

しかし、たとえ成立と伝達の過程で問題があったとしても、基金を「独善」と言うのは、基金への理解が十分でなかった挺対協の批判に加担することになる。何よりも、基金への激しい非難と拒否は、当事者の元慰安婦の考えというより、周辺にいた運動家たちとエリート研究者たちの考え方だったと言わなければならない。なぜなら一部を除いて、元慰安婦には文章が読めない人もいるからだ。実際に、私が会った元慰安婦たちは、自分が日本に何を要求しているのかすら正確に知らなかった。「法的責任」について説明して初めて「そんなものは必要ない」と言う人もいた。さらには「支援団体抜きで解決してほしい」と言う人たちもいた。挺対協などの支援団体と元慰安婦の関係が示すいくつかの問題については本稿では言及しないが、そのような「現実」に趙局長はおそらく接していなかったと思われる。最後に引用した元慰安婦の「話」を、彼は「伝え聞いた」と述べたが、事実ならそれこそが趙局長の文章の限界であり、慰安婦問題について発言してきた大半の男性たちの限界を示すものでもある。

基金はこうして「手段」を選択したが、結局は「医療福祉費」も韓国では現金で支給された。日本の「国費」(日本国民の税金)が支給されたのだ。しかし、その事実に言及する人は依然として韓国では誰もいない。60人が基金を受け取ったという記事が報道されても「基金は民間基金」という主張だけが広まり、受け取った元慰安婦の名誉を傷つけている。彼女たちがまだ声をあげられない理由は、初めて基金を受け取った7人の元慰安婦を挺対協が排撃したように、抑圧的な議論があるからだ。実は1998年に韓国政府が元慰安婦への「自助措置金」を4300万ウォンに引き上げて支給したのは、アジア女性基金の支給額を意識したからだ。そして日本の基金を受け取らないという覚書まで書かせて支給した。

外交部はアジア女性基金発足当時、基金を高く評価すると発表した。考えが変わったのであれば、いつ変わったのか、なぜ変わったのか国民に一度は説明すべきだ。それは韓国民に対しても必要なことだが、趙局長が日本の外交官たちと交わした対話や友情、そして信頼を水泡に帰さないためにも必要なことではないだろうか。


■「法」と「外交」

国家間のことを法律だけで判断するなら、外交は存在する場がなくなる。請求権協定の解釈に関する立場の違いを法的解決ではなく、外交的な知恵で解決しようという現実的な努力が受け入れられないなら、もはや残った道は、憲法裁の決定を忠実に履行して不作為を解消することであり、韓国政府がすべきことは明確だ。憲法裁の決定の直後に第3条による外交協議を2回要請したが、日本はこれに応じておらず、次の段階は仲裁委員会に付託する措置だ。

(中略)

被害者の要望が最も具体的な形で表われているのは、憲法裁の決定文だ。彼女らが提訴した当事者だからだ。したがって韓国政府は、憲法裁の決定を尊重しなければならず、取れる措置を全部取らなければならないのは当然だ。もちろんこれは外交とは言えず、問題が解決されることはないかもしれない。でも憲法裁の判決以降の流れで、国内的に必ず必要な措置であることには違いない。

(日本軍慰安婦問題を考える | 趙世暎より 2014/03/06
基金よりも外交部の努力を強調するかのようなこの文章は、憲法裁判所の2011年の判決に対して、非常に曖昧な態度を取っている。外交部を被告として提訴した元慰安婦と支援者らの論旨に反論しており、趙局長の「救済措置」発言と、「国家間のことを法律だけで判断するなら、外交は存在する場がなくなる」という言葉は、憲法裁判所と原告への批判と読める。ところが、裁判で負けたという事実だけで憲法裁判所の判決を受け入れ「仲裁委員会」に持ち込まなければならないという主張は矛盾がある。

憲法裁判所の決定は問題が多かった。何よりも、1965年に日本が、他にどういった類の被害者が出るか分からないため、個人に対して被害補償できるよう請求権を残してほしいという提案を断り、国家が受け取って代わりに支給すると主張したのは韓国政府だった。日本を批判するなら、並行してそれに対する反省もあってこその合理的な処置であり、勇気ある行動と言えるのではないか。私は当時の会談内容を読んで、韓国政府が最大限言うべきことを言ったことを知り、感動すら覚えた。また、そうした要求が結局受け入れられず、涙をのんだ会談出席者たちと、背後で動いた人々に尊敬の念を抱くが、だからと言って過去を隠蔽していいとは思わない。個人と同様に国家も、間違いは少なくとも明らかにして反省することで責任を負う必要がある。経過についての考察なくして、慰安婦へ文字どおり「わずかな金」を支給しただけで「国家の優越感」が保障されるわけはない。

仲裁委員会に持ち込むのは、国家間の裁判が始まることを意味する。武力ではないが、それは戦争を始めることでもある。

ところが、日韓の当事者ではない第3者に対し、その判断を問うことは、50年になろうとする日韓外交の自尊心が許さないのではないか。それだけでなく、すべての裁判がそうであるように仲裁委員会に持ち込むことは、現在の摩擦を公式化し「対話」を遮断することでもある。どんな結果が出ようと、日韓両国に残るのは植民地支配の歴史に続き、取り返しのつかない誤った選択になることは火を見るよりも明らかだ。

この20年ですでに定着した誤解や憎しみを次世代に本格的に定着させかねないことが、果たして「外交」がすべきことだろうか。外交の目的をただ国益と考える人もいまだにいるが、日本に連行された朝鮮の陶工の末裔でもある東郷茂徳・前外相が太平洋戦争当時、戦争を阻止しようとし、戦争を終わらせるために軍国主義者たちと対決した精神を、今我々は回復すべきではないか。外交の究極は戦争を防ぐことであり、対話を持続させることだ、韓国民の一人として私は思う。趙局長は、すでに外交の現場を離れた人として発言したが、外交部にいたときの経験をもとに書かれたもので、まだ仲裁委員会に持ち込まない方法を慎重に模索していると見られる現在の外交部に影響を及ぼすかもしれないので、あえて記しておく。

趙局長は、被害者の「納得」と言うが、被害者たちの考えは一つではない。もちろん、見えない被害者の声が真実なのだと主張したいのではない。我々は元慰安婦をまるで聖女や闘士のように扱うが、彼女たちもやはり血の通った人間であり、昨日までとは考えを変えることもあるし、さまざまな欲望も持つ一人の「個人」だとまず理解しなければならない。反目と摩擦の主体だった彼女たちが許しと和解の主体になることができるかは、実は「日本の謝罪と補償」だけにかかっているのではない。

そうした意味で、突然の政治的妥協は決して解決にならないという趙局長の予想に私は賛成する。しかし、この誠実な書き込みが「被害者が納得しない構造」をむしろ強固にしてしまうことに慰安婦問題の難しさがある。「人道的措置にいくら」という言葉も同様に、そんな言葉の一つだ。

実は「道義的責任」より「法的責任」を上位のものと考える発想自体が前近代的であり、国家主義的であり、男性主義的な発想だ。「法」とは、少し前まで男性だけのためのものだった。慰安婦問題に「法的責任」を問うことができない理由も、つまるところ、男性たちに保障された「法」が彼女たちにはなかったからだった。慰安婦問題を論議するには、そこから出発しなければならない。」

http://www.huffingtonpost.jp/park-yuha/foreign-policy_b_5987824.html?utm_hp_ref=japan-politics

イギリスの TIMES が安倍政権によるNHKへの統制を暴露

2014-10-18 17:30:59 | 政治
"A ban on reference to the Rape of Nanking is seen as a surrender of editorial independence by Japan’s public broadcaster, NHK

Japan’s public broadcaster, NHK, has banned any reference to the notorious Rape of Nanking, to the country’s use of wartime sex slaves, and to its territorial dispute with China, in what critics see as a surrender of its editorial independence.

In a secret internal document, obtained by The Times, journalists on NHK’s English-language services are instructed about the precise phrasing to be used in reporting some of the most controversial topics in Japanese politics. The rules appear to reflect the position of the government of Shinzo Abe, Japan’s conservative nationalist prime minister."

http://www.thetimes.co.uk/tto/news/world/asia/article4239769.ece

小渕経産相、進退問題発展も 観劇会差額で責任認める/東京新聞。

2014-10-17 14:31:22 | 政治
「 小渕優子経済産業相は17日の衆院経産委員会で、政治団体による支持者向け観劇会をめぐる収支に食い違いがある問題に関し「知らなかったでは済まされないという思いだ」と述べ、自らにも一定の責任があると認めた。野党は費用を負担していたとすれば公職選挙法に抵触するため辞任すべきだとしており、小渕氏が進める調査結果次第では進退問題に発展する可能性が出てきた。

 小渕氏は経産委で「差額が生じていることも含めて、報道で知った。大変多額であり、私自身驚いている」と強調。事実関係の調査を急ぐ考えを重ねて示した。」

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014101701000692.html

特定秘密法の運用基準決定 指定対象55項目、12月施行

2014-10-14 12:09:56 | 政治
「特定秘密法の運用基準決定 指定対象55項目、12月施行

2014年10月14日 09時07分

 政府は14日の閣議で、国の機密漏えいに厳罰を科す特定秘密保護法をめぐり、特定秘密の指定や解除の在り方を定めた運用基準と、法施行日を12月10日とする政令を決定した。運用基準は行政機関が特定秘密に指定できる対象として、防衛、外交分野などの55項目を列挙。政府側の裁量で指定範囲が広がる余地が残り、国民の「知る権利」や「報道の自由」を損なう懸念が指摘されている。 運用基準で示した55項目には、潜水艦や航空機、武器・弾薬の性能、電波や衛星を活用して収集した情報や画像、外国政府や国際機関から提供された情報などを例示した。
(共同)」

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014101401001158.html

戦後国会議員になった特高官僚54名の実名リスト!

2014-10-09 13:28:33 | 政治
「■戦後国会議員になった特高官僚54名の実名リスト!

