あざみ野荘つれづれgooブログ

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’78年のW杯アルゼンチン大会以来のサッカーファンです。

「スパイダーマン3」を観て思ったこと

2007-11-07 22:51:45 | 映画・ドラマ
 「スパイダーマン3」をDVDで遅まきながら観た。ヒーロー物にも関わらず、とても深い内容の映画だと思う。物語に背骨がピッと一本通っている。主人公の心理を衒うことなく、丁寧に描いているし、主人公が誠実なふつうの青年なのもいい。伝えたいことがちゃんとある映画です。主演のトビー・マグワイアは、カッコいいというよりかわいい感じで、この平凡でオタクでどらかと言うとダサい男子学生ピーター・パーカー役に、まさにはまっている。彼の演じる品があって誠実なパーカーは、この映画のテーマを表現するのにピッタリなのだ。日本だと、カッコいいイケメンアイドルなんかがキャスティングされて、スパイダーマンになる前からヒーローっぽく撮られてしまいそうだけど、そういうルックス至上主義ではダメなんですよね。

 さて、日本映画はというと、”共依存関係”のDVを肯定させたい男性のための映画「自虐の詩」、恋に恋する世代ターゲットの安っぽくお手軽な恋愛の映画「恋空」、そして「三丁目の夕日」については、ココログのドラマ「歌姫」についての記事を参考にしてもらいたいけれど、昭和への郷愁以上のものが伝わって来ない。テーマ(があると思うのだが)それを表現しようとする熱意や意志が、ストーリーや俳優の演技から伝わって来ないのだ。で一番の見所がCGだったりするから、物語から受ける感動もCGの夕日のように薄いのだ。この三作は、テーマも作風もまったく違っている映画のようだが、三作とも、伝えたいことがないまま作られているので、物事の現象部分の描写にとどまった、背骨の無い、雰囲気だけの映画になってしまっている。そこには、雰囲気に酔った安直な感動と共感はあるかもしれないが、深い感動や共感は無い。伝えたいことが、きちんと表現されている「たそがれ清兵衛」のような映画は、世界で評価されるが、上記の三作は無理だろう。”伝えたいこと”は、現象の上澄みをすくいとっただけではつかめない。


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