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外科医 アンチエイジングに目覚める!?

目指そう サクセスフル・エイジング !

抗糖化 で 減らせAGEs 

炭水化物も要注意    

敵を知り、己を知れば、百戦危うからず 3

2010-08-08 22:35:33 | サクセスフル・エイジング

   前の記事  敵を知り、己を知れば、百戦危うからず 1
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飢餓を生き残るために獲得した 倹約遺伝子

あるいは 倹約遺伝子タイプ を、連綿と受け継いできた現代人。


欧米人に比べると、われわれ日本人を含む東アジア人には、

この 倹約遺伝子 の割合が高いことが明らかとなっています。


たとえば、PPARγという遺伝子。

この遺伝子は脂肪細胞の分化に関わる重要なもので、

これを活性化する薬剤は現にインスリン抵抗性改善薬として

糖尿病治療に使用されていて(商品名:アクトス)

アディポネクチンを増加させる働きがあります。


そのPPARγ遺伝子のタイプを調べてみると、

欧米人では80%が倹約遺伝子タイプを示すのに対し、

日本人ではなんと 96%が倹約遺伝子タイプ となっているのです。


つまり、脂肪細胞の分化を起こしにくいタイプということですね。


脂肪細胞は小型であるほどアディポネクチンを分泌し易いのですが、

倹約遺伝子タイプのPPARγ遺伝子を持っていると、

脂肪細胞は肥大化して、そこからは悪玉アディポサイトカイン

たとえばFFAやTNF-αなどの分泌が増加してしまい、

インスリン抵抗性や動脈硬化が引き起こされてしまうのです。



さて、現代は 飽食の時代 です。

倹約遺伝子 が頑張っている日本を含む東アジアの国々では、

動物性脂肪に富む欧米型食生活の一般化で脂肪を摂り過ぎたり

運動不足になった途端に、肥満に見舞われてしまいます。

この場合に脂肪の溜まる場所は、欧米人のように皮下ではなく

内臓部分、つまり内臓脂肪型肥満になり易いこともわかってきました。


さらに、東アジア人の特徴として、

インスリン分泌能力が欧米人の半分しかないことも

糖尿病になりやすい原因のひとつなのです。


 つづく    敵を知り、己を知れば、百戦危うからず 4



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敵を知り、己を知れば、百戦危うからず 2

2010-08-06 22:03:45 | サクセスフル・エイジング

   前の記事  敵を知り、己を知れば、百戦危うからず 1


半端じゃない大きさのハンバーガー。

半端じゃない厚さのステーキ。


かぶりつくのは、これまた半端じゃない体格の外人さん。


テレビなどでよく目にする光景ではないでしょうか。



あれだけ食べれば、あれだけの体格も納得です。

アメリカ人などの肥満は、ケタが違います。



では、彼ら欧米人とわれわれ東アジア人。


どちらが糖尿病になりやすいでしょうか?




決め手は、7万年にもわたり受け継がれてきた遺伝子の記憶。



今から約7万年前に起こった出来事が、

現代人の遺伝的特質を形成したといいます。



それは、地球規模の気候変動による破局的な飢餓の発生でした。



7万年前、人類は絶滅寸前。


スタンフォード大学の遺伝学的研究によれば

僅か2000人まで減少してしまったといいます。



そのような飢餓的状況においては、

次にいつ摂取できるか分からない貴重な食物エネルギーを

体内に脂肪として蓄積できる遺伝的体質、

つまり 倹約遺伝子 を持った個体だけが生き残れるのでした。


 つづく    敵を知り、己を知れば、百戦危うからず 3



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敵を知り、己を知れば、百戦危うからず 1

2010-08-06 08:08:07 | サクセスフル・エイジング

今や、世界的規模で糖尿病は増加の一途を辿っています。


糖尿病患者数の急増は、日本をはじめとして

アジア各国でも喫緊の問題となってきました。



その原因はいわゆる

「食生活の欧米化」や「運動不足」 だけなのでしょうか?




糖尿病なんて、不摂生な生活習慣の人だけがかかる病気だ、

などと高をくくっていませんか?


日本人を含めた東アジア人に共通する

糖尿病発症の根本的な原因が存在しています。



猛暑の続くこの時期、

飽食の今なら誰でも、もれなく糖尿病になれるという

真相を知って、少しヒンヤリしてみませんか?


 つづく    敵を知り、己を知れば、百戦危うからず 2



    


脳に刺激的な環境、がんを予防と動物実験で

2010-07-22 22:58:10 | サクセスフル・エイジング

サクセスフル・エイジングのための新鮮な話題をひとつ。



米国オハイオ州立大学のグループがCellに発表したのが、

「脳に刺激的な環境ががんを予防し、

 この効果は運動をするだけでは得られない」という論文。

(Cell. 2010 Jul 9;142(1):52-64.

 Environmental and genetic activation of a brain-adipocyte

BDNF/leptin axis causes cancer remission and inhibition.)



広いスペースにたくさんのおもちゃ・迷路・運動のための回し車・

仲間から隠れて休息できる場所などを配置した

「刺激的環境」で飼育されたマウスは、

通常の無味乾燥な飼育ケージで飼育されたマウスに比べると

脳の発育や学習能力が改善し、年を取ってからでも

神経変性症に伴う記憶力低下を防止できるという報告が以前にあり

(Nat Rev Neurosci2006; 7: 697-709)

おもにアルツハイマー病予防などの観点から注目されていました。



今回の研究では、「刺激的環境」で飼育されたマウスと

通常の無味乾燥な飼育ケージで飼育されたマウスとの間で

皮下に移植したガン細胞の増殖に違いがあるかが調べられました。


その結果は、以下のとおり。


1.刺激的環境下で飼育するとガンの増殖が抑制された。


2.ガン抑制効果は血清中のレプチン減少による。


3.刺激的環境下で飼育されたマウスの視床下部では、

  脳由来神経栄養因子(BDNF)の発現量が著しく上昇した。


4.通常環境に回し車だけを追加したゲージで飼育されたマウスは、

  体重・脂肪量・筋肉量などは刺激的環境のマウスと同等だったが、
  BDNFの上昇・レプチンの減少は認められず、
 
  腫瘍抑制効果も観察されなかった。



さて、

レプチンは脂肪細胞から分泌される摂食抑制物質で、

肥満では血中濃度が上昇する物質ですから、

(レプチンの日内変動など→アンチエイジングな食べ方 に関連すること


肥満はガン発生リスクを増加させるというわけですが、


これはヒトに関しては、

2008年2月、Lancetにすでに掲載されていた話題。

(Renehan, A.G. The Lancet., Feb. 16, 2008; vol 371: pp 569-578.)



ちなみにその内容は、BMI 25以上の方の発ガンについて

 1.食道ガン
    男性も女性も、BMIが5増えるごとに相対リスクがおよそ50%増加。

 2.子宮内膜(子宮)ガン
    BMIが5増えるごとにリスクがおよそ60%増加。

 3.大腸ガン
    女性より男性の方が強かった。
    BMIが5増えるごとに、男性の相対リスクは24%、女性は9%増加。

 4.胆のうガン
    BMIが5増えるごとに、女性の相対リスクは59%増加。
  
 5.乳ガン
    BMIが5増えるごとに女性の閉経後乳癌のリスクが12%増加したが、
    閉経前のリスク増加はみられなかった。

 6.血液のガン(白血病、多発性骨髄腫、非ホジキンリンパ腫など)
    男女とも、BMIの上昇によってリスクが中程度増加。




また今回の研究は、

ガン予防には単なる肉体的運動だけでは不十分であり、

刺激的環境下で与えられる好奇心・冒険心・創造力・探究心など

「頭脳の運動」が効果的だということを示しているようです。




第10回日本抗加齢医学会総会 行ってきました 日常食で健康長寿は可能か?

2010-06-11 21:28:28 | サクセスフル・エイジング
午前中にあった

日常食で健康長寿は可能か? シンポジウム4

のご報告です。



まず

食とアンチエイジング-長寿遺伝子を活性化する

(演者:門脇 孝 東京大学教授)


現代人の遺伝的体質は、

数万年前の狩猟・採取生活に適応して形成された

脂肪蓄積を効率化する倹約遺伝子=飢餓適応遺伝子である。

特にわれわれ日本人は欧米人よりも高頻度にその遺伝子がある。

脂肪蓄積型遺伝子であるPPARγP12型を持つ割合が

日本人では96%と、大多数に認められる。


なので、現代社会では普通に食べているとダメ!


小型脂肪細胞(善玉脂肪細胞)から分泌されるアディポネクチン。

これを増やすと、身体は酸化ストレスから防御される。

肥満はその反対で、脂肪細胞が大型化して炎症物質が放出される。


インスリンシグナルを抑制することも、細胞ストレス軽減に。


カロリー制限(CR)と運動は、

細胞内でアディポネクチンと同じ経路を活性化する。


ω-3多価不飽和脂肪酸摂取量は、アディポネクチン価と相関する。


アディポネクチン受容体を活性化する物質=オスモチン。

ポテト・トマト・ピーマン・唐辛子などに含まれる。


フルクトースには要注意!

フルクトースとは、清涼飲料水などのブドウ糖果糖液糖と表記される

果糖のことなのだが、

脂肪蓄積性であるため、その摂取にはよくよく注意せよ!

と、最後に付け加えられました。


次に、

高血圧・脳卒中にならない食生活
  -日本の疫学データからみた最適の栄養-


(演者:上島 弘嗣 滋賀医科大学名誉教授)


1950年代、東北地方での塩分摂取量は世界的にダントツであった。

それと平行して、東北では高血圧・脳卒中の罹患率が高かった。


これを予防する要点は以下のこと。

 1.減塩

 2.野菜・果物を充分に摂る(カリウム含有の多い食品を)

 3.植物性タンパク質を充分に摂る(穀類・野菜・豆類から)

 4.エネルギー摂取の適正化


減塩に関しては、

厚労省の国民栄養調査で低下しているというが、

実際は、まだまだ充分でない印象を持っているといわれる。


健康日本21では、1日10g以下というが、

6g以下に減塩することが、健康維持には必要だ。


減塩・禁煙・血糖値正常化・節酒・運動 これらが秘訣と。



最後は、

世界調査からみた健康長寿の食生活

  -アボリジニから学ぶ-


(演者:京都大学名誉教授 家森 幸男)


人類は、本質的に、何を食べればよいか?

倹約遺伝子の存在を、充分に理解せねばならない。

これは最初の門脇教授が言われたことと同じ。


現在、オーストラリア先住民であるアボリジニは

肥満・高血圧が日本人より20~30年も早く現れ、

平均寿命も30年も短命という状況にある。

その原因は、食生活の変化!


150年前までのアボリジニは、

多数のナッツと魚介類を食べる貝塚のある暮らしであった。

(縄文時代から一昔前の日本でも、同様であった。)



24時間蓄尿によるナトリウム・マグネシウム・タウリンなど

の解析より、以下のことが明らかに。


 1.タウリンは魚食の多さと比例すること

   タウリンは高血圧を抑制する

 
 2.マグネシウムの摂取も高血圧を抑制に働く

   生体内補酵素としても多くの反応で必要


両方を摂取することが肝要。

具体的には、

 魚介類からタウリンを

 大豆・野菜・海草からマグネシウムを。



ピンボケで恐縮ですが・・・・・

写真右は検診前のメタボ バリバリのアボリジニのおじさん

家森教授の指導による食事を1年続けた結果

写真左のようにナイスバディになった。

マァ!なんということでしょう!

というビフォー・アフター的証拠写真でした。









第10回日本抗加齢医学会総会が11日金曜日から

2010-06-08 15:11:55 | サクセスフル・エイジング

いよいよ今週の金曜日から

第10回日本抗加齢医学会総会が

国立京都国際会館で開催されます。



本学会でのAGEsあるいは抗糖化に関するものを

紹介しておきます。


もっとも大掛かりなものは

6月12日(10:30~12:00)のシンポジウム13

加齢関連疾患におけるAGEsの意義 でして、

企業関係者をはじめ、かなり多くの参加者が見込まれます。
 
これは以前、紹介済みのものです。
加齢関連疾患におけるAGEsの意義 シンポジウム13
http://blog.goo.ne.jp/avin-hmp/e/e47eebe899e153da4e244e134f429a50


6月11日(15:50~16:40)の一般口演(第7会場)では、 

Toxic AGEs(TAGE)-RAGE病因説とアンチエイジング

と題した、北陸大学竹内先生の口演があります。



6月12日(12:10~13:00)のランチョンセミナー12では、

光老化最近のトピックス -抗糖化を中心に- として


 光老化にも糖化が関与しているという内容の

 光老化と露光習慣


 AGEsによる生体蛋白質の不可逆的変性についての

 糖による無秩序な蛋白の変性と老化


 
同じく12日(12:10~13:00)のランチョンセミナー13では、

抗糖化食品としてのお茶の可能性 ということで

 ドクダミ茶とドクダミ後醗酵茶のAGEs生成抑制に関する 

 さまざまな種類のお茶の抗糖化作用の検証と
 後醗酵技術による抗糖化能力増強の可能性について



ドクダミは、抗糖化ドクターズ・サプリの成分でもあるので、

これは聞き逃せないもの。



で、筆者の発表は

6月11日(15:50~16:10)のポスター会場での

ポスターセッション サプリメント・機能性食品1 における

 アンチエイジングの観点から見た、
 混合ハーブエキスと漢方原料からなる
 カプセル型食品の有用性
-継続摂取による糖化抑制-


継続摂取で糖化抑制が継続されることが確認できたということ。

ポスター自体は金曜~日曜まで、3日間張りっ放し。


なお、AGE Readerの企業展示ブースにて

抗糖化ドクターズ・サプリメントを展示していただく予定です。




ためしてガッテン あなたを襲う新型骨粗しょう症 の再放送

2010-05-22 05:47:51 | サクセスフル・エイジング



NHK ためしてガッテン 


「死亡率8倍!?あなたを襲う新型骨粗しょう症」


再放送は以下の日程で予定されているそうです。


5月25日(火)午後4時05分~4時50分


5月26日(水)【25日深夜】午前2時00分~2時45分


前回、見れなかった方は、どうぞ ^^b






脂質異常症の内服治療開始基準に関して・・・・・有益な示唆

2010-04-29 23:52:39 | サクセスフル・エイジング

昨日の記事で、


卵を1日に2個食べるとコレステロールが云々。


それに関しての重要な話を・・・・・と、言っておりましたが、



筆者のような、元来外科であったような者が、あれこれ言うより


もっと説得力のある、というか信頼がおける


有名な先生のブログ記事を見つけてきましたので、


それを紹介することにします。



そちらをお読みいただくと、ズバッと本質が見えるというものです。



お書きになっているのは、


もともと漢方やアトピー治療で知られた、京都・高雄病院の江部康二先生。


最近では、厳格な『糖質制限食』による糖尿病コントロールで


よい成績をあげられて、有名になられておられます。



では、以下の題名をクリックして、お読みください。

           ↓

信頼できるLDLコレステロール基準:NCEP ATP III 2001年











急増する新型・栄養失調の恐怖・・・・・今夜のためしてガッテン

2010-04-28 21:01:03 | サクセスフル・エイジング
まさかわたしが?急増する新型・栄養失調の恐怖

というのが、先程、HNKのためしてガッテンで放送されました。


いやぁ、出てきましたねぇ、低栄養ネタ



タンパク質をきちんと摂ることがいかに重要であるか、


ごらんになられた方は、お判りになったことでしょう。



ゲストの野際さんが、最後のコメントで


 「卵は2個食べるようにします!」


と、おっしゃってましたが、


卵はタンパク質のバランスがとても優れた食材です。



だた、コレステロールが上昇する?・・・と、ご心配でしょうか?



じつは、これに関して、重要な話があるのです。


それは明日、書きましょう。



なんにせよ、まずは、


これまで一般的に考えられていた栄養のあり方に


今夜のためしてガッテンが、大きな一石を投じたことを、


よくやった~! と、申し上げておきます。




アンチエイジングな食べ方 に関連すること

2010-04-28 01:03:44 | サクセスフル・エイジング

味覚についてです。


基本的に、5つの味質がありますね。



   甘味


   塩味


   酸味


   苦味


   うま味



このうち、甘味 ・ うま味 ・ 塩味 は


それぞれ、エネルギー ・ タンパク質 ・ ミネラル源 


に対応したシグナルとして摂取を促進し、



一方、酸味や苦味は、腐敗物や毒のシグナルとして


摂取を防ぐように働く、 というのが本来の意味合い。




近年、この味覚感受性日内周期性のあることが判明した。


1日の内でも、感受性が高くなったり低くなったりすることで、


栄養物質の摂取をコントロールしているという。




さて、


脂肪細胞から分泌される肥満抑制ホルモンとして知られるのがレプチン


このレプチン、舌の味細胞のレプチン受容体を介して、


甘味応答を制御していることが日本の研究者によって2000年に


Proc. Natl. Acad. Sci. USA に発表されている。



つまり、レプチンの血中濃度が高くなると甘味感受性が低下し、


逆にレプチンの血中濃度が低くなると甘味感受性が高くなる。



  レプチン血中濃度   高い  低い

  甘味感受性      低い  高い





このレプチンの血中濃度も、日内周期性を示します



ヒトでは、レプチンの血中濃度は、朝は低く夜は高く なります。


すると、甘味感受性は、朝は高く夜は低く なるということです。



甘味は、エネルギーのシグナルとして、


その摂取を促進するように働くのが本来の意味合い。




甘味感受性朝に高いということは、本来、


われわれの身体が朝にエネルギーを必要としていることの何よりの証拠



エネルギーを必要とする朝に感度を高め不必要な夜は感度を低下させ


身体にとって合目的なカロリーの摂取を促しているわけだ。



しかし、このレプチン/甘味感受性の日内周期性は、


食事を抜くなどの偏食によって乱れてしまうし、


肥満者では甘味感受性の周期性はほとんどみられなくなってしまう



身体が本来要求していることからすると、


カロリーは朝が一番多くても良いくらいです。


ところが、通常の食生活の摂取カロリーは、

 朝・少し 昼・中くらい 夜・たっぷり

というものでしょうか?



せめて、 朝・中くらい 昼・しっかり 夜・少し

にできれば、健康度はかなり変わってくるでしょう。




では最後に、甘味の秘密を少々ご紹介。



甘いもの(糖分) ではなく、 甘味 ですよ。




甘味 は、 


  インスリン分泌を誘導し、空腹感を増大させ、摂食量を増大させます


これは、頭相インスリン分泌(CPIR)と呼ばれ、


摂食開始後すぐに神経を介して生じ、その後の消化吸収をより円滑にしようとする


生体の予備的応答だと考えられています。



カロリーオフの甘味料としてよく知られているアスパルテーム


それ自体は非糖分でカロリーがないとしても、


空腹感を増強するものであるということです。


思い当たる経験のある人、いませんか?




やはり合成甘味料であるサッカリン入りのヨーグルトは


プレーンヨーグルトに比べ、摂取量の増加を誘導することが知られています。



(Cephalic phase,reflex insulin secretion.Neuroanatomical and physiological characterization.Diabetologia:393-401,1981)


創立2周年記念、AGE Readerによる皮膚AGEs測定の実際は こちらから

当ブログの重要点『抗糖化』等に関してはこちらにまとめてあります。
なお、図表および内容の引用は固くお断りいたします。



糖尿病を予防するアンチエイジングな食べ方 その6

2010-04-26 00:19:56 | サクセスフル・エイジング


6.夜8時以降は食べない ということ



できれば、夜6時以降は食べないのが望ましい ともいわれるが、


実生活で、そんなに早く夕食を食べられるだろうか?