2005年3月17日(木)「しんぶん赤旗」より転載

戦前、特高警察の拷問などで命を奪われた人だけでも1697人以上にのぼります(治安維持法犠牲者国家賠償要求同盟の調べ)。

こうした人道に反する犯罪をおかした特高たちは、戦後、約5000人が公職追放となり、特高課配属の下級警察官は職を失いますが、特高官僚は「休職」扱いで多くが復権、要職につきました。柳河瀬精氏の調べによると、国会議員には次の54人がなりました。(『告発―戦後の特高官僚―反動潮流の源泉』参照、当選順、主な特高歴)

1)大久保留次郎・警視庁特高課長、

2)増田甲子七・警保局図書課、

3)松浦栄・秋田県特高課長、

4)大村清一・警保局長、

5)鈴木直人・広島県特高課長、

6)岡田喜久治・警視庁外事課長兼特高課長

7)青柳一郎・熊本県特高課長

8)鈴木幹雄・警視庁特高部外事課長

9)中村清・京都府特高課長

10)西村直己・静岡県特高課警部

11)館哲二・内務次官

12)町村金五・警保局長  
*自民党衆議院議員町村信孝の実父。

13)池田清・警視庁外事課長・警視総監

14)今松治郎・警保局長

15)大麻唯男・警保局外事課長、

16)岡田忠彦・警保局長、

17)岡本茂・新潟県特高課長、

18)河原田稼吉・保安課長・内相、

19)菅太郎・福井県外事課長兼特高課長、

20)薄田美朝・大阪府特高課警部・警視総監、

21)田子一民・警保局保安課長兼図書課長、

22)館林三喜男・警保局事務官活動写真フィルム検閲係主任、

23)富田健治・警保局長

24)灘尾弘吉・内務次官

25)丹羽喬四郎・京都府特高課長

26)古井喜実・警保局長

27)山崎巌・警保局長 
*自民党国会議員として【憲法改正】【靖国神社法案】で暗躍

28)吉江勝保・滋賀県特高課長、

29)相川勝六・警保局保安課長、

30)雪沢千代治・兵庫県外事課長、

31)橋本清吉・警保局長、

32)保岡武久・大阪府特高課長、

33)伊能芳雄・警視庁特高課長、

34)大達茂雄・内務相、

35)後藤文夫・警保局長、

36)寺本広作・青森県特高課長、

37)広瀬久忠・内務次官、

38)大坪保雄・警保局図書課長、

39)岡崎英城・警視庁特高部長、

40)唐沢俊樹・警保局長、

41)纐纈弥三・警視庁特高課長、

42)亀山孝一・山口県特高課長、

43)川崎末五郎・警保局図書課長、

44)高村坂彦・鳥取県特高課長
*自民党副総裁高村正彦の実父。
祖父高村宇佐吉は山口県熊毛郡三井村(現光市三井)に生まれ大工の棟梁で村会議員。

45)重成格・警保局検閲課長、

46)増原恵吉・和歌山県特高課長、

47)桜井三郎・警保局事務官ローマ駐在官、

48)湯沢三千男・内相、

49)安井誠一郎・神奈川県外事課長、

50)奥野誠亮・鹿児島県特高課長、

51)古屋亨・岩手県特高課長、

52)金井元彦・警保局検閲課長、

53)原文兵衛・鹿児島県特高課長、

54)川合武・長野県特高課長」

http://blog.goo.ne.jp/yampr7/e/b4b5089fa40c1ee767db9cafdb85214b

集団的自衛権 根拠「秘密」なら監視機関にも非開示/東京新聞

2014-10-08 14:44:57 | 政治
「 安倍晋三首相は六日の衆院予算委員会で、集団的自衛権を行使する必要があると判断した情報が特定秘密保護法の特定秘密に指定された場合、国民に非公開になるとの認識を示した。監視機関の役割を強調して、意図的な情報の非開示がないようにすると説明したが、監視機関には大臣に特定秘密を公開させる強制力はなく、国民の知る権利が侵されることへの歯止めにはならない。 (新開浩)

 武力で他国を守る集団的自衛権を行使するには、武力行使の新三要件を満たす必要がある。首相は新三要件を満たしたと判断する根拠となる情報について「国会や国民に適切に公開し、理解を得ることは極めて重要だ」と指摘。内閣府に設置する予定の特定秘密の監視機関「独立公文書管理監」に対して「十分な検証に必要な権限を付与することを検討している」と述べた。

 各省庁の大臣が管理監に、特定秘密に指定されていることを理由に情報提供を拒むことも可能だと説明。その場合「管理監に理由を疎明しなければならないことを運用基準に明記することを検討している。管理監に提供されない場合は極めて限られる」と述べた。

 しかし、大臣が特定秘密を公開できない理由を管理監に説明するだけでは、政府が集団的自衛権の行使に踏み切った根拠を国民は知ることができない。

 管理監は大臣らに是正を要求する強制力はない。首相が管理監のチェック機能を強調しても、国民への説明が置き去りになる懸念は拭えない。

 江渡聡徳(えとあきのり)防衛相は、自衛隊と米軍の役割分担を定めた日米防衛協力の指針(ガイドライン)の見直しをめぐり、現行の周辺事態の考え方について「わが国周辺の地域は、地理的におのずと限界がある」と指摘し、見直しを検討していると明らかにした。」

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014100702000124.html

<社説>米議会報告書 県内移設断念しか道はない 2014年10月4日/琉球新報

2014-10-07 18:00:48 | 政治
「 米議会調査局がこのほど公表した日米関係に関する定期報告書では、米軍普天間飛行場の辺野古移設計画に関する沖縄県内の状況について「仲井真知事の決断(埋め立て承認)にもかかわらず、ほとんどの県民が政治、環境、生活の質など複合的な理由から新基地に反対している」と分析した。約半年前の前回の報告書に続いて、県内移設反対の民意の高まりを報告している。この指摘は県内の動向を極めて正確に把握していると言ってよい。

 8月末の県内世論調査では辺野古移設に向けた海底ボーリング調査について80・2%が「移設作業は中止すべきだ」と回答している。普天間問題の解決策を県外・国外移設や無条件閉鎖・撤去を求める意見の合計が79・7%に達した。昨年12月の調査では73・5%、ことし4月は73・6%で、調査のたびに割合が高くなっている。もはや辺野古移設が現実的でないことを日米両政府は直視すべきだ。

 さらに報告書はこう記した。「安倍政権は仲井真知事の承認を得るために重大な時間と金を投じてきたが、重大な遅れなく、また県民との対立をこれ以上深刻化させることなく基地建設を進めるため、さらなる政治的資源を投じ続けなくてはならないだろう」

 米側が政府と県民との対立が深刻化していることに強い懸念を示していることが分かる。知事が政府の意向に沿うよう埋め立てを承認するまで「時間と金を投じてきた」ように、基地建設を進めるためには県民に対しても政治的資源を投じるよう指南している。しかしこの部分の指摘には同意できない。県民の頬を札束でたたけば基地建設を受け入れると思っているのならば間違いだ。

 米政府内で普天間交渉にも長年携わった知日派重鎮の日米外交筋は、11月の県知事選で移設反対派が勝利した場合、日米政府が移設作業を強行し沖縄と「全面対決」になれば「ディザスター(大惨事)になる」と警告している。
 県民を懐柔して辺野古移設を継続することは不可能だと認識すべきだ。議会報告書の指摘する県民との対立の深刻化を回避する道は一つしかない。県内移設を断念することだ。

 報告書にある「複合的な理由から新基地に反対している」県民の意向を正確に把握し、日米両政府は県外・国外移設に向けた作業にかじを切るべきだ。」

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-232544-storytopic-11.html

学者や弁護士ら、脅迫状届いた大学を支援する会/朝日新聞

2014-10-07 17:15:25 | 政治
「 北星学園大(札幌市)に、非常勤講師を務める元朝日新聞記者を退職させるよう脅迫状が届いた事件を受けて、学者や弁護士、ジャーナリストらが6日、同大を支援する「負けるな北星!の会」を結成した。東京都と札幌市で記者会見を開き、「学問と言論の自由を守るため市民は結束すべきだ」と訴えた。

(メディアタイムズ)慰安婦報道 元記者の家族も攻撃
 この元記者は今春、朝日新聞社を早期退職した植村隆氏(56)。2年前から北星学園大の非常勤講師を務めている。

 呼びかけ人には元共同通信編集主幹の原寿雄さんや精神科医の香山リカさん、北海道大大学院准教授の中島岳志さんらが名を連ねる。野中広務・元自民党幹事長や上田文雄・札幌市長ら約400人が賛同しているという。

 東京での記者会見で、呼びかけ人の一人で弁護士の海渡雄一さんは「言論を暴力で封じ込めるのはテロリズム。テロが放置されないよう市民も結束して『許さない』というメッセージを社会に送るべきだ」。小森陽一・東大院教授は「学問の自由の封じ込めで、憲法違反だ」と主張した。市民文化フォーラム共同代表の内海愛子・恵泉女学園大名誉教授は「外部からの脅迫で大学がいかようにでも動くという先例を作ってはならない」と訴えた。

 小林節・慶応大名誉教授は、ネット上に元記者の長女の写真などがさらされていることに触れ「10代の女の子の顔写真や名前までが公開され、自殺を教唆する書き込みもされている。テロとしか言いようがない」と語気を強めた。

 会は今後、北星学園大を支援するための署名活動や集会を呼びかけていく。

     ◇

 同会は呼びかけ人のメッセージを発表した。

■池澤夏樹さん(作家)

 たくさんの人が一人の人を非難している。その非難に根拠がないとしたら、もっとたくさんの人が立ち上がってその人を守らなければならない。

 ぼくは喜んでその一人になる。

 ぼくたちは言葉を使う。暴力は使わない。

■原寿雄さん(元共同通信主幹)

 植村さんの勤務先である北星学園大学への脅迫に加え、娘さんに対するひどい脅迫めいたバッシングは、単なるヘイトスピーチではなく、明らかな犯罪だ。こういうことが見過ごされるようになったら、日本社会の自由な言論が封じられ、ものが言えなくなる。これは、大学の自治だけの問題ではなく、日本社会の大問題である。

■森村誠一さん(作家)

 戦時報道の問題で、今「朝日」が他のマスメディアのバッシングの的にされています。同業者が同僚の報道内容を餌にして叩(たた)きまくっているのは、「叩けば売れる」からです。次は自分が的にされるかもしれないのに、“武士の情”どころか、売上第一主義で叩きまくっています。

 しかし反対者が「朝日」の元記者と家族・学生に至るまで、暴力的脅迫をあたえるとなると、思想、表現、報道、学問などの自由を弾圧するテロ行為となります。

 日本はいま憲法をめぐって永久不戦と集団的自衛権が争っています。この両派のどちらからでも、反対思想、反対表現者に対するテロリズムが発生すれば、テロ派が民主主義の天敵であることを自ら露悪することになります。植村隆氏に対する暴力的弾圧を、広島、長崎、三百万を越える犠牲を踏まえて得た民主主義の名にかけて、絶対に許すべきではありません。

     ◇

呼びかけ人は以下の通り。

池澤夏樹(作家)

伊藤誠一(弁護士、元日弁連副会長)

内田樹(神戸女学院大名誉教授)

