べそかきアルルカンの詩的日常“手のひらの物語”

過ぎゆく日々の中で、ふと心に浮かんだよしなしごとを、
詩や小さな物語にかえて残したいと思います。

ゆるゆると深く静かに

2007年12月16日 11時43分35秒 | 叙情

ぼくは眠りたい
青く冷たい湖の底で
深く静かに眠りたい
ときおり薄っすら目蓋をひらくと
水面(みなも)を漂う光の帯が
ゆらゆら揺らめいて見えるでしょうか

ぼくは眠りたい
雪におおわれた純白の森の中で
深く静かに眠りたい
ときおり薄っすら耳を澄ますと
おだやかに降りつむ雪の音(ね)
しんみり鼓膜に染みるでしょうか

ぼくは眠りたい
あなたの清らかな胸の中で
深く静かに眠りたい
たおやかに波うつあなたの胸で
ただ安らかに
永久(とわ)の眠りを眠りたい

ゆるゆると ゆるゆると
深く静かに
ふたたび目覚めることのない眠りを
ただゆるゆると
深く静かに
眠り続けていたいのです








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