歌わない時間

言葉と音楽について、思うところをだらだらと。お暇な方はおつきあいを。

シュライヤー&ラゴスニヒ『シューベルト_美しい水車小屋の娘』

2010年11月25日 | CD 古典派以後
Franz Shubert
Die schöne Müllerin
Peter Schreier
Konrad Ragossnig
0032822BC

1980年録音。64分23秒。BERLIN Classics/ETERNA。シュライヤーがラゴスニヒのギター伴奏で歌った『美しい水車小屋の娘』。ドイツ・シャルプラッテンへの録音、て書いてある。EMIから出てたこともあるようですな。この録音のことはわりと有名ですわね。わたしも学生時代から知っていて、この歳になってようやく聴けました。シューベルトの歌曲集をとおして聴いたのも初めて。シューベルトのアルバムを聴くのもマーティン・ヒルのCD以来。そして実はシュライヤーのソロ盤を聴くのもたしか初めて。なお歌詞は印刷されていません。

シュライヤーは1935年生まれだそうですから、このとき45歳。歌手にとっちゃ脂がのって働き盛りのころですわ。今のたとえばボストリッジあたりと比べるといかにもオールドスタイル、なんでしょうなあ。学校の先生の模範演奏を聴いてるような感じ。リートを勉強中の学生さんがこの演奏を聴いたら、学ぶべきことがたくさんあるはず。いっぽう伴奏はピアノぢゃなくカジュアルなギター、なので、シュライヤーのスタイルとの間にちょっと乖離があるようにも感じました。

ラゴスニヒはごく控えめに、シュライヤーのゆるぎない歌に淡く背景を描きそえている。使用楽器について書いてないけど、ラゴスニヒの弾いているギターはシューベルト時代のものなのかしらん。なんか、ぽろんぽろんと鄙びた音がしますよ。

技術的には申し分なく、シューベルトの〈小唄ぶり〉の世界を楷書でキッチリ聴かせてくれる。しかし正直申して、こういうのをコンサートに聴きに行ったとしたら、わたし寝そうです。やっぱ地味だよー。むしろ、いちど歌ってみたいとは思う。結論、『美しい水車小屋の娘』は聴くより歌うほうが楽しそう。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