内海愛子(市民文化フォーラム共同代表)

太田原高昭(北海道大名誉教授、元北星学園大助教授)

岡本仁宏(関西学院大教授、ワシントン大客員研究員)

荻野富士夫(小樽商科大教授)

小野有五(北海道大名誉教授、北星学園大教授)

海渡雄一(元日弁連事務総長)

桂敬一(元東京大教授)

加藤多一(絵本作家)

神沼公三郎(北海道大名誉教授)

香山リカ(立教大教授)

姜尚中(聖学院大学長)

神原勝(北海道大名誉教授)

古賀清敬(牧師・北星学園大教授)

後藤乾一(早稲田大名誉教授)

小林節(慶応大名誉教授、弁護士)

小森陽一(東京大大学院教授)

斎藤耕(弁護士)

佐藤博明(静岡大名誉教授・元学長)

新西孝司(元高校教師)

鈴木賢(北海道大教授)

高橋哲哉(東京大大学院教授)

田中宏(一橋大名誉教授)

千葉真(国際基督教大教授)

中島岳志(北海道大准教授)

中野晃一(上智大教授)

西谷修(立教大特任教授)

西谷敏(大阪市立大名誉教授)

原寿雄(ジャーナリスト、元共同通信編集主幹)

秀嶋ゆかり(弁護士)

福地保馬(北海道大名誉教授、医師)

藤田文知(元BPO〈放送倫理・番組向上機構〉)

藤原宏志(元宮崎大学長)

真壁仁(北海道大教授)

松田正久(前愛知教育大学長)

水越伸(東京大教授)

森村誠一(作家)

山口二郎(法政大教授)

結城洋一郎(小樽商科大名誉教授)

渡辺達生(弁護士)

和田春樹(東京大名誉教授)」

http://www.asahi.com/articles/ASGB67JQTGB6PTIL03H.html

逆説のアベノミクス 2014年10月2日   田中 宇

2014-10-06 14:27:00 | 政治
「 逆説のアベノミクス

2014年10月2日   田中 宇
この記事は「経済の歪曲延命策がまだ続く?」(田中宇プラス)の続きです。

 日本銀行は今年8月、日銀史上最大額の株式を買い支えた。日銀は8月、ETF市場を通じて1236億円分の日本株を買った。毎日、朝方に株価が下がると、日銀が100億-200億円分の株をETFで買い、株価をテコ入れするのが常で、日銀の株買い支えは市場関係者の間で広く知られたことだった。日銀は以前から株が下がると買い支えてきた。9月は株価が下がらなかったので買い支えをしていないという。日銀は、東証の株式の時価総額(480兆円)の1・5%にあたる7兆円分を保有し、日本生命を抜いて最大の日本株保有者となった。 (Bank of Japan emerging as big Japanese stock buyer)

 日銀は特に8月第一週に、924億円分の株を買い入れた。アベノミクスの失敗が取り沙汰されて株が下落した時期で、日銀が買い支えなければ株価はもっと下がっただろう。経済成長の実現は、アベノミクスの3本目の矢である。安倍政権は、株価の上昇が続いていることをもって、経済成長が実現していると言っている。その株価が下落しそうなときに、総裁を黒田にすげ替えて財務省に乗っ取らせて以来、安倍政権の命令を何でも聞くようになった日銀が株を買い支え、株価をテコ入れし、アベノミクスの成功が続いているように装っている。かなりインチキな技であるが、今の日本でこれを批判する人は少ない。 (Bank Of Japan Buys A Record Amount Of Equities In August)

 当局が株を買い支えるのは、相場の不正な操作であり、大っぴらにやるべきことでない。米国の連銀や政府も、株価が下がると買い支えてテコ入れする策(Plunge Protection Team)をやってきたが、米当局は隠然と買い支えをやっている。対照的に今の日銀は、市場や国民に買い支えがわかってもかまわないという態度で、大っぴらに株式や日本国債の買い支えをやっている。 (BOJ Steps Up ETF Purchases as Shares Slump) (米株価は粉飾されている)

 日銀が大っぴらに株価の不正操作をやる理由は、これによって投資家に「株は下がり出すと日銀が買い支えるので上がりやすい。今が買い時だ」という印象を持たせ、株を買う人を増やし、株が上がっている限り安倍政権はアベノミクスの経済成長策が成功していると豪語でき、人気を保持できるという策略だろう。 (Bank Of Japan Plunge Protection Team Goes Into Overdrive, Buys Most ETFs Since 2010)

 その手法は完全な不正だが、日本にとって絶対の「お上」である米国が、中央銀行による通貨の過剰発行によって債券や株を買い支える量的緩和策(QE)をやり、日本など他の先進諸国にも奨励しているのだから、QEの一環である日銀による株価操作は「良いこと」「やるべきこと」になる。株価操作を「悪」だという奴は「お上」である米国に楯突く非国民だ、ということになる。 (時代遅れな日米同盟)

 安倍政権は日銀だけでなく、国民年金基金にも株式を買う割合を増やすよう命じ、株価のテコ入れに余念がない。株価の不正なテコ入れは長期的に成功し続けるものでなく、いずれバブル崩壊的な株価急落に見舞われ、年金基金も赤字になって、今の若い人が老人になるころには年金支給額が大幅に減るだろう。しかし安倍政権にとっては、自分たちの政権が続いている間だけ株が上がり続ければ良く、その後の年金支給がどうなろうと関係ないのだろう。 (Japan Pension Giant Signals Portfolio Shift)

 アベノミクスの3本の矢は、資金増加、財政支出、経済成長であるが、これらはすべて、米国当局が、日本や欧州などの同盟諸国にやらせたいことだ。資金増加とは、米連銀や日銀がやっているQEのことであり、08年のリーマン倒産後、流動性が欠如したままの債券金融システムに当局が資金を注入し続ける、植物人間化した金融システムへの生命維持装置である。米国だけが通貨(ドル)を大量発行し、日本や欧州が引き締めたままだと、ドルの価値が下がりすぎるので、日本や欧州にもQEをやらせたい。 (さらに弱くなる日本)

 2本目の矢である財政出動もQEと同様、公的資金で経済を回し(米国の)金融界を救済するものだ。米国はすでにリーマン倒産後の2年間で財政出動をやり尽くし、これ以上赤字を増やせない法定財政上限に達している。そこで米国は、安倍政権になるまで財政緊縮をやっていた日本に方向転換を迫り、安倍政権になってから、それまでの財政再建の話はどこ吹く風で、財政赤字の急拡大が奨励されている。3本目の矢である経済成長は、見かけ上のものだ。日米ともに、QEによる資金供給で株価を操作し、雇用統計などを粉飾するかたちで行われている。米国の例は、前回の記事に書いたとおりだ。 (経済の歪曲延命策がまだ続く?) (米雇用統計の粉飾)

 日本の場合、失業率は統計上3%台だが、新卒者の就職な困難さ、失業した中高年の再就職が困難さなどから考えて、実際の失業率はそれよりはるかに高く、10%を超えていると推測される。政権の人気取りのため「お上」である米国と似たような方法で、日本の当局が失業率を粉飾していることは十分に考えられる。 (Japan's Labour Market: Lifers, temps and banishment rooms) (Japan's Hidden Unemployment Problem) (Abenomics Is Working: Japanese Households On Welfare Rise To Record)

 日銀がQEで円を過剰発行するのと連動して、為替市場の円安が進んでいる。これまで円安は日本の輸出産業を繁栄させるので良いことだとされてきた。しかし実のところ、円安が進んでいるのに日本を代表する輸出企業だったソニーが破綻に向かっているなど、製造業の不振がひどくなっている。日本経済の大黒柱だった製造業の不振の加速から考えても、最近の失業率は粉飾である感じが強い。 (Abenomics Crushes Sony: Electronics Giant Forced To Cancel Dividend For First Time Ever)

 大手の輸出企業の中には、生産工程を国際化して円だけの為替の影響を受けにくくなっているところが多く、以前からの円安待望論は浅薄な間違いである。今の円安は、むしろ輸入価格の上昇を招き、貿易収支のひどい赤字化を生んでいる。このまま貿易赤字が改善しないと、今後の日本は衰退感が増していくだろう。私が見るところ、日本が円安(ドル高)を望むのは、経済的な理由からでなく、覇権国である米国より劣った存在であり続けねばならないという国際政治の理由からだ。 (日本経済を自滅にみちびく対米従属)

 国際的に強い国、(地域)覇権国になるには、通貨が強く(為替高)、財政が強く(財政黒字)、製造業など経済生産が強く(持続的成長)なければならない。通貨が強いと他国への支払いが自国通貨で行えるし、財政が強いと戦争に強いし、国債を外国に買ってもらう必要もない。通貨が強いと輸出産業が苦戦するが、それを補うだけの技術力・開発力を持つことで、為替が強くても強い製造業を持てる。今の世界でこれをやっているのはドイツだ。 (金地金不正操作めぐるドイツの復讐) (ドイツの軍事再台頭)

 米国は自国の延命のため、日欧にも自国同様のQEや財政赤字化を求め、世界中の通貨と財政を横並びに弱体化させようとして、日本は米国の要求に完全に応えたが、ドイツ(EU)は拒否している。そのためEUは、ギリシャなど周辺の弱い部分の国債市場を米国の投機筋に攻撃され、ユーロ危機によって強制的に財政や通貨を弱体化させられている。 (ユーロ危機からEU統合強化へ) (Mario Draghi pushes for ECB to accept Greek and Cypriot ‘junk’ loan bundles)

 ドイツと対照的に日本は、経済力で米国を抜きそうになった1980年代から、米国を抜くことを回避するように、通貨安、財政赤字化をずっと追求し、バブル崩壊を放置して金融や経済を自ら弱体化している。日本人はもともと倹約を美徳とする民族なのに、財政赤字の急拡大が黙認されてきた。これらは、対米従属を続けるためという国際政治上の日本の国是の維持のために行われてきたと考えられる。 (財政破綻したがる日本)

 人為的な政治でなく「自然」な経済の動きで説明したがる人が日本に多いが、実のところ、経済が為な「市場原理」「需給」で動いていると考えるのは馬鹿げている。重要な経済の動きの多くは、官僚らによる政治的な意志決定に基づいており、本質を隠すため、経済学者やマスコミが動員され、政治でなく自然な動きであると国民に思わせている。近年、先進諸国における株価、金利、債券相場、雇用や物価など経済統計、為替相場、金相場など、これまで「自然な市場原理」で動いてきたと考えられてきた重要指標の多くが、実はずっと以前から金融界や当局の政治的な操作によって上下してきたことが暴露されている。経済ぐらい政治的なものはない。日本人がそれを知らないのは、対米従属(官僚独裁)の敗戦国民だからだ。 (揺らぐ経済指標の信頼性) (Banks could face record fines totalling £1.8bn over currency rigging)

