歌わない時間

言葉と音楽について、思うところをだらだらと。お暇な方はおつきあいを。

ナカイマコト知事?

2010年04月26日 | 気になることば
きのうの夜中のNHKラジオのニュースで、アナウンサーOB某氏が、例の普天間移転問題の原稿に「沖縄県の仲井真知事」とあるのを、まづ一回目「ナカイマコト知事」と言い、どうやらスタッフがそこでダメを出した気配で、しかし二回目にも某氏はなぜか「ナカイマコト知事」と言い、三度目にようやく「ナカイマ知事」と正しく言い直しました。この某氏は去年までラジオ深夜便のアンカーをやっていたひとですが、そのころから電話先とのやりとりがちぐはぐで、冴えない人でした。しかしそれにしても、今、普天間の問題がこれだけ大騒ぎになっていて、仲井真知事だってしょっちゅうニュースに出てくるのに、それを「ナカイマコト知事」と読むとは。魂消てしまった。〈わたしは沖縄の米軍基地のことなんかぜんぜん関心ありません〉て言ってるようなものぢゃないか。深夜とはいえ、かりにもNHKでニュースを読む人がこれではいかんやろ。

ここで、某氏の罪を軽くするために想像力を最大限働かせてみるとすると、もしかしたら記者がつくったニュース原稿に、「仲井まこと知事」とでもあった可能性がないではない。「仲井真」という苗字がその記者のパソコンのIMに登録してなくて、記者が「なかい」と打鍵して「仲井」をだし、「まこと」で「真」を出すつもりで、しかしここで変換ミスをしてひらがなの「まこと」のままになっていた、のかも知れない。いやまあ万が一そうであったとしても、アナウンサーOB某氏は、気づいて正しく読むべきだった。あのニュースを聞いていた沖縄の人たちは心の底からがっかりしたと思う。

沖縄県庁のサイトに行くと、「知事のページ ハイサイ仲井眞です。」とある。「仲井真」ぢゃなく「仲井眞」さんだったのね。次から気をつけよう。この手の異体字問題は実にいろんなところで引っかかってくるね。「仲井眞」さんを平気で「仲井真」と書くマスコミも、「長嶋茂雄」さんを「長島茂雄」とはけっして表記しない。字によって異体字を採るかどうかにぶれがあるのは、分かりにくい。当事者にとっては自分のアイデンティティにかかわる大問題だろう。そういえば、秋篠宮家の大君の名前にも「眞」の字がついていましたね…。