日々の出来事

当院の出来事を紹介します

肥満細胞腫(パグ)

2011-03-30 11:51:47 | Weblog
長く面倒をみさせていただいているパグの老犬、
半年ほど「肥満細胞腫」という皮膚の腫瘍と闘病しています。

右の大腿部の尾側にしこりができて、徐々に大きくなり、
いまでは巨大なできものとして、ブラブラしています。
見た目にも少々かわいそうな状態です。

肥満だからなる病気ではなく、皮膚の内部にいる肥満細胞というアレルギーに関与する細胞が、
腫瘍化(勝手に増殖)したモノを肥満細胞腫と呼んでいます。
基本的に悪性なんですが、なぜかパグだけはその挙動が遅いようです。
他の犬種では、けっこう早く進行して命に関わるケースが多いです。
パグの肥満細胞腫だけは、経過が他の犬種とは異なることが知られています。

それでも悪性腫瘍であることは事実なので、徐々にではありますが弱ってきています。
つきあいの長い犬なので、なんとか穏やかに持って行きたいと願っています。
この家の方にとっては子供と一緒の立場なんですね。
とことんお話して、最善の道を捜してここまできました。
外科手術や放射線治療は、話し合った末に実施しませんでした・・・。

とことん付き合う、最善の道を模索する・・・、
うちの動物病院の基本方針なんですが、飼い主さんも真剣にがんばってくれています!