 通貨を過剰発行すると、どこかの時点でひどいインフレ(物価高騰)になると考えるのが、従来の経済学の常識だった。しかし今の世界では、10年以上通貨の過剰発行を続けてもインフレになっていない。これは、従来の経済の大部分が実体的な商品(モノ)で構成されていたのと対照的に、今の経済はモノがない金融が肥大化し、金融がモノの経済(実体経済)の何百倍もの大きさになっているため、通貨の過剰発行がモノの価格高騰に直結しなくなっているからと考えられる。今の経済では、物価上昇の代わりに金融部門で信用収縮や金利高騰、つまりバブル崩壊が起きる。

 アベノミクスは、日本を(中国に負けないよう)強くするため、国民生活を良くするための政策として打ち出されたが、実のところ、米国の弱体化に合わせて日本を弱体化する策であり、円を弱くし、日本の財政を弱くし、国民生活を悪化させている。アベノミクスは、米国の命令に従って、日本を意図的に弱くしている。中国は「敵」として置かれているが、それは日本が米国の言いつけどおり防衛費を増やすための口実的存在でしかない。中国は日本にとって本質的な敵でない。日本人は、政府や傘下のプロパガンダ機関から「中国を嫌え」と示唆されているが「中国と戦え」とは示唆されていない。戦えと示唆されたら、観光で訪日した中国人を殴りたがる人がもっと多くなるはずだ。今の日本政府が気にしているのは米国だけだ。 (Japan's factory output falls in August)

 米当局は、QEなどの金融救済策を続けずに放置したら米経済が崩壊すると知っている。従来の危機対策のように、救済策を一定期間続けたらその後は自律的に経済が上向くのでなく、救済策を永久に続けねばならないと知っている。しかし、救済策を永久に続けることなどできない。だから米当局は困窮し、相場の不正操作や経済統計の歪曲など、長期的に見ると自滅策になることを含む、なりふりかまわぬ「何でもあり」の延命策を続けている。短期的なバブルの大崩壊を回避できるなら、長期的な自滅策の方がましだというわけだ。 (It's The Dollar, Stupid!)

 安倍政権は、日本でも米国のコピーの「何でもあり」の策をやるための政権として生まれた。経済面だけでなく、軍事面でも従来のタブーを破って米国の要求に沿った「集団的自衛権」の行使を国策に取り込んだ。国内の反対勢力の無力化と官僚独裁体制の強化の中で、財務省はかねてからやりたかった消費税値上げを敢行した。見かけだけの経済成長、多くの人の所得の減少、失業の実質的な増加、貧富格差の拡大など、貧しい人が増える中で消費税の値上げをするのはタイミングとして悪く、日本の衰退に拍車をかける。しかし消費増税は安倍政権に政治力があるうちにしかやれないので財務省は敢行した。 (集団的自衛権と米国の濡れ衣戦争)

 マスコミに対する言論統制も強化されている。象徴的なのが、戦争犯罪報道の「誤報」をめぐる、官民挙げての朝日新聞たたきだ。8月の株価急落が象徴するように、今後アベノミクスの失敗が露呈する可能性がある。その前に、安倍政権に楯突きそうなマスコミ内の勢力をできるだけ無力化しておく必要がある。朝日新聞の尊大な社風を考えると「ざまあみろ」でもあるが、今の朝日たたきの本質は、朝日新聞がどうなのかという話でなく、マスコミ全体に政府批判を許さなくするための、安倍政権の延命策として見る必要がある。

 いずれ安倍首相が退陣しても、米国が今の金融救済策・覇権延命策を続けている限り、誰が日本の政権に就いても、安倍と似たようなことをやり続けるだろう。日本が対米従属をやめて自立する戦略は、09年に民主党の鳩山・小沢が試みたが官僚機構から猛反撃されて潰されて以来、再起の可能性がほとんどない。日本の方から対米自立していく道は閉ざされている。 (鳩山辞任と日本の今後) (まだ続き危険が増す日本の対米従属)

 すでに述べたように、米国は延命策をやめたらバブル大崩壊だ。米国は延命策を効かなくなるまでやり続け、最終的にバブル大崩壊するだろう。それまで何年かかるのかわからないが、その間ずっと日本は対米従属で、米国に求められるまま、自分で自分を弱める策をやり続けることになりそうだ。非常に暗い結論なので、日本のことはあまり書きたくなかったのだが、大事な話なので書くことにした。」


「萩生田氏が安倍首相の靖国参拝を示唆」/韓国聯合通信

2014-10-02 16:57:28 | 政治
「【ソウル聯合ニュース】安倍晋三首相の最側近とされる自民党の萩生田光一総裁特別補佐が米ブルームバーグとのインタビューで、首相が11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)後に靖国神社を参拝する可能性があることを示唆し、韓国との首脳会談実現にどう影響するか注目される。ぎくしゃくしていた両国関係は昨年末の安倍首相の靖国神社参拝後にさらに悪化し、関係改善の見通しは依然立っていない。

 韓国政府当局者は「昨年、安倍首相が靖国神社を参拝した後、世界が口をそろえて懸念を表明して批判したのは靖国神社が戦争を美化し、A級戦犯を合祀(ごうし)した施設だったためであったことを肝に銘じなければならない」と強調。「日本の政治家がそういう姿を見せれば見せるほど、国際社会から孤立する」とけん制した。

 ただ、安倍首相が韓国や中国との関係を考慮し、今後は靖国神社を参拝せずに供物を奉納する水準にとどめるとの見方もある。韓国政府関係者は「来年は国交正常化50周年で、日本も節目の年を重視するため、靖国には行かないと思う」と述べた。」

http://japanese.yonhapnews.co.kr/relation/2014/10/02/0400000000AJP20141002001500882.HTML

日本政府が米日防衛指針から「周辺事態」削除の方針/ハンギョレより

2014-10-02 16:39:04 | 政治
「 日本政府が今年末を目標に改正作業を進めている米日防衛協力指針(ガイドライン)から“周辺事態”という概念を削除する方針を定めたことが分かった。 日本の『毎日新聞』は1日、複数の日本政府関係者の話を引用して、現在米日間で改正議論が進行中の防衛協力指針から日本政府がこの概念を削除し、米国に対する支援の範囲を広げられる新しい法を制定する方針を固めたと報道した。
 1997年に改訂された現行の米日防衛協力指針は、日本周辺の安保状況を“平時”、朝鮮半島と台湾の有事事態を意味する“周辺事態”、日本が攻撃を受けている“日本有事事態”の3段階に分け、それぞれの場合に米日がどのような役割を受け持つべきか定めている。 これに対し、韓米の場合には戦時作戦権を米国が保有しているため作戦計画があるだけで、こうしたガイドラインは別に作っていない。

 米日防衛協力指針から周辺事態という制約が消えれば、今後自衛隊の作戦範囲が大きく拡大するのはもちろん、役割にも意味深い変化が起きるものと見られる。 これまで日本は米国などの同盟国が攻撃を受ければ自衛隊が介入するという「集団的自衛権」の議論を進めてきており、「これは地理的制約を受けない概念」と強調してきた。 すなわち、日本政府が「日本の平和と安全に重要な影響を与える場合」と判断すれば、自衛隊が日本周辺を越えて中東など世界各地に出動し武力を行使できるという論理だ。 このような日本国内での議論過程を考えると、米日防衛協力指針から周辺事態規定が消えるということは別の見方をすれば当然の論理的帰結と解釈される。

 同紙は、これに伴い日本政府が「現行の周辺事態法(1999年立法)を廃止し、全世界を範囲として対米支援新法を制定することも検討している」と伝えた。 これを通じて日本政府は「武器と弾薬の提供」、「発進準備中の戦闘機などに対する給油」など、周辺事態法が禁止している支援も許容する方針だ。 しかし、これは日本がウクライナ事態、米国のシリア・イラク爆撃など自国が願わない米国の海外紛争に巻き込まれて行く危険が高まることを意味するため、今後の立法過程で相当な国内的反発が続く展望だ。

東京/キル・ユンヒョン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2014/10/01 19:56
http://www.hani.co.kr/arti/international/japan/657866.html 訳J.S(1121字)」

http://japan.hani.co.kr/arti/international/18405.html

日本で増加するヘイトスピーチの本質/エコノミスト

2014-10-02 16:14:14 | 政治
「厄介なことに排外的な辛辣な発言が増えている。

韓国色の強い大阪・鶴橋地区では昨年、14歳の日本人の少女が街頭に立ち、拡声器を通して韓国人・朝鮮人の大虐殺を呼び掛けた。

 在日コリアンが最も集中している地域の1つである東京の新大久保界隈では、多くの人が、街頭やインターネットで外国人排斥を訴える発言が近代では例のない域に達していると話している。人種差別主義者は「日本から出て行け」や「韓国人を殺せ、殺せ、殺せ」といったスローガンを繰り返している。

高まる排外感情、東京オリンピック控え対応が急務に

 これは日本の政治家やスピンドクターにとって恐らく初めて問題となりつつある(哀れな韓国・朝鮮人については言うまでもない)。2020年の東京オリンピック開催に向けてカウントダウンが始まっており、国会議員は外国人――特に韓国・朝鮮人――に対する暴言やあからさまなヘイトスピーチを封じ込める必要に迫られている。

 日本には、帰化していない在日コリアンがおよそ50万人いる。一部には過去20~30年の間に日本に渡った人もいるが、その多くは20世紀前半の日本の帝国時代に家族が移住してきた人たちだ。彼らは長い間、敵意の標的となってきた。1923年の関東大震災の後には、東京の住民たちが、水道に毒を混入させたとして朝鮮民族を虐殺した。

 いまのところ、暴言は暴力沙汰にまでは至っていない。攻撃を受けた人たちを擁護する日本人による対抗デモも起きている。だが、警察はこうした言葉の攻撃を前にして、受け身の姿勢を続けている。そして明らかに、こうした攻撃がいつか暴力に発展する恐れがある。

 そのため、政府は対応を講じる必要に迫られている。国連人権委員会は7月、人種差別を禁止する法律にヘイトスピーチを加えるよう日本に求めた。東京都の舛添要一知事は、オリンピック開催に先立って法律を成立させるよう安倍晋三首相に要請した。

