べそかきアルルカンの詩的日常“手のひらの物語”

過ぎゆく日々の中で、ふと心に浮かんだよしなしごとを、
詩や小さな物語にかえて残したいと思います。

喪失

2008年05月28日 21時33分39秒 | 哀愁

ここではないどこか遠くへ
行ってしまいたいと思いながら
どこへも行けないことには気づいていた
とにかく歩みを進めなければと考えながら
ゆく手になにもないことは知っていた
かといって立ちどまることも
後戻りすることも許されなかった
いっそこのままなにもかも
消えてなくなればいいのにと
心秘かにつぶやいてはみたものの
何も変わらないのはわかっていた
いつかどこかで
とてもたいせつな何かを
失くしてしまったような気がするけれど
それが何だったのかということさえ
いまとなっては思い出せない







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