べそかきアルルカンの詩的日常“手のひらの物語”

過ぎゆく日々の中で、ふと心に浮かんだよしなしごとを、
詩や小さな物語にかえて残したいと思います。

夜の片隅でぼくは

2009年06月03日 22時42分18秒 | 慕情

きみの微笑が灯した
小さな星あかりをたよりに
ぼくは夜の片隅をさまよっている
帰る場所をなくした旅人の
心もとない足取りの危うさで

きょうでもあしたでもない
曖昧な時を漂い
今いる場所を何度も何度も
見失いそうになりながら
永遠とも思える旅路の果てに
吐息はいつしか歌になる

とりとめのない夜の
深いしじまに包まれて
ぼくはきみのために口ずさむ
遥かむかし
どこか見知らぬ土地で耳にした
遠い異国の子守唄を

冷たい夜の底から
きみの灯した星あかりを見上げて
ぼくはかぼそい声で歌い続ける
きみの見る夢がいつも美しく
どうか安らかでありますようにと





★picture:Marc Chagall★↓ポチッっとね
にほんブログ村 ポエムブログへにほんブログ村 ポエムブログ 自作詩・ポエムへ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする