歌わない時間

言葉と音楽について、思うところをだらだらと。お暇な方はおつきあいを。

マリナー『イギリス管弦楽曲集』

2010年05月04日 | CD 古典派以後
English Orchestral Works
Accademy of St Martin-in-the-Fields
Neville Marriner
POCL-4421/2

1967-80年録音。65分36秒/73分57秒。LONDON DECCA。CD1にボーンウィリアムズ、ウォーロック、バタワース。CD2にディーリアスとエルガー。イギリス近代音楽への入門編として買いました。

わたしはとくに1枚目が気に入ってます。もちろん《グリーンスリーブズ》《揚げ雲雀》もいいんですが、はじめて聴いたウォーロックやバターワースがそれなりにおもしろかった。ウォーロックの《キャプリオル組曲》というのはレスピーギの例のリュート組曲ふうの作品で、なかでも5曲目〈Pieds en I'air〉という静かな曲が佳品。N響アワーの最後に使われそうな感じ。っていうか、ほんとにBGMに使われてるんぢゃないのこれ。N響アワーの番組終わった後の、N響のコンサートのお知らせのときに…。バタワースは第一次大戦に志願して出征し、若くして戦死した作曲家だそうで、なんかロバート・ゴダードの小説にでも出てきそうなひとですね。いかにも、まだ青春のただ中にあった人が書いた若書きの曲、という風情。でも爽やかな叙情は充分魅力的で、繰り返し聴きたいと思いました。《シュロップシャーの若者》《2つのイギリス田園詩曲》《青柳の堤》どれもよかった。

ディーリアスとエルガーはこれ1枚だけで満足かも。ディーリアスは《春初めてのかっこうを聞いて》《河の上の夏の夜》ほか。(なんか京極派の和歌の題みたいだなーっていつも思うよ。)エルガーは《弦楽のためのセレナード ホ短調》《ソスピーリ》ほか。

録音はすべて古いアナログなのでカドがとれて丸くなっていますが、選曲のセンスのよさで、これはわたしみたいな初心者には「買い」のアルバムですね。

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