脚と角

関西を中心に国内外のサッカーシーンを観測する蹴球的徒然草。

喜怒哀楽の真髄は蹴球にこそ有り。

4年ぶりの大阪ダービー ‐VSC大阪‐

2010年03月14日 | 脚で語るガンバ大阪
 2006年シーズン以来4シーズンぶりに大阪ダービーが帰ってきた。開幕2節で早々と対峙したG大阪とC大阪。試合は1-1と痛み分けに終わったが、37,860人が詰めかけたその盛り上がりは共に待ちわびた素晴らしい雰囲気に包まれていた。

 
 ホーム長居での開幕戦となるC大阪。
 多くのサポーターが久々のJ1をダービーで迎えることとなった。

 
 南スタンドも負けてはいない。
 勝利に飢えるG大阪サポーターもダービーを待ちわびていた。

 G大阪は中盤に明神が帰還。ここまで公式戦4試合未勝利というトンネルを脱したいところ。対するC大阪はGKに松井と最終ラインの茂庭、上本に加えてアマラウ、高橋、前線にアドリアーノという新加入選手がラインナップに名を連ねる。共に開幕戦は黒星だっただけに試合は勝利を渇望する両チームの火花が散る激しい試合となった。

 
 開始5分、G大阪が早速のチャンス。
 直接FKを遠藤をダミーに下平がゴールを肉薄。

 
 今季も乾とこの香川のホットラインは健在。
 得意のドリブルでG大阪守備陣をかき回す香川。

 
 いつもながら守備面での貢献が光った加地。
 しかしながら相手のエリア付近まではなかなか攻めきれず。

 
 その加地をサイドから再三脅かした尾亦。
 CKからも好配球を見せた。

 
 山口の代役を返上したい高木が香川を抑える。
 結果の出ないチームにあって徐々にパフォーマンスは上昇気味。

 
 0-0で迎えた65分、明神が狙い澄ましてミドルを放つ。
 GK松井が止め損ねてボールはゴールに。歓喜の先制点。

 
 
 C大阪も71分にアドリアーノが左サイドを突破。
 一気に持ち込んで同点ゴールを決める。

 
 過酷な試合日程の中フル回転する遠藤。
 この日は押し込まれた際の守備意識が光った。

 
 攻守に効いていたマルチネスと上本。
 マルチネスは深い位置から絶妙の組み立てを見せた。 

 
 かつてFC東京で共にプレーした茂庭とルーカス。
 何度もマッチアップで火花を散らした。

 
 惜しいチャンスはありながらもまたノーゴール。
 チョジェジンの覚醒は今のG大阪に最急務の課題かもしれない。

 
 アマラウと競り合う橋本。
 過酷日程も難なく乗り切る安定感は大きい。

 
 残り5分のところでC大阪は播戸と家長を投入。
 古巣サポーターからの凄まじいブーイングで迎えられる。

 天皇杯を連覇し、3シーズン連続でACLを戦うG大阪を相手に引き分けで終われたC大阪にとってはJ1復帰1年目としてポジティブな内容ともいえる試合だったかもしれない。J2時代に熟成された香川と乾からの攻撃は迫力満点で勢いを感じた。しかしながら、ACLを含めてこれで5試合連続白星に見放されたG大阪の方はかなり思案が必要な事態になってきたのではないだろうか。特に目を覆うばかりの決定力不足は深刻。これまで毎シーズン「点取り屋」ともいえる外国人FWにフィニッシュ面で依存していた事実が頭をよぎる。点を取れなければ勝利は近づかない。チョジェジンや平井の覚醒と宇佐美の積極的な起用でこの課題を打開していきたいところだが・・・
 果たして西野監督は今後どんな策を打って出るのだろうか。試合後のブーイングが表すように2カ月前に天皇杯を制したチームは早速大きな壁にぶつかっている。