読書と映画をめぐるプロムナード

読書、映画に関する感想、啓示を受けたこと、派生して考えたことなどを、勉強しながら綴っています。

熱い心と怜悧な理性、それが「日本人の美徳~誇りある日本人になろう~」(櫻井よしこ著/2008年)

2009-08-23 09:02:49 | 本;エッセイ・評論
<目次>
第1章 価値観と私らしさ
第2章 日本人が忘れつつある大切なこと
第3章 大人が子供に伝えるべきこと
第4章 歴史の中の日本人
第5章 読書と言葉
第6章 仕事と夢
最終章 旧きを知り、新しきを目指す

~言霊(ことだま)信仰といって、日本人は言葉の中に霊があると考えます。ある思いを込めて、言葉を発する。すると、それが実現するようになる。または、実現してほしいと願って、言葉を発してきた。言葉に対する日本人の深い思いを示しているのが言霊信仰です。しかし、今若い人たちの会話を聞いていると、言葉が記号化されてしまい、言霊を信じてきた伝統が消え去りつつあるような気がします。~

櫻井さんがこう語るように、言葉遣いはその人を規定します。あるいはその人の心のありようが言葉遣いに出るといってもいいのかもしれませんが、言葉遣いを変えることによってその人格も変えることができるという意味では、前者の方が言いえているような気がします。

本書は、誇りある日本人になるために、櫻井さん自身が普段考えていること、心掛けていることを盛り込んで、「日本人の美徳」を綴ったものになっています。また、完璧に近いその所作や言動の裏で実は大変なうっかり者としての自身をさらけ出しておられ、微笑ましい側面も垣間見ることができました。

本書は、ジャーナリストからニュースキャスター、そして今や自ら立ち上げた民間の政策シンクタンクの理事長でもある櫻井さんの心の変遷が見て取れる一冊です。日本の良き伝統、日本人の気質などを伝え続ける櫻井さんの著書としては、先月「明治人の姿」を取り上げました。

<クール・ジャパンの原点と真髄、「明治人の姿」(櫻井よしこ著/2009年)>
http://blog.goo.ne.jp/asongotoh/e/0260e13bca8f9a5814aae23c94ed694a


<一般財団法人 国家基本問題研究所>
http://jinf.jp/


<備忘録>
「親学 高橋史朗」(P71)、「日新館童子訓」(P72)、「親子の心の絆 中里至正」(P92)、「与えられたことのみでは信頼は生まれない」(P93)、「おわら風の盆」(P100)、「言霊信仰」(P166)、「シンクタンク国家基本問題研究所」(P184、218)、「達人、匠になるために」(P194)

<童子訓>
http://homepage3.nifty.com/naitouhougyoku/sub5doujikun.htm

<おわら風の盆 - Wikipedia>
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A2%A8%E3%81%AE%E7%9B%86


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