脚と角

関西を中心に国内外のサッカーシーンを観測する蹴球的徒然草。

喜怒哀楽の真髄は蹴球にこそ有り。

全国への船出 -地域決勝vsノルブリッツ北海道-

2011年11月18日 | 脚で語る奈良クラブ
 第35回全国地域リーグ決勝大会が全国3会場で開幕。淡路島のアスパ五色では、ノルブリッツ北海道、福島ユナイテッドFC、S.C.相模原、奈良クラブの4チームが一同に会する「死のグループ」とも形容される組み合わせ。初戦をノルブリッツ北海道と対戦した奈良クラブは、85分の檜山の得点で勝利。初出場の地域決勝大会で初戦にて勝点3ポイントを獲得した。

 関西リーグの試合会場となることが多い故、見慣れたはずの景色ながら、何とも言えない独特の緊張感が漂うアスパ五色。関西リーグ王者として、奈良クラブは初めてJFLへの入学試験に挑戦することになった。
 初戦の相手は北海道リーグの王者・ノルブリッツ北海道。札大GPと凌ぎを削る強豪クラブで、北海道電力サッカー部の頃から数えれば、幾度となくこのカテゴリーの全国大会を経験している。無論、胸を借りるつもりという意味では、今季も全社出場を取り逃した奈良としてはこの大会では本当に新米だ。それは前半の戦いぶりで露わになる。

 試合は一進一退の序盤戦から徐々に北海道に決定機が訪れるようになってきた。それもこれも奈良の守備陣のミスからという場面が多かった。必要以上に最終ラインで手数をかけてしまう場面が多く、ボールの処理にもたつき、ヒヤッという場面が見られる。しかし、そこを今季のリーグ戦から幾度となくカバーしてくれてきたのはGK日野という男だ。本当に頼りになる。前半、この日野の活躍で3本の北海道の決定機をシャットアウト。徐々に建て直してきたところで後半へ折り返す。

 後半から黒田に代えて矢部を中盤に投入。セントラルMFとして先発だった李を右サイドへスライド。これがリーグ戦同様のリズムを生み出した。前半にはなかった決定機の数々を次第に作り出して、試合の主導権を完全に握った。パスが繋がる。連動したいつものサッカーがそこにはあった。そして、85分に待望の先取点を生み出す。三本菅からのパスを受けた李が前方に絶妙なループパス。これを檜山がDFの裏に抜け出してダイレクトでループ気味にゴールへ流し込む。ここまでの85分間、耐えに耐え抜いたサッカーが結実した。これが決勝点となり、まずは初日の試合を1-0で制した。

 第2試合は、相模原が福島U相手に2-1で勝利(観戦記は後ほど記載)。これで明日、共に先勝した同士での直接対決という構図になった。史上最大の強敵。ここを乗り切れば更に光明は見えてくる。奈良県リーグから足掛け3年半、ここまでのチームの蓄積を全て懸けて挑むしかない。全国への船出はまだ始まったばかり。目の前に迫る大きな波が乗り越えなければならない。

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