歌わない時間

言葉と音楽について、思うところをだらだらと。お暇な方はおつきあいを。

ロンドン・バロック『パーセル_ファンタジア集』

2010年04月14日 | CD パーセル
Purcell
Fantazias
London Baroque
BIS-CD-1165

2000年録音。62分38秒。BIS。以前、パーセルの『3声/4声のソナタ集』をロンドン・バロックで聴いていたく感動したので、『ファンタジア』も聴きたいなあと思っていました。この曲集はフレットワークがVirginに録音したものも聴いたんですが、ロンドン・バロックのほうが気に入りました。

このロンドン・バロックのはバイオリン、ビオラ、チェロによる合奏。いっぽうフレットワークのはイギリス17世紀のバイオル(ビオール)曲集5枚組のなかの1枚で、バイオルの合奏だったわけです。べつにバイオルのコンソートが嫌いなことはないんですが、この曲に関しては、ロンドン・バロックの演奏のほうが、奥行き感、というか、曲の丈の高さを表現し得ている。フレットワークの演奏では、「これってそんなに名曲かなあ」とまで思いましたが、ロンドン・バロックで聴くとたしかに充実した曲だと分かる。ひとつひとつの曲の立体的な構造がきわだつ。これなら名だたるグループがつぎつぎ録音するのもうなづける。ロンドン・バロックもこれより前に一度Virginに録れていてこれは再録音だし、フレットワークも、Virginへの録音のあと、わりと最近HMFから再録音をリリースしました。プレイヤーにとってもそれだけ魅力のある曲集なんだってことでしょう。わたしは聴いてませんがサバールも録音してますね。

なんといっても一曲づつが短いので聴きやすく、時代楽器のしぶい音色がたっぷり堪能できる。おかしなもんで、いっぺんロンドン・バロックの演奏で感心した後でフレットワークの盤を聴いてみると、これが以前よりもよく聞こえたんだよなあ。

っていうかこの曲集、できることなら自分で演奏してみたいなあ。