脚と角

関西を中心に国内外のサッカーシーンを観測する蹴球的徒然草。

喜怒哀楽の真髄は蹴球にこそ有り。

折り返した3年目の挑戦

2010年07月19日 | 脚で語る奈良クラブ
 ここまでしばしご無沙汰だった奈良クラブのことを。ここまでの戦績及び詳細はこちらへ。

 奈良クラブが主戦場とする関西リーグはあっという間に後期第11節に。今季から1部昇格を果たした奈良クラブは序盤こそ苦戦するものの徐々にチームが上昇できたといっていい。10試合を終えて5勝4分1敗と首位の三洋電機洲本に次ぐ2位(後期10節終了時点)という好順位をマークしている。昇格初年度、そしてチーム発足3年目としては及第点といえる内容ではないだろうか。
 しかし、今季の関西リーグ、各チームの実力は拮抗しているといってもいい。奈良クラブの戦績から見ても、三洋洲本、アイン食品、ラランジャ京都、阪南大クラブとの戦績はことごとく引き分けかそれ以下。これらのチームとの中位争いが団子状態の中で、事実上三洋洲本が首位を独走しており、これを追走しているとも言い難いのが現状だ。

 そして迎えた後期第11節、阪南大クラブ戦が18日に堺NTCで行われた。試合は相手に先制を許しながら、後半に7試合ぶりの登場となった矢部の活躍もあり逆転に成功するものの、後半終了間際に失点を許してのドロー劇。前期で引き分けを喫した相手にまたしても引き分けで終わってしまった。これで戦績は5勝5分1敗。1敗しかしていないが、本当に勝ち切れない試合が多い。やはり5試合の引き分けというのが大きく影響してか、団子状態の中位争いを脱し切れない要因となっている。

 勝ち切れない要因としては、やはり失点の多さが挙げられるだろう。ここまで11試合を終えて失点数は16。1試合平均1.45失点という数字。完封試合は前期6節のバンディオンセ加古川戦しかない。首位の三洋洲本がわずか4(10節終了時点)ということを考えれば、ここで覇権を握るにはこれに近い数字を叩き出す守備力が必要だろう。3位のアイン食品でさえもわずか8(10節終了時点)だ。しかしながら、地域決勝進出経験のある2チームがこれでも1次ラウンド全国の壁を突破できないとなると、まだまだ先は長い気もする。

 しばらくリーグ戦は中断期間に入る。全国社会人選手権の予選が始まり、8月には天皇杯の県予選も始まる。一発勝負の公式戦が続く中で、勝ち切れない試合が続いたリーグの戦いぶりの不安は残るものの、今季の奈良クラブの真価を占う絶好のリーグ中断期間になりそうだ。
 9月に再開されるリーグでどんな戦い方に変貌を遂げているのか。ただ数字上2位狙いが濃厚という現実的な考えに着地するならば、今年から各地域リーグ1位のみが地域決勝に進めるというレギュレーションの変更が少し恨めしかったりもする。