 裁判所も動き始めた。7月に大阪の高等裁判所は人種差別を巡る裁判で、日本全国でヘイトスピーチの集会を先導している極右のグル―プ「在日特権を許さない市民の会(在特会)」に京都の朝鮮人学校に対する街宣活動について賠償金1200万円を支払うよう命じた一審判決を支持した。

 少なくとも、反米主義で日本の帝国主義の過去を郷愁する「一水会」という1つの右翼団体は、韓国・朝鮮人への人種差別を拒絶している。一水会の創設者である鈴木邦男氏は、これほど大きな排外感情は見たことがないと述べている。

 憎しみに満ちた集会の急増の背景にあるのは、日本と韓国、北朝鮮との緊張関係だ(韓国とは、戦時中に日本軍の性の奴隷として働くことを強いられた韓国人女性の問題を巡って関係が緊張しており、北朝鮮は1970年代から1980年代にかけて日本人を拉致した)。

安倍首相の再登板の影響

 だが、一水会の鈴木氏は、2012年に安倍氏が首相に返り咲いたことも関係していると言う。国家主義の首相とその盟友たちは、遠回しにしかヘイトスピーチを非難してこなかった。

女性積極登用で経済活性化へ、日本特有の労働環境など課題山積
安倍内閣から発せられるメッセージは?〔AFPBB News〕

 たとえ安倍氏の自民党が海外での日本のイメージを改善する必要性に屈したとしても、そのメッセージには矛盾が残るだろう。

 9月上旬、新たに国家公安委員長に就任した山谷えり子氏が2009年に在特会のメンバーとポーズを取った写真が公になった。

 政府は、山谷氏はそこで会った人たちが在特会と関わりがあることを知らなかったと説明している。しかし、戦時中の性的奴隷の慣行の歴史的根拠を否定することにかけては、山谷氏には前歴がある。

 多くの理性的な人は、ヘイトスピーチを禁じる新法が不適切に起草されれば、表現の自由が損なわれかねないと心配している。

 だが、修正主義の政治家である高市早苗氏は、9月に入閣する直前に、もしヘイトスピーチ法が導入されるのであれば、国会の前で反政府デモを行う煩わしい人たち(常に礼儀正しく、その多くは高齢者)を止めるために用いるべきだと述べ、議員は「批判を恐れることなく」働く必要があると付け加えた。

 高市氏の事務所はその後、やはり安倍氏の盟友である稲田朋美氏と共にネオナチ団体の代表と一緒に写真に収まっていたことに対する釈明に追われた。憎しみの一部はどうやら、トップに触発されたようにも見える。」

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/41855

「地震の後には戦争がやってくる 清志郎の言葉、いま響く」

2014-10-02 14:35:57 | 政治
「地震の後には戦争が――。5年前に亡くなったロックシンガー、忌野清志郎(いまわのきよしろう)さんの文章が、インターネット上で読まれ続けている。作詞家の湯川れい子さんが2年近く前にツイッターなどで紹介したものが、少しずつ広がった。時代を見通すような内容に、湯川さんは「今こそ、多くの人に読んでほしい」という。

 文章はこう書かれる。

 〈地震の後には戦争がやってくる。軍隊を持ちたい政治家がTVででかい事を言い始めてる。国民をバカにして戦争にかり立てる〉

 忌野さんのエッセー集「瀕死(ひんし)の双六(すごろく)問屋」の一文だ。2000年ごろ、阪神大震災を思い起こして書かれ、「日本国憲法第9条に関して人々はもっと興味を持つべきだ」と題される。

 文庫化された07年に、忌野さんは湯川さんへ献本。その後の09年、東日本大震災の発生を見ぬまま、忌野さんは58歳で亡くなった。

 それから3年後。湯川さんが書棚の資料を探していた際、「双六問屋」が目にとまった。本にはさまったはがきに「あとがきはぜひ読んで下さい」とあった。

 湯川さんは、喉頭(こうとう)がんを患いながら手術を断った忌野さんに、代替医療のことを伝えたことがあった。後書きには、病からの復活が書かれている。改めて読み返し、さらに引き込まれたのが「第9条」の一文だ。

 〈復興資金は大手ゼネコンに流れ、神戸の土建屋は自己破産を申請する。これが日本だ。私の国だ〉

 東北の震災から2年近く。忌野さんのメッセージがたった今届いたように感じられた。

 〈政治家は……人を助けるとか世界を平和にするとか言って実は軍隊を動かして世界を征服したい。(中略)憲法第9条は……戦争を放棄して世界の平和のためにがんばるって言ってるんだぜ〉

 その後、反原発を訴えた衆院選候補者の応援演説で読み上げ、ツイッターで紹介すると、ネット上で賛同の声が広がった。忌野さんのバンド「RCサクセション」が原発を批判する歌を発表したのは80年代。震災で原発事故は現実となり、閣議決定による集団的自衛権の行使容認で、憲法の意義は揺らいでいる。

 震災後の世情の変容に湯川さんは「幸せに生きるために、人は生まれてくる。『存在の自由』が脅かされかねないことを、考えてほしい」と語る。(川端俊一)」

http://digital.asahi.com/articles/ASG8G3QFMG8GULZU002.html

吉田証言など一切関係なく安倍首相や櫻井よしこ氏の慰安婦ヘイトスピーチと二枚舌が国際的に批判されている

2014-09-22 16:15:04 | 政治
「安倍首相がまたトンチンカンなことを言っています。
安倍晋三首相は14日のNHKの番組で、朝日新聞が慰安婦を巡る吉田清治氏(故人)の証言を伝えた記事を取り消したことについて、「朝日新聞自体がもっと努力をしていく必要もある」と述べた。首相は番組で「日本兵が、人さらいのように人の家に入っていって子どもをさらって慰安婦にしたという、そういう記事だった。世界中でそれを事実だと思って、非難するいろんな碑が出来ているのも事実だ」と指摘。その上で「世界に向かってしっかりと取り消していくことが求められている」「一度できてしまった固定観念を変えていくのは、外交が絡む上では非常に難しい」などと述べた。

出典:朝日新聞2014年9月15日付 安倍首相「朝日新聞が努力を」 慰安婦記事取り消し
これに輪をかける「産経新聞」の報道です。
かつて1人の男の作り話が、これほど日本の国際イメージを損ない、隣国との関係を悪化させたことがあっただろうか。朝鮮半島で女性を強制連行したと偽証した自称・元山口県労務報国会下関支部動員部長、吉田清治のことだ。吉田の虚言を朝日新聞などメディアが無批判に内外で拡散し、国際社会で「性奴隷の国、日本」という誤った認識が定着していった。

出典:産経新聞9月8日付「朝日新聞はどう報じたか 初登場昭和55年3月7日付横浜版、女性強制連行の言及なし」
「1人の男の作り話ガー」というすごい妄想ですが、いま問題になっている「吉田清治氏の証言」を朝日新聞が取り上げたのはいつだったでしょうか?
朝日新聞は1982年以降、吉田氏の証言を記事やコラムで取り上げた。証言内容を疑う指摘が92年にあり、朝日新聞は97年に「真偽は確認できない」との記事を掲載し、以降は吉田氏の証言を取り上げていない。

出典:朝日新聞8月28日付「慰安婦問題 核心は変わらず」
朝日新聞が「吉田清治氏の証言」を取り上げていたのは、1982年から1997年の間だったわけですが、「世界中でそれを事実だと思って、非難するいろんな碑が出来ている」のは、いつからでしょうか?

アメリカに「慰安婦」の碑が初めて出来たのは、ニュージャージー州のパリセイズ・パークですが、2010年10月に設置されたものです。朝日新聞が1982年に「吉田証言」を取り上げてから28年も経過しているわけです。「日本兵が、人さらいのように人の家に入っていって子どもをさらって慰安婦にしたという、そういう記事だった。世界中でそれを事実だと思って、非難するいろんな碑が出来ているのも事実だ」と安倍首相は言っていますが、「吉田証言」が本当に「碑」が出来る原因ならば1980年代に出来ていたはずです。28年も経過したあとに出来た「碑」を「吉田証言」のせいにするのはあまりに乱暴な話です。

それから、安倍首相は、「日本兵が、人さらいのように人の家に入っていって子どもをさらって慰安婦にしたという、そういう記事だった」のが「吉田証言」で、それがウソだったのだから「慰安婦は世界中から非難されるような問題ではないのだといわんばかりです。過去にも安倍首相は、前回の首相時代に、「官憲が家に押し入っていって人さらいのごとく連れていくという強制性はなかった」(2007年3月5日の参議院予算委員会)、「この狭義の強制性については事実を裏づけるものは出てきていなかったのではないか」(2006年10月6日の衆議院予算委員会)などと言っています。

安倍首相は自分勝手に「狭義の強制性」「強制連行」なるものを作り上げてそれを否定することで「慰安婦問題」をなかったことにしようとしていますが、「狭義の強制性」についてもオランダ人女性を強制的に慰安婦にした事実認定として、「スマラン事件」の公文書がありますし、日本の司法によってさえすでに事実認定されています。さらにいえば、「狭義の強制性」「強制連行」なるものが存在しなかったと仮定したとしても、「慰安婦」は、当時の国内法・国際法に照らしても違法でした。

安倍首相の理屈では北朝鮮の拉致問題もなかったことになる
仮に安倍首相が主張するように「狭義の強制性」「強制連行」を証明する証拠の文書がなければ、世界から非難されるような問題はないとした場合、北朝鮮の拉致問題も世界から非難される問題ではなくなってしまいます。

安倍首相の「狭義の強制性」「強制連行」の理屈を北朝鮮の拉致問題にあてはめると、「官憲が家に押し入っていって人さらいのごとく連れていく」というケースが確認されていませんから、北朝鮮に拉致された人も「狭義の強制性」「強制連行」はなかったから世界から非難さるような問題ではなくなってしまいます。

そして、日本軍による「狭義の強制性」「強制連行」を示す公文書などの証拠がないから「慰安婦問題はなかった」という理屈をあてはめると、北朝鮮の公文書が明らかになるまでは「北朝鮮の拉致はなかった」ことにもなってしまいます。

北朝鮮によって拉致されたと日本政府によって認定された人のなかには、神戸市の飲食店店員だった田中実さんのように、「複数の証人等から、同人が甘言に乗せられて北朝鮮へ送り込まれたことを強く示唆する供述証拠等」から「甘言により海外へ連れ出された」(警察庁発表)と、北朝鮮に公文書がなくても「証人の供述」を証拠として拉致を認定しています。この田中実さんのケースは、「狭義の強制性」「強制連行」を示す公文書などの証拠はないのに、北朝鮮に拉致されたと認定されているのです。

