企業・組織再生現場からの独り言

仕事の中で、覚えていったこと。感じたことなどなどを記していきます。我以外皆我師也。あと、読んでいる本を簡単に紹介。

きものの販売 最近思うこと

2005年12月05日 | 和の話(呉服業界など)
店頭回帰というが、どれほど店頭に力を入れている企業があるか?というと結構怪しいな、と思う。店頭でのディスプレイさえやればいい、と思っている企業までもがあるような感を受ける。店頭とは、催事ではない、店先でそしてお客様の自宅を訪問して、販売することを指しているのだと考えるが、どうだろうか?
いくら目先を変えても、販売のスタイルが催事型から脱却しきれていないと、店頭回帰は続かないと私は考えている。既存の顧客は別として、店頭で獲得した顧客にたいして、既存の催事への導入をしていく、というスタイルがどれほど効果があるのか?ということだ。店頭でとった名簿に対して招客をかける。これを名簿を消化するとかいう人もいるようだが、たぶん、その人にはお客さん一人一人の顔が一切見えていないのだろう。(中には、見えた上で、催事でよりよい商品を選んでもらいたいから呼んでいるという人もいるでしょうが)
どんな商売でもそうだが、顧客に喜んでもらって初めてリピートに繋がるものだ。インフラ産業を除き、スイッチが可能な業界(呉服なんてスイッチし放題だ)では、価格を見比べることも可能だし、同等品を別のお店で購入することも可能。それを、他のお店と変わらないような催事に連れていって、さぁ買ってください、ではどうにもならんと思うのだが。。それが分からない販売店の人は多い。
呉服って、一品単価が高いものであるのに、サービス精神が低いなぁ、と思う。それは以前書いた、お店や催事会場での鏡の状態一つとっても分かる。なぜ、別の人や販売員の指紋がベタベタついた鏡の前で、着姿を見なければならないのか?それが分からない。売り手にとっては、何百、何千回のうちの一回かもしれないが、お客にとっては限られた体験の一つなのに。
呉服店にとっては、10万円の小紋(仕立て上がり)は、ほとんどもうけにならない、と考えてしまうことでしょう。だからといって、お客様を軽く扱ってはいけないですよね。また、そのお客様に、すぐに100万円のきものの催事を薦めても行けない。あくまで見に来てね、であり、楽しんでもらうならいいですが・・・。売ろうとしてはいけない。だって、そのお客様の経済状況とかわからないじゃないですか?たぶん、なんでもLOANで、というのが誤りなんだと思います。
ローンから脱して、販売をすることができれば。。。それが、お客様を知ることにも繋がり、また無理な販売をしなくなる。ローンを手軽な回収手段と考えるのか、それともリスクヘッジはもちろんしながら、お客様とのコミュニケーションを取るために、しっかりと分割払いを自分で受けるのか。そんなことも考えないといけないでしょうね。

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