企業・組織再生現場からの独り言

仕事の中で、覚えていったこと。感じたことなどなどを記していきます。我以外皆我師也。あと、読んでいる本を簡単に紹介。

本当に、ニートや所得低下とかが原因? 20代後半女性海外旅行離れの話

2007年08月05日 | 企業の一般的な話
こういう統計的な報道を見ると、どうしても裏取りをしたくなってしまう。20代後半女性の海外旅行が33%も減ったというのだ。ざっと見ると、人数(延べ人数)のことをさしているよう。ということは、母数がどれくらい変わったかも考えなければならないだろう。また、ほかの母集団と比べてもどうか、というのも気になるところ。
まず、ニュースに載っている、20代全体の数字から、この年代では29%の海外旅行の減となる。そこで国が出している年齢別の人口を追いかけてみた。2000年と2006年とを比べてみると、20代人口は、15%減少していることになる。一方、記事で注目されている20代後半女性の人口自体が、約20%減少している。
では比較をしてみよう。
20代全体の人口は、15%減少。海外旅行は29%減少。
うち20代後半女性全体の人口は、20%減少して、海外旅行は33%減少とのこと。確かに20代後半女性も減っているものの、全体の減り具合から考えれば、20代後半女性だけが取り立てて海外旅行を減らしたというよりは、その逆、ほかのセグメントの方がより海外旅行を減らしたと考えられる。
もちろん、実数として20代後半女性の海外旅行数が減ったことは間違いないが、それをニートとかで片付けるのは、おかしいのではないか?所得低下などを言うならば、より20代前半の方が的を射ているような気がする。
新聞の報道は、どうしてもこういうミスリーディングなことがあるので、気をつけて読んでほしい。こういうのが、数字のリテラシーとしてみなに身についているか。新聞報道を鵜呑みにする人が高齢層にも多いと思うが、ぜひ気をつけていただきたいと思う。


20代後半女性の海外旅行、6年で33%減(読売新聞) - goo ニュース
日本人の海外旅行者数が、2001年の米同時テロ、03年の新型肺炎(SARS)での落ち込みを回復できずにいる。
 JTBの海外旅行リポートによると、06年の日本人の海外旅行者は前年比0・8%増の1753万人と3年連続で前年実績を上回ったが、わずかな伸びにとどまり、過去最高だった00年の1781万人は超えられなかった。
 04年以降の停滞の要因は20歳代の旅行離れにある。リポートによると、20歳代の海外旅行者は00年に417万人いたが、06年は297万人と120万人減少した。特に20歳代後半の女性が152万人から100万5000人へ33・9%減ったことが大きく、ニートやフリーターの増加、景気後退で若者の所得が低下したことも影響したようだ。
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