「慰安婦」については、「狭義の強制性」「強制連行」を示す公文書などの証拠がないから問題ではないと言っておいて、「北朝鮮の拉致」については、「狭義の強制性」「強制連行」を示す公文書などの証拠がなくても問題だという安倍首相の理屈は明らかにダブルスタンダードです。このことは、2007年に安倍首相が「慰安婦」について「狭義の強制性」「強制連行」はなかったと発言したときに、次のようにアメリカでも批判されていました。

「安倍首相の二枚舌」とアメリカ各紙も批判
安倍首相は日本人拉致問題には積極的に取り組んでいるが、
慰安婦問題では「犯罪に目をつぶっている」
24日付の米紙ワシントン・ポスト社説は「安倍首相の二枚舌」と題し、首相は日本人拉致問題には積極的に取り組んでいるが、慰安婦問題では「犯罪に目をつぶっている」と批判。拉致問題で国際社会の支持を得るには慰安婦問題で謝罪すべきだと求めた。

出典:読売新聞 2007年3月28日付 夕刊
米紙ロサンゼルス・タイムズ(電子版)は18日、従軍慰安婦問題で安倍晋三首相が「狭義の意味での強制性を裏付ける資料はなかった」との立場を堅持していることについて、「強制性」を否定していることで北朝鮮による日本人拉致問題で日本政府の立場を支持する人たちを「困惑させている」とする記事を掲載した。従軍慰安婦問題と拉致問題への安倍内閣の対応を比較。拉致問題では「北朝鮮を非難」するが、慰安婦問題では「強制を否定している」と指摘。「ワシントンの日本の最大の支援者たち」にも困惑が広がっているとの見方を示した。

出典:毎日新聞 2007年3月19日付 夕刊 「従軍慰安婦問題:安倍首相発言、米に困惑広がる 拉致絡め米紙報道」
それでは、慰安婦問題を「非難するいろんな碑が出来て」きたのは、どうしてなのでしょうか? それは、2010年に、初めてアメリカに慰安婦の碑が出来る前段のところで国際的に立て続けに上がった非難決議を見れば一目瞭然です。

▼アメリカの「慰安婦」問題対日非難決議
米下院121号決議 2007年7月31日可決(※一部抜粋)

日本政府は1930年代から第2次世界大戦までの期間、「慰安婦」と言われる若い女性たちを帝国軍への性的サービス目的のため動員することを正式に委任した。日本政府による強制軍隊売春制度である「慰安婦」は、集団強姦・強制流産・恥辱・身体切断・死亡・自殺を招いた性的暴行等の残虐性や規模面においても、前例のない20世紀最大の人身売買の1つだ。

日本の学校で採用されている新しい教科書は、こうした慰安婦の悲劇や第2次世界大戦中の日本による他の戦争犯罪を過小化しようとしている。

日本の公共・民間の関係者は、最近、慰安婦の苦痛に対する政府の真摯な謝罪を含む河野洋平官房長官による1993年の「慰安婦関連談話」を希釈または撤回しようとしている。(中略)

以下は米下院の共通した意見だ。

1.日本政府は1930年代から第2次世界大戦前に至るまで、アジア諸国や太平洋の島々を植民地化したり、戦時に占領した過程において、日本帝国主義軍が強制的に若い女性たちを「慰安婦」と言われる性の奴隷にしたことを、事実として明確な態度で公式に認め、謝罪し、歴史的な責任を取らなければならない。

2.日本の首相が公式声明を通じ謝罪するなら、先に発表した声明の信ぴょう性と水準に対し繰り返し唱えられる疑惑を解消する一助となるだろう。

3.日本政府は日本軍が慰安婦を性の奴隷にし、「人身売買した事実は絶対にない」といういかなる主張に対しても、明確かつ公式に反論しなければならない。

4.日本政府は国際社会が提示した慰安婦勧告に基づき、今の世代と将来の世代を対象に、残酷な犯罪について教育しなければならない。

▼オランダの「慰安婦」問題対日非難決議
オランダ下院決議 2007年11月20日可決(※一部抜粋)

日本が、公けに、いかなる遠慮もなく、第二次世界大戦以前から戦時中にかけて運営した強制性奴隷制度に対し、何人も疑うことのできない、いわゆる慰安婦に加えられた苦難に対して全責任を取るべきだという意見を持ち、

日本政府が、1993年のいわゆる河野談話によって慰安婦の運命を認め、被害者に謝罪をし、責任を受け入れたことを記録し、しかし、日本政府と日本の国会議員が数回にわたって、後に撤回された昨年3月当時の安倍首相の発言並びに同じ問題について今年初めに衆議院議員らが出したワシントンポスト紙の広告によって示されたとおり、この河野談話から離れた立場を表明したことを記録し、

わが国の下院議長が6月26日付の手紙によって日本の衆議院議長に送ったワシントンポスト紙の広告に関する質問に答えて、衆議院議長が11月7日付の手紙で彼が広告とは別な立場であると言明したことを注記し、

日本の一部の学校教材が慰安婦の虐待を含めて日本の戦争犯罪を十分に認識していないことを考慮し、

日本は「女性のためのアジア平和国民基金」を通じて元慰安婦に部分的に公的に助成された補償の形態を提供したが、補償は民間非政府組織によって与えられたことを考慮し、

[オランダ]政府が日本政府に対し、1993年に遺憾の念を表明し、強制売春制度の運営についての日本軍の関与に全責任を取るという談話の価値を引き下げるいかなる声明も控えるように強く要求することを求め、

[オランダ]政府が日本政府に、現在生存する元慰安婦に加えられた苦難に対して直接的、道徳的な金銭補償の形態を提供するという追加の姿勢を取ることを強く要求するように求め、

[オランダ]政府が日本政府に、日本の学校教材が第二次世界大戦中の慰安婦の運命を含む日本の役割について正確な情報を与えるよう促すことを強く要求することを求める。

▼EU(欧州連合)の「慰安婦」問題対日非難決議
EU議会決議 2007年12月13日可決(※一部抜粋)

A. 1930年代から第2次世界大戦終了までのアジアと太平洋諸島の植民地及び戦時占領地において、日本政府は ianfu ないしは“慰安婦”として世界に知られることとなる若い女性たちを帝国軍の性奴隷にするためだけの目的で公務として徴用し、

B. “慰安婦”制度は輪姦、強制堕胎、屈辱及び性暴力を含み、障害、死や自殺を結果した、20世紀の人身売買の最も大きなケースのひとつであり、

C. 日本の裁判所に持ち込まれた多数の“慰安婦”訴訟では、帝国軍の直接・間接の関与を裁判所が認めながらも、原告による補償請求はその全てにおいて棄却に終わり、

D. “慰安婦”制度の被害者のほとんどはすでに故人であり、生存者は80歳以上であり、

E.この数年の間に、多数の日本政府の高官や公人が“慰安婦”制度に関する謝罪の声明を発表する一方、日本の公人の幾人かはそれらの声明を希簿化したり無効化させようという遺憾な願望を最近になって表明し、

F.日本政府はその性奴隷制度の全容をすべて明らかにしたことはなく、学校で使用される最近の必修教材の中には、“慰安婦”の悲劇やその他の第2次世界大戦中の日本の戦争犯罪を矮小化しようと試みるものがあり、(以下略)

▼カナダの「慰安婦」問題対日非難決議
カナダ下院決議 2007年11月28日可決

1.1930年代から第2次世界大戦中に、アジアと太平洋諸島を占領した間、日本帝国軍は性的奉仕のみを目的として若い女性を獲得することを公的に委任し、その女性たちは慰安婦として知られており、

2.日本の公人が最近、彼女たちの苦難に対する日本政府の真摯な謝罪と反省を表明した1993年の河野洋平内閣官房長官の「慰安婦」に開する声明を弱め、あるいは無効にしようとする遺憾な願望を示し、

3.1945年以来、日本は過去の行為を認め、償いをすることで進歩してきた。また数十年にわたって国連を通じた貢献を含む国際平和と治安、開発に貢献し、

4.カナダ・日本の同盟はアジア太平洋地域において共通の重要な利益と価値に基づいて継続しており、これらには政治的・経済的自由、人権と民主制度を支援し、両国と両国民の繁栄をゆるぎないものにし、

5.それゆえ、カナダ政府は、1993年の河野談話の反省の表明をおとしめるいかなる声明も放棄すること、日本帝国軍のための「慰安婦」の性奴隷化や人身売買などは存在しなかったといういかなる主張に対しても明確に公式に反駁すべきであること、日本帝国軍が強制売春制度に関与したことに対する全責任をとるように日本政府に対して促すべきであり、それには被害者全員に対する正式で真摯な謝罪を国会で表明することや和解の精神で被害者の問題と取り組むことも含まれる。

以上が、各国の慰安婦問題についての対日非難決議の一部ですが、それぞれ太字の部分を見れば明らかなように、2007年3月に行った安倍首相の「狭義の強制性」「強制連行」否定発言、「慰安婦」制度に問題などないかのような発言こそが世界各国から批判されて非難決議が上げられたり、「非難するいろんな碑」が出来てきたりする原因になったのです。「世界に向かってしっかりと取り消していくことが求められている」のは、「吉田証言」ではなく、安倍首相の「狭義の強制性」「強制連行」否定発言の方です。

ちなみに、オランダ下院決議の中に出て来る「ワシントンポスト紙の広告」というのは、櫻井よしこ氏らが「ワシントンポスト」2007年6月14日付に掲載した「慰安婦強制連行の証拠はない」とする意見広告のことです。きょう(9/18)の毎日新聞などにも櫻井よしこ氏らは「『慰安婦』国際中傷を跳ね返せ」という意見広告を出して、慰安婦の問題は、吉田清治氏の虚偽証言による「作り話」で、「この間、日本はどれだけ辱めを受けてきたでしょうか」などとしています。しかし、事実はまったく逆で、国際的な非難をあびているのは、安倍首相や櫻井よしこ氏らの主張である「狭義の強制性」「強制連行」否定の方です。日本が「辱めを受けてきた」のは、安倍首相や櫻井よしこ氏らの主張の方なのです。

もっと言えば、安倍首相や櫻井よしこ氏らの「狭義の強制性」「強制連行」否定にもとづいて「世界に向かってしっかりと(慰安婦=日本軍性奴隷制を)取り消してい」けばいくほど、日本に対する国際的な批判は一層強まるほかありませんし、各国の対日非難決議や「非難するいろんな碑」も増えこそすれ、減ることはないでしょう。事実、2007年の安倍首相の発言や櫻井よしこ氏の意見広告ではそうなっているわけですから。そして、今回の朝日新聞の「吉田証言」のことは、そうした国際的な動向や「慰安婦=日本軍性奴隷制」とする国際的な評価には1ミリも影響しないと思います。

