べそかきアルルカンの詩的日常“手のひらの物語”

過ぎゆく日々の中で、ふと心に浮かんだよしなしごとを、
詩や小さな物語にかえて残したいと思います。

チムチムチルルと小鳥は歌う

2009年04月05日 13時11分34秒 | 慰め種

チムチムチルル・・・
ぼくらは
蒔くことも刈ることもしないのに
大地は命の糧を恵んでくれる

チムチムチムリ・・・
わたしたちは
縫うことも紡ぐことも知らぬのに
色とりどりの綺麗な羽が
か細いこの身を包んでくれる

チムチムチュリル・・・
ぼくらは無一物であるにもかかわらず
森は穏やかな暮らしをあたえてくれる
樹々の小枝でからだを休め
葉っぱの蔭で風雨をしのぎ
木漏れ陽の中でくつろいで
夜には静かな安らぎの場となる

チムチムチュチュリ・・・
わたしたちは
自らなにも望まないのに
野は折々に花を咲かせ
甘い蜜の香りに満たされる
お陽さまの光は温もりを
川や泉は清らな潤いをもたらしてくれる

チムチムチチュル・・・
ぼくらは
とるにたりないことを悩むより
歓びを歌にする心をさずかった

チムチムチュリリ・・・
世界はこんな小さなわたしたちをも
わけへだてなく慈しんでくれる

チムチムチュチル・・・
ぼくらがどこへも自由に飛んでいけるのは
背中に翼をくだされたから
空がどこまでも広く
そこにあるから






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