病院に入院した経験のある方なら、お分かりだろうが、

病院での夕食時間は、そんな時間帯であることが多く、

"入院生活"というものが、"非日常"だと実感させられる。



なんにせよ、


  遅い夕食は、アンチエイジングな食生活ではない


ということに、留意する必要がある。



基本の作法としては、次のようなこととなる。


 1.毎日、就寝前の数時間を、食事を摂らない時間とする。


 2.夜遅くのスナックを、白湯あるいはハーブティー1杯に変える。


 3.夕食での摂取カロリーは、低く抑える。




もちろん、こういった食生活ができるのは、ごく少数の方々であって、


逆に言えば、現在の日常生活というものが、


いかに不健康なものであるかが、あぶり出されてくるわけだ。




糖尿病を予防するアンチエイジングな食べ方 その5

2010-04-22 22:37:00 | サクセスフル・エイジング


5.ゆっくり、よくかんで食べる ということ





多くの方々が口にされているので、


 「たくさん頬張らないで、一口、最低30回噛むこと


ということは、よく耳にされているのではないでしょうか。




ポリクリ(臨床実習)で同じ班だったS君は、

 「100回噛むことにしているんだよ」

と、言っていたことを思い出します。

もう、四半世紀も前のことです。


小児科医となった彼。


忙しい診療の日々で、それを実行し続けられたのかな?




ひとつの実話があります。


ドイツの強制収容所に送られ、生還した人の実話。




 劣悪な環境のうえに、支給される食べ物は微々たるもので

 状況は過酷を極めた。


 朝といえば、穀物のコーヒー一杯と、パン一切れ。

 昼と夜は、麦と豆の入ったスープ一杯のみ。


 飢えと寒さのうえに重労働で、毎日、死人が出た。


 そこで彼が思いついたのは、とにかく口にするものは

 水でも何でも徹底して噛むということだった。


 200回から300回は噛んだという。


 すると不思議なことに体は以前より暖かくなるし、

 元気も出て疲れなくなったという。


 一緒に収容された仲間 32人全員に勧めたが、


 彼の言葉に真剣に取り組んだのは、たった2人だけであった


 2年後に解放された時、生き残っていたのはこの3人のみだった。



 彼が息子に残した言葉は


  「もし、虚弱を感じたり、寒かったり、病む事があったら

   とにかく口にするものを150回以上噛みなさい
。」


 というものだった。



この父親の経験は、息子によって出版されベストセラーとなりました。


(ちなみに、息子さんはマクロビオティックの方)


    


副題の You Are How You Eat

食べ方が身体をつくる とでもいいましょうか。



もちろん、


 You Are What You Eat


ということは、いうまでもありませんね。




食事には、時間をかけましょう。

とくに、噛むこと に時間をかけましょう。


食べ物は、完全に噛み終わるまで飲み込まないことです。


消化活動は、口の中から始まっています。


食物が完全に噛み終わっていないと、

続いて消化管で行われる残りの消化活動に備えた

準備が適切に行われません。


食物に含まれる栄養素を最大限に吸収するために、

よく噛むということが極めて重要なのです。



My father began an experiment. In the beginning, he chewed his food only 50
times a mouthful, then he tried 75, then 100, 150, 200, even up to 300 times a
mouthful … sometimes more. He told me that the magic number of chews was
150 times and after that he could chew almost indefinitely with steady
increases in energy. Often there was little time to chew. The morning meal
lasted one half-hour. Lunch was an hour long, but dinnertime lasted as long
as he wanted.

The technique my father developed was simple: Place one tablespoon of
liquid or solid in the mouth and chew, counting each chew. He shared his
discovery with his friends, most of who told him, ‘Come on, Tony, that’s all in
your head!’ His friends thought that 10-20 chews were enough, yet two of
them joined my father in his chewing sessions and they compared notes. They
all concluded that this technique gave them more energy. They felt less
hungry and even more warm.