それから、以前のエントリーで紹介したスマラン事件で、オランダ人女性を強制連行で慰安婦にした日本軍の大尉・少佐・将校ら21人が裁判で有罪になっていますが、日本政府は、有罪判決を受けた日本軍性奴隷という戦争犯罪を反省するどころか、国家の英雄=英霊として厚生省と靖国神社の共同作業として靖国神社に合祀しています。そうすると靖国神社に参拝する政治家は、ナチスドイツのホロコースに匹敵する重大な戦争犯罪である「慰安婦=日本軍性奴隷制」を遂行した日本軍兵士をも国家の英雄=英霊として称えていることに必然的になります。逆に言うと、靖国神社に参拝する政治家にとって、「慰安婦=日本軍性奴隷制」などと国際的に批判されることはもっとも許し難い「辱め」にあたるので、安倍首相も櫻井よしこ氏らも「狭義の強制性」「強制連行」否定という姑息な手を使ってでもなんでも、とにかく「慰安婦=日本軍性奴隷制」を無きものにしたいのだろうと推測しています。」

http://bylines.news.yahoo.co.jp/inoueshin/20140918-00039211/

それでも慰安婦問題を解決しなければいけない理由/パク・ユハ 韓国・世宗大教授

2014-09-10 14:41:05 | 政治
「1、聞こえなかった声

慰安婦問題が表面化して以降、20年以上が経つのに慰安婦問題は解決されていません。そして、断言できますが、慰安婦問題への理解と解決のための方法が変わらなければ、慰安婦問題は永遠に解決しないでしょう。そして日韓関係は、今以上に打撃を受けることになるでしょう。

今、韓国の支援団体と政府はこの問題について、「法的責任」を認め、そのための措置を取るよう日本に要求していますが、50数人が存命の元慰安婦の中には、実は異なる意見を持った方々がいます。しかしその方々の声はこれまで聞こえてきませんでした。違う声があったとすれば、これまで私たちはなぜその声を聞くことができなかったのでしょうか。

これまで聞こえてこなかった声を、違う声を聞いてみようという問いかけは、実は、元慰安婦の方々だけでなく、支援団体、さらには学者にも当てはまる問いだと分かりました。韓国はもちろん、日本の支援団体や学者など関係者にとっても、慰安婦問題の主流となっている理解、常識と違う声をあげることは、思うほど自由ではありませんでした。それは他人の意思というより、むしろ自分の意思によるケースが多かったのですが、その「自分の意思」とは、実は暗黙のうちに強要されたものでもありました。そして慰安婦問題が解決されていないのは、そうした多様な声が聞こえてこなかったり、適切な言葉が与えられず、共有されていなかったりすることにも原因があると確認できました。

それで私たちは、慰安婦問題を解決するために何よりまず必要なのは、そうした声を聞くことだと考えました。また、我々自身の考えを一緒に声に出すことだと思いました。慰安婦問題は、我々が思う以上に複雑な問題であり、しかも問題発生後、長い時間が経つにつれ、さらに複雑にこじれてしまったので、そうした複雑な問題への認識や意見がただ一つしかないのは、むしろ異常なことではないでしょうか。遅きに失した感はありますが、今からでも多様な声を一堂に集め、この難しい問題を解決するための方法を考えたいと思います。

慰安婦問題が解決されなければならない理由として、当事者が高齢だからとよく言われます。しかし、実は年老いているのは、元慰安婦だけではありません。この問題の解決に長い間努力してきた支援者や学者たちも、いつのまにか高齢に達しています。この方々は、これまで慰安婦問題が表面化した初期から声をあげ、問題解決のための研究や行動を通じて、誰よりも献身的に努力してこられた方々です。それでも主張が曲解されたり忘れられたりして、慰安婦問題をめぐる議論の中心から排除された方々がいます。しかし、断言できますが、この方々が慰安婦問題の議論と運動の中心にいてくれたら、慰安婦問題をめぐる様相は今とずいぶん変わっていたでしょう。もしかしたら、とうの昔に解決されたかもしれないと私は思います。

2012年冬、この問題の解決に向け長く努力して来られた一人、清水澄子・前参院議員が逝去されました。私はこの問題を憂慮する何人かの日本人学者たちと同年7月、日本でこの問題を解決するためのセミナーを東京大学で主催しましたが、清水先生も出席されました。これまでなぜ日本でこの問題についての「立法」ができなかったかを説明していただいたことで、真摯さと献身的な努力を理解しました。清水先生の生前にこの問題が解決されなかったことが悔やまれてなりません。

こうした意味で、慰安婦問題は実はもう元慰安婦だけの問題ではありません。20年以上、関係してきたあらゆる人々、この問題をめぐる意見対立と葛藤で傷ついて涙を流し、抑圧されたすべての人々の問題でもあります。この問題の解決は、慰安婦の被害者だけでなく、この問題に長年携わってきた人々のためにも必要です。

2、朝鮮人慰安婦と「法」

今日、慰安婦を巡る議論を代表するのは「強制性」の可否です。

強制性を主張する人々は「法的責任」を主張して、強制性を否定する人々は以前よりむしろ後退し、河野談話と村山談話すら否定しています。そしてそれぞれに連携する形で、日韓両国は慰安婦問題について「売春婦」と「少女」のイメージをそれぞれ公的に記憶化し、対立しています。

ところが1965年に作られたある韓国映画(鄭昌和<チョン・チャンファ>監督『哈爾浜江の夕焼け』)は、そのような公的な記憶があくまで、1990年代の時代と社会が必要としていた記憶に過ぎないということを明確に示しています。

太平洋戦争時代のビルマ戦線が舞台のこの映画は、映画に登場する朝鮮人学徒兵たちが、まだ40代だった頃に制作され、公開されました。それだけに、学徒兵たちの記憶とかけ離れたイメージを生み出すことはできなかったはずです。

この映画には慰安婦が登場しますが、朝鮮人将校は、彼女たちは自発的に来たのだと思っています。これは認識の真偽とは別に、慰安婦をめぐる1960年代の韓国の記憶が、1990年代の記憶とは異なることを示す場面です。しかし、ここで慰安婦の女性は「看護婦になると思って来た」と言います。だました主体はおおむね日本軍よりも業者でしたが、女性はその部分を具体的には話さず、「日本軍が強制するわけがない」と言う「親日派」学徒兵将校に向かって言います。「日本帝国主義にだまされたことがないんですね」

この場面は朝鮮人慰安婦問題の本質を明確に示しています。つまり、まず日本軍が直接、強制連行や人身売買を指示したことはないという事実、にもかかわらず、彼女をそこに連れてきた主体は他ならぬ「日本帝国主義」だったという事実です。これはかなり正確な認識と言えます。なぜなら、植民地化された土地の若者たちにとって、慣れた故郷を離れ、遠くビルマまで行って生命を脅かされる状況にしたのは確かに「日本帝国主義」だったからです。この女性は将校に配属されたことを幸運に思いますが、それは「兵士のところに行ったら地獄」だったという言葉からも分かるように、この問題における本質でもあります。

この女性がその後、どうなったのか、この映画は関心を示しません。戦場で死んだり、見えない傷だらけになって帰国したり、現地に残留したりしたでしょう。言ってみれば、全員が戦場に配属されたわけではありませんが、慰安婦の運命は基本的には戦争遂行のために命を捧げなければならなかった「軍人」と大差なかったのです。もし生きて帰ったとしても、彼女たちは身体の一部を毀損された、たとえるなら傷痍軍人的な存在でした。

ところが戦争に動員された軍人に対する補償の中で、死んだ人が中心ではありますが、男性のためには、補償の枠組みとしての「法」が存在したのに、慰安婦にはそうした法律自体が存在しませんでした。「代替日本人」になって日本の戦争に生命を落とした朝鮮人兵士たちは、靖国に祀られ、約束された補償は後日、1965年の国交正常化に伴う日韓基本条約で、不十分ながらも議論されました。そして不完全ながらも、韓国政府を通じて補償金が配分されました。

言ってみれば同様に戦争に動員されたのに、慰安婦のための法は存在しませんでした。(帝国)国家は男性を戦争に動員し、男性のための「法」は準備しましたが、女性のための法を作らなかったのです。そういう意味では慰安婦問題で日本の補償と謝罪は必要ですが、それを問うための法自体が存在しない事実を見過ごすことはできません。もちろんこれは、近代国家のシステム自体が男性中心だったからです。

したがって、日本に対し「法的な責任」を問いたくても、その根拠となる「法」自体が存在しないというのが私の考えです。「法的責任」を問うには、まずそこに返って議論しなければなりません。その意味でこの問題は、韓国が要求する問題というより、むしろ日本が主体的に考えるべき問題です。

同時に、「法」という概念がそもそも国家システムを支えるものだけに、国家を代表する「法」にこだわる発想が、倫理的な解決にどれほど役立つのかも議論されるべきでしょう。「法」は、時に気持ちがこもることもありますが、この問題をめぐる「法律論争」が、おおむね謝罪の気持ちを持っていた90年代の日本国民を完全に無視したことも念頭に置くべきです。国家と国民と謝罪の関係についても問わなければなりません。それは「1965年に補償は終わった」と主張する日本政府や、「個人の請求権が残っている」と主張する韓国政府がともに再考する問題でもあります。

韓国が主張してきた「法的責任」要求の問題の一つは、90年代初めに慰安婦問題の本質を「少女の強制連行」と考えていたときに提起された主張だという点です。その後20年余りの間、慰安婦問題について新たな知識が多数生じたにもかかわらず、最初の要求が全く変わっていないことへの説明も必要です。

新たに明らかになった事実とは、問題を提起した韓国の支援団体が、挺身隊と慰安婦を勘違いしていたこと、業者が軍隊と慰安婦を媒介したこと、村山談話が実は、自民党の戦後処理についての思考につながっていたこと、韓国には責任回避の「小細工」としか理解されなかった「アジア女性基金」が、実は河野談話と村山談話の精神を受け継いだものだったこと、その基金から「償い金」を受け取った元慰安婦が60人もいること、日韓国交正常化の時、日本は個人への賠償を残しておこうと提案したのに、韓国政府が代表して受け取ってしまったことなどです。もちろん、これらすべてを考慮しても、女性たちに「地獄」を経験させた責任が日本帝国にあることは言うまでもありません。問題は、どのような形で謝罪と補償をすれば、これらすべての事項を念頭に置きつつ、両国民の理解と合意を得られるかという部分です。これまでの主張や拒否は、いずれもこの部分への注意を払っていませんでした。

