昔のつながりで、車いすのシート部分の製作を引き受けた私‥。
まずは最高のシート部分を作るべく素材から吟味していきました。
もともとスウェーデン製の車いすで使われていたセールクロスは、最新のテクノーラ系列のものにカーボンの繊維を補強に入れたクロスであることは分かっていました。
このセールクロスは引っ張り強度も強く伸びが少ない極上のものですが、欠点の一つとして縫い目が弱いことがあげられます。
正直、この手の使い方には少々不向き。
出来れば同じものは使いたくない‥。
持ち合わせのレーサーセールクロスをひっぱり出して比較してみます。
「同系列テクノーラもあるけど、これは使えないな‥。UV対処仕様もあるけど、これはちょっと薄くて不安‥。やっぱりPX系列で、その中でも一番厚いPX20セールクロスが適切かな‥。」
そんなことを考えながらO野氏とも相談‥。
信頼性が高く入荷も安定しているPX20セールクロスでとりあえず行ってみようということになりました。
ここで高性能車いすについてちょっとご説明!
高性能車いすのフレームは、当然軽量、高強度が求められますが、一般にそのようなものに最も使われそうな素材は「カーボン」です。
確かに、その目的でカーボン製の車いすも存在しているのですが、実は、車いすのフレームは適度な「しなり」も要求されるため、カーボンでは硬くなり過ぎ使いにくいのだそうです。
そのため、スェーデン製の車いすは、クロームモリブデン鋼の薄肉管、あるいはマグネシュームが使われていました。
よく燃え上がらないものです!!スゴイ技術ですね。
ちなみに、このマグネシューム製の車いす、世界に数台だそうです。
で、O野氏が発注した世界最高の車いすのフレームはこれ!
ワンオフで試作に近い感じで作られたものです。お値段はちょっと言えないくらい‥。
もちろんこれ一つしかありません!
私が作るシートはこれに取り付けられるのです!
早速このチタンフレームからシートの型をとります。
さてさて、ここからが私の本業です!
世界最高の車いすに見合うシートは、はたして私に作れるのでしょうか?