歌わない時間

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オルフェイ・ドレンガル『男声合唱によるクリスマス音楽』

2010年11月30日 | CD 古典派以後
Christmas Music
Orphei Drängar
Robert Sund
CD-533

1991年録音。67分10秒。BIS。オルフェイ・ドレンガルは北欧スウェーデンの、150年以上の歴史を持つ男声合唱団。自身オルフェイ・ドレンガルの歌い手でもあったロバート・ズントの指揮で、新しいのから古いのまで、クリスマスにちなんだ曲を歌っています。伴奏は、ところどころ入ってくるオルガンのみ。全23トラック。男声合唱そのものへの入門篇としても薦められる。

北欧の合唱団てだけで「あ、旨いんだろうな」と思っちゃう。それにスウェーデン随一のレーベルであるBISの録音でしょ。そりゃ期待しますよ。で、期待にたがわぬ完成度。いい声出てます。重低音で押してくるのではなく、バランスのとれた、聴き心地のよい軽めの響き。解説冊子の後ろ表紙にオルフェイ・ドレンガルの整列写真が載っていて、ざっと見たところ60~70人くらいの老若が写っている。聴いたところでもだいたいそのくらいの人数かな。

ふつうのクリスマス・アルバムではなかなか聴けない曲も多数。プログラムの前半はたぶんスウェーデンの地元の作曲家たちの曲。それからニールセン、シベリウスが1曲づつあって、その後、わりとメジャーなクリスマスの曲があれやこれや。トラック19〈Coventry Carol〉は団員3人のみによるア・カペラ。こういうのが入ると変化がついて、聴いてるほうも嬉しいんだよねえ。トラック22はビゼーの『アルルの女』の行進曲。

ソプラノのChristina HögmanとバリトンのPeter Matteiが何曲かに賛助出演。ふたりともいい声で、また巧いので、アルバム全体の満足度を高めてくれる。トラック21、アダンの〈Cantique de Noël〉(オー・ホーリィ・ナイト)のMatteiのソロがかっこいい。

やや旨すぎるきらいはあるかも知れないけれども、適度に変化がついていて聴かせ上手で、男声合唱によるクリスマス・アルバムとしてじつに完成度の高いもの。

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