さらに重要なことは、韓国が固執する「強制連行された少女」の認識は、「売春」に対する差別意識を作るもので、日本の否定派が主張する「自発的売春婦」観を実は支えているということです。つまり、慰安婦問題を論じるにあたって、物理的な強制連行なのか、純真無垢な少女なのか、売春婦なのかの議論はこれ以上重要ではありません。実際に元慰安婦の経験をみると、その経験の残酷さは、そうした「原点」とは何の関係もないと明らかになっているからです。先の映画に登場する、いわゆる「売春婦」のように見える慰安婦にも「地獄」は存在したということも、それを物語っています。

3、日本の「否定」の問題

日本では今、河野談話を否定する動きが起きています。しかし、当時の日本軍、日本男性に、植民地の女性がどのような存在だったかは、以下のような日本人の意見が如実に物語ります。

私はいま眼のまえにひとりの女を想定する。それが性的の対象と仮定する。彼女が朝鮮の婦人であれば、われわれは容易にサディストになりうるのである。もし彼女が欧米の婦人であれば、われわれは容易に不能者に変わりうるのである。われわれのエロスはこの二つの極のあいだを揺れる。性行為による主体の抹殺・消去が快楽の極みであるのと同じように、われわれのロゴス(論理)も主体の抹殺を通してファシズムに容易に近づきうる性質をもつ。われわれのエロスもロゴスも、ともに自己もしくは他者の権力の領土内において発揮されていた。

(村松武司「性と専制」、1976。<遥かなる故郷―ライと朝鮮の文学>)
ここでの関係が「暴力」以上の何者でもないということは、「主体の抹殺」という想像を可能にした征服欲~植民地化したことで可能になった~に表れます。そして朝鮮人慰安婦とは、彼らがいつでも、そうした「征服者」の気持ちを味わえる対象でもありました。慰安婦問題が「性的暴力」の問題というのは、必ずしも強制的あるいは物理的な暴力だからではありません。まさにこうした精神的な暴力が存在したからです。

また、以下の文章は、どうして朝鮮人慰安婦が多いのかについて、背景の一部を示しています。

昭和19年に入って湘桂作戦に伴う兵員の動きは慌ただしくなったものの慰安所は表面上いつもと変わりなくにぎわっていた。

借金を皆済した女たちは航海の危険のために内地への旅行が困難となり、「自前」として慰安所に残るか、民間料亭の仲居になった。(中略)

湘桂作戦前段作戦で京漢鉄路が開通すると、朝鮮人慰安婦は華北経由で陸路補充されたが、内地慰安婦の補充は、東支那海、揚子江の航行の困難が増すにつれて、先細りになるのは目に見えていた。

(「漢口慰安所」、221ページ、図書出版社、1983)
戦争末期に朝鮮人慰安婦が大量動員されたのは、地理的な背景があったためとみられます。植民地的な貧困とともに、このような背景も多数の「朝鮮人慰安婦」を生み出したのでした。そしてこの部分こそ、日本が朝鮮を「植民地化」したために実現可能だったことでした。

そして、以下の文章は前に述べたように、慰安婦が売春婦なのか無垢な少女なのかという区別が、慰安婦の体験の残酷さを考える上でこれ以上意味がないことを明示しています。

その頃(注:ミンダナオ島のタバオにいた時)は、現役の若い兵隊さんばかりで一日7、8人が限度、楽じゃないけど体を悪くすることはありませんでした。半年ぐらい働いて、 去年の10月末にこのラボウルに来たんです。ここでは、大きな部隊(38師団<名古屋>)の専属になって、とても忙しかったんです。毎日朝から12、3人もの兵隊さんの相手をさせられてお金にはなりましたけど、辛いんですよ。それで、辛いというと、「最前線の女は、一日30人もの相手をするのに、お前たちはなんだ」と叱られるのです。でも30人なんてとても、せいぜい20人がやっと、1週間も続いたら体を悪くしますよ。そのうちに専属の部隊が、ガダルカナルに出ていって、すっかり暇になり、そこでそんな慰安婦ばかりが集められて、通過部隊専用にされたんです。ところが半死半生で帰ってきた人ばかりで商売にならず、陸軍船舶部隊(暁部隊)の慰安婦にかわったのですが、暁部隊は出航して行ったら全滅で帰ってこないんです。出航前の青い顔をしたおどおどした人ばかりと寝ていると、私もおかしくなりかけて、そんな時、この店ができて働かないかと誘われたんです。この家だって、料亭なんて看板出しているけど、慰安所と同じ、ただ客が将校というだけです。そのかわり泊りだけで、昼間の時間の遊びがたまにある位だから楽なんですが、お金にならないの。

(「青年将校と慰安婦 」、みやま書房、1986、66ページ)
この文は、日本人慰安婦のものです。彼女たちも一日に多数の兵士を相手にしなければなりませんでしたが、韓国では日本人慰安婦の存在自体が意識されていません。慰安婦問題は、実は日本国が自国の女性たちにも強制した問題でもあります。河野談話を修正しようとする否定派が「強制性」あるいは「売春」の議論をするためには、こうした苦痛を味わわされた自国の女性たちを先に思い浮かべなければならないでしょう。植民地の女性たちは、彼女たちを「代替」するために投入された存在に過ぎませんでした。

4、韓国の運動方法と結果

韓国に純真無垢な少女像を定着させたのは、韓国の慰安婦運動を率いてきた支援団体です。大事なのは20年以上経ち、新たに判明した事実が、少しずつ運動と展示に反映されながら、そうした認識の変化がメディアで公式には明らかにならなかったことです。その結果、変わらぬ運動の主張が20年以上韓国社会に定着することで、90年代には確かに存在した日本国民全体の「謝罪する気持ち」が20年後の今日、むしろ著しく減少したことです。

残念なことは、韓国が批判する安倍政権の誕生に、そうした韓国の運動と政府の対応が影響を及ぼした部分がないとは言えない点です。言い換えれば、日本の右傾化は自然発生的なものではなく、韓国の対日姿勢がそうさせた側面があります。最近目に見えて増えた嫌韓現象も同様です。個人の関係だけでなく、国家の関係も相対的なものだからです。彼らの中には深刻な差別主義者が存在しますが、運動が必ずしも正確ではない情報を流布する限り、彼らに対する批判の効力は弱まるしかありません。

にもかかわらず、そうした状況はきちんと認識されず、韓国の運動は世界へと領域を広げ、1億人署名運動、記念碑建立、韓国政府の閣僚や大統領が世界に発信した日本批判によって拡散しています。問題は韓国の広報専門家、サイバー外交使節団、歌手、女性部ホームページまで巻き込んだ活動が、必ずしも正確な情報のみに依拠していないという点です。

例えば2014年3月、ある支援団体が主催した大学生イベントは「20万人の朝鮮人少女が連れて行かれた」という内容のポスターを使用していました。さらにその行事はソウル市が支援していました。問題はこうした状況が、日本の否定派たちの偏った情報と認識を反省させたり弱体化させたりするのではなく、むしろ強化し、嫌韓認識を拡散させていることです。今日の両国の対立の背景には、実はこうした状況があります。すでに問題自体をよく知らない両国民までも、不正確な情報と、否定的な感情だけが共有され、もはや慰安婦問題が解決されたとしても、両国民の感情を修復するのは簡単ではなさそうです。

2014年1月にフランスで開かれ、日韓間に摩擦を生んだアングレームの漫画展は、そのような日韓間の現状を端的に示した出来事でした。

韓国は日本の反発を、ただ謝罪意識がないからだとしか思いませんでした(実際にそういう考えの人はいなくはないようですが)。しかし反発の根源は、慰安婦についての表現に、事実とかけ離れたものがあったからです。にもかかわらず、アングレームの展示はソウルの中心部で展示され、多くの学生らに観覧されて日本に対する敵愾心を育てています。

女性部は、今年はシナリオを募集するとしていますが、現在のようなやり方が慰安婦問題の解決に役立たないということは、この20年あまりの月日が証明しています。

5、「語れない構造」を越えて

韓国社会の「語れない構造」は、一種類の意見と認識だけが受け入れられる、極めて硬直した社会構造が生み出したものです。重要なのは、その構造の中に元慰安婦までもが囚われていることです。「違う」考えを持ちながらも言わなかったり、言えなかったりする構造は、今日まで韓国社会全体に強力に生きています。2011年の夏の憲法裁判所の判決に批判的な法学者すらもそうでした。

その理由はもちろん恐怖ですが、それは彼らの誤りというより、むしろ一つの声以外は容認しない私たち自身が作ったものです。

2014年4月、セウォル号の悲劇を通じて、私たちは今、韓国社会の価値観が一つに集約された結果として引き起こされた、あまりにも脆弱な社会構造を見ました。そしてこの問題を巡っても、韓国社会は分裂と混沌の様相を見せています。慰安婦問題をめぐる状況がセウォル号の悲劇をめぐる状況と無縁ではないと考えるのは、そのせいでもあります。

一つの考えだけが尊重される社会、国家にその声を代表させる社会は「違う」声を容赦なく抑圧して排除し、自らを国家化します。しかし、多様な生き方が認められる社会が健全な社会であるように、韓国社会がより健全で賢明になるためには、多様な声が急ぎ必要です。しかし、言わない限り、現在の認識や構造は維持されます。そして慰安婦問題も解決されないでしょう。

折しも、日韓の局長級協議が始まりました。私たちは過去に、慰安婦問題を解決するチャンスを2度逃しました。1990年代と2012年春です。今回は3度目にして最後のチャンスです。これ以上、元慰安婦を国家や団体の自尊心のための人質にしてはなりません。過去に戦争遂行のため、国家に動員された方々を、再び国家の、あるいは男性たちの「メンツ」が利用することもあってはなりません。

セウォル号沈没事故で、韓国の大統領は日本の救助支援の提案を拒否しました。そうさせたのは就任後、ずっと日本との対話を拒否してきた大統領のメンツのせいかもしれません。しかし、実は大統領をそうさせたのは、日本関連の学者や支援団体や、彼らの不信を共有した私たち自身でもあります。そのような意味では、若い生徒たちを殺した構造から、私たちは誰も自由ではありません。そのためにも私たちは遅いとはいえ、声を上げなければならず、耳を傾けなければなりません。まずは各勢力によって長いこと人質になっていた元慰安婦のために、元慰安婦をこれ以上、反目と不和ではなく、許しと和解の主体に生まれ変われるようにするために。

(2013年4月29日「慰安婦問題・第3の声」での発言を一部改稿)」

http://www.huffingtonpost.jp/park-yuha/korea-comfort-women-issue_b_5782226.html?utm_hp_ref=japan