歌わない時間

言葉と音楽について、思うところをだらだらと。お暇な方はおつきあいを。

カークビー『ヘンデル、アーン、ハイドン、モーツァルトを歌う』

2010年11月11日 | CD 古典派以後
Emma Kirkby sings Handel, Arne, Haydn & Mozart
The Academy of Ancient Music
Christopher Hogwood
289 458 084-2

1988-91年録音。71分50秒/67分20秒。DECCA/L'Oiseau-Lyre。2CD。旧録音を再編集した再発盤。ここではカークビーの澄んだ美声がまだ衰えず、加えて表現も充実していて、お買い得。バッハはないけど、ヘンデル、ハイドン、モーツァルトと、バロック後期から古典派にかけてのレパートリーを、カークビーの端正で清澄な歌唱でたっぷり楽しめる。モーツァルトの世俗アリアなんかはカークビーではちょっと物足りないんぢゃ、と懸念する向きもあるかもしれませんが、だいじょぶ。楽しく聴けます。

CD1は、のちに作曲家アーンの妻となったソプラノ歌手セシリア・ヤング(1711-89)が実際に歌ったことが分かっているアリアや歌曲を集めた企画盤でした。『アルチーナ』のモルガーナのアリア〈Tornami a vagheggiar〉をカークビーで聴けるのがうれしい。

CD2は、単独で出ていたモーツァルトのアリア集にハイドンの『天地創造』英語版からの2曲を加えたもの。モーツァルトは『牧人の王』とか『ツァイーデ』とか、モーツァルト若いころの作品。『牧人の王』の〈彼女を愛そう、生涯変わらずにL'amerò, sarò costante〉がとくに素晴らしい。カークビーが夜の女王のアリアとか歌ったらどんなだったですかね。聴いてみたかった。想像してみると面白そう。

古楽アカデミーの時代楽器の音色が生き生きしていて、カークビーの歌をよく引き立てている。

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