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あの青い空のように

限りなく澄んだ青空は、憧れそのものです。

グッドルーザーとしてのすばらしさ

2011-10-19 21:51:52 | インポート

 新聞のスポーツ欄に,『誇り高きグッドルーザー』という記事が載っていました。グッドルーザーという言葉は,どんな意味なのだろうと興味を抱いて読んでみました。

 グッドルーザーとは,「潔く負けを受け入れ,勝者をたたえられる敗者」 という意味だそうです。記事には,なかなか出会うことのできない このグッドルーザーが,11日のW杯3次予選で日本が戦った相手であるタジキスタンチームだったと書いてありました。私自身も,この試合をテレビ観戦し,8:0という圧倒的大差で負けながらも最後までフェアプレーの精神を忘れず全力で戦い続けたタジキスタンチームにさわやかな感動を覚えていましたので,とても共感を感じました。

 タジキスタンの監督は,試合後に次のようなコメントを残したとのことです。

「最後まであきらめずに走った選手に感謝したい。」「正直にプレーすることを心がけている。けがをさせるために日本にきたわけではない。」

 シュート数は,日本が39に対し,タジキスタンはわずか1。この大差に,荒れたプレーもなくゲームを終えることができました。両チームとも体を痛めた選手は一人もいませんでした。

 スポーツは,ある意味で格闘技のような激しい側面をもち,感情的な面が顕わに出てしまうところがあります。相手の得点を防ぐために,危険なプレーに走る場面も出てきます。そういったエキサイトプレーを否定するわけではありませんが,フェアーにそして純粋に技術を競い,その結果敗けてしまっても謙虚に勝者をたたえるグッドルーザーに,スポーツの精神の真髄を見出すことができるのではないかと思いました。

 勝ち負けを超えたところにある崇高なもの,それを求める者が誇り高きグッドルーザーになることができるのかもしれません。

 また真の勝者こそ,グッドルーザーの崇高な思いを理解し,敗者をたたえることができるのではないかと思いました。

 日本代表は,今度は人口約710万人のタジキスタンに出かけて試合をすることになります。両チームにとって,純粋にチームプレーと技術を競い合う,フェアーでさわやかな戦いになることを期待したいと思います。

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「居眠り磐音江戸双紙」について

2011-10-18 22:13:37 | インポート

   佐伯泰英作「居眠り磐音江戸双紙」の最新刊が発刊されました。ただし今回は,帰着準備号と銘打った特別号で,既刊37巻の続編ではありません。内容的には,①歌川広重「名所江戸百景」で振り返る「居眠り磐音江戸双紙」 ②橋の上「居眠り磐音江戸双紙」青春編 ③1巻~37巻までのストーリーダイジェスト ,磐音がいる江戸の旅,磐音シリーズ刊行10周年を迎えての著者インタビュー,「居眠り磐音江戸双紙」年表 等の構成となっています。

 私が佐伯泰英の作品で最初に読んだものは,10月に最新刊(シリーズの第15巻)が発刊された吉原裏同心シリーズでした。主人公:神守幹次郎と年上女房である:汀女との温かい夫婦の絆,また吉原という環境の中に身を置きながらもそこで真摯に裏同心役を務める主人公の姿にとても魅力を感じ読み始めました。次号の発売が待ち切れず,同じ作者の書いた他の作品でもいいから読もうと思って手にしたのが,この磐音のシリーズでした。第1巻を読んだだけですっかり主人公磐音に魅せられ,以来このシリーズの大ファンになってしまいました。

 今回発刊された②の青春