脚と角

関西を中心に国内外のサッカーシーンを観測する蹴球的徒然草。

喜怒哀楽の真髄は蹴球にこそ有り。

痛み分けの関関戦

2010年06月20日 | 脚で語るその他国内
 日本代表がW杯で第2戦を迎えようとする日本時間の19日、関西学生リーグでは前期最終節を迎え、長居スタジアムでは「関関戦」と称される関学大と関西大の対戦が行われた。

 

 蓋を開けてみれば、昨季のリーグ覇者である関学大は今季現時点で6位。同じく昨季リーグ2位で関学大、阪南大と最終節まで優勝を争った関西大は今季現時点で5位と12チーム中では中位争いになってしまったこのマッチアップ。しかしながら、両者共に互いに譲らぬ試合展開で1-1と引き分けに終わった。

 
 最大の見所は梶川(左)と田中雄(右)のマッチアップ。
 サイドの攻防は両者の勝負の行方を占う重要なファクター。

 前半から小柄なテクニシャン・梶川のドリブルを起点にチャンスを作っていく関学大。前線にはターゲットマンとなる長身FWの村井がチャンスボールを待ち構える。対する関西大は序盤劣勢に立たされたが、先日J1川崎入りが内定したDF田中雄を軸にまずはしっかり守るところから入った。
 37分、関学大の梶川が左サイドをドリブルで仕掛けたところに、関西大・田中裕がたまらずファウル。これで得たFKを関学大はゴール前に攻撃参加したDF井林にピタリと合わせて先制点をもぎ取った。

 
 関学大のエース村井は長身を生かしたプレー。
 昨季はこの対戦カードで無敗。自身の得点で試合を決めたい。

 
 関学大はセットプレーから先制点を挙げることに成功。
 梶川からチャンスを効果的に作った。

 これで追う立場に立たされた関西大は、中盤で岡崎、田中裕、板倉ら2年生プレイヤーが奮起。徐々にペースを盛り返して前半を折り返すと、59分にカウンターからエース金園がエリア左手から強烈なシュートを決めて同点に。後半の良い時間帯に試合を振り戻した関西大はこの勢いを持続させたかった。

 
 来季J1磐田に入団が内定している金園が同点弾を叩き込む。
 これで俄然関西大サイドは盛り上がったが・・・

 
 G大阪ユース出身の選手が多数在籍する関西大。
 学生選抜に選出されるなど、田中裕はチームの中心選手に。 

 しかしながら、試合はそこからなかなか動かない。徐々に運動量を落とす関西大を尻目に関学大ががむしゃらに1点を追い始める。早々に前節の立命大戦で2得点と大活躍したサイドプレイヤーの阿部を負傷で欠いたが、代わりに投入された浦島が奮闘。高い集中力で果敢に関西大ゴール前に迫った。対する関西大も終盤に猛攻。ATに突入した最後のプレーで藤澤がドリブルで猛然と独走。これをファウルで止められたことで得たFKを田中雄が担うが、これが惜しくも決まらず、試合は1-1と両者痛み分けとなった。

 
 野洲高の全国制覇を経験している田中雄は川崎に入団が内定。
 今季の楠神のような初年度からの活躍に今から期待したい。

 試合こそ引き分けだったが、会場は伝統の「関関戦」ムードに盛り上がった。ハーフタイムに両校の部員やチアガールなどを交えて「関体」と呼ばれるパフォーマンスも見られ、非常に和気あいあいとした雰囲気。この2チームが後期の対戦で優勝を争う戦いを見せて欲しいところだが、阪南大が頭一つ抜け出す展開となった前期日程。なかなか2チームの追い上げは至難なミッションだろう。総理大臣杯を挟んで、しばしのブレイク後にこの関関ミドル2が躍進を果たせばより一層リーグは面白い終盤戦になるだろう。