After two years in the concentration camp, the prisoners were liberated in
1945 by the American Army. A few months later, my father came home to us
in Fiume-Rijeka, formerly Italy, now Yugoslavia. He was skinny but alive.
Of his ship’s crew of thirty-two who were captured and sent to the
concentration camp, only 3 survived. Those who lived were my father and
his two friends who practiced chewing.

http://itzinfo.sitesinseconds.com/WhyItsImportantToChewFastFoodSlow.pdf





会員記事要約 : Y.A さんのご質問(1)に、お答えします

2010-04-20 22:31:12 | サクセスフル・エイジング

『 朝ご飯の際に、ご飯をたべてからヨーグルトはどうも面倒で、

  お腹もいっぱいになりすぎます

  ダイエットのためにも ヨーグルト+シリアルではだめでしょうか...』


というご質問を、Y.Aさんから戴きました。



これ、いろいろと重要な事柄を含んだ問題なのです。



おまけに、朝食のときの条件が個々人で大きく異なる。



朝食は素早く済ませて仕事に出掛ける とか、


朝は、おなかが空いてなくて、あまり食欲ないし・・・ とか、





なので、


サクセスフル・エイジングをゴールと考えて、

このご質問にお答えしていきたいと思います。




まず、カロリーは朝が一番多くても良いくらいです。


通常の食生活は、

 朝・少し 昼・中くらい 夜・たっぷり

というものではないでしょうか?



せめて、  朝・中くらい 昼・しっかり 夜・少し

にできれば、健康度はかなり変わってきます。




『 ご飯をたべてからヨーグルトはどうも面倒で、

  お腹もいっぱいになりすぎます 』


と、Y.Aさんはおっしゃいますので、

けっこうな量の朝食をお召し上がりなのかもしれませんが、

実際のところはどうなのでしょうか?



抗糖化サプリメントは服用開始したけれど、

朝食の内容まで教えるのはイヤだなぁ~ と、

思われるかもしれませんが、


筆者は、最近は外来でも、気になる方には

食事の中身まで訊ねることにしています。



当たり前のことですが、食事こそが、

私たちを病気にもできるし、健康にもできるのです。


 医食同源
 とは、このことです。



しかぁ~し!


手軽に野菜を摂れるからと、野菜ジュースを飲んでも、

必要な栄養素が摂取できていることにはならないと、

栄養療法専門クリニックの溝口徹先生もおっしゃいます。



消化・吸収は、噛むことから始まっています。



1種類の野菜でさえ、しっかり噛んで食べると

かなりの時間がかかるものです。


それが、何種類もの野菜が含まれていながら

一瞬にして飲めてしまうということ自体、

きわめて不自然である
、と。



それで、食べたときと同じように

栄養素が吸収できるとは考えられない
、と。



お手軽なものは、お手軽なだけの価値しかないのだ、と。



食べ物は、しっかり ”食べて” ください、と


溝口先生は、患者さんにアドバイスされています。



どうしても、野菜をジュースで摂取したい人は、

新鮮な野菜を、飲む直前にジュースにして、

しかも、ゆっくり飲むことをお勧めする
、とおっしゃいます。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


会員の方は、左のカテゴリー【転ばぬ先の杖】会員限定 より

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会員記事要約 : 糖尿病を予防するアンチエイジングな食べ方 その4

2010-04-16 07:47:08 | サクセスフル・エイジング


4.まるごと食べる ということ


魚などは、大きな魚の切り身よりも、・・・

・・・・・・

丸ごと食べると、栄養バランスも良好で

・・・・・


野菜・果物も、残留農薬の懸念の少ないものは

・・・・・


最近、話題のポリフェノールの一種・・・・・






会員の方は、左のカテゴリー【転ばぬ先の杖】会員限定 より

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会員記事要約 : 糖尿病を予防するアンチエイジングな食べ方 その3

2010-04-14 17:45:06 | サクセスフル・エイジング

3.野菜 → タンパク質 → 炭水化物 の順で食べる ということ


野菜を先に食べると、血糖値の上がり方がゆるやかになる。



日本糖尿病学会誌の2010年2月号に論文が2本掲載されています。



まず、

低Glycemic Index食の摂取順序の違いが食後血糖プロファイルに及ぼす影響

という・・・・・








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