吉田修一『パレード』(幻冬舎文庫)読了。午後、半日で読んでしまった。千歳烏山のマンションで共同生活をする5人の男女の話。(ちなみに「熱帯魚」の舞台は芦花公園、「グリンピース」に出てくる彼女のマンションは荻窪だった。)都会の人間関係の稀薄さをわりと素直に描き出している。筆さばきは巧みだ。5人目の同居人〈サトル〉が登場するあたりからお話が動いていくのだが、ひとつひとつのエピソードのつなげ方、積み上げ方がうまい。
「グリンピース」はスケッチだと思ったが、『パレード』はちゃんと小説になっている。「グリンピース」以上に気の利いたセリフと文章が駆使されていて、ああこれだったらフジが月9ドラマの原作本として吉田修一に目をつけるのも無理もないなと思った。
ただ、半分くらい読んだところで、結末の趣向は見えていた。探偵小説を読みつけている人だったら、見やすい筋立てだと思う。
「グリンピース」はスケッチだと思ったが、『パレード』はちゃんと小説になっている。「グリンピース」以上に気の利いたセリフと文章が駆使されていて、ああこれだったらフジが月9ドラマの原作本として吉田修一に目をつけるのも無理もないなと思った。
ただ、半分くらい読んだところで、結末の趣向は見えていた。探偵小説を読みつけている人だったら、見やすい筋立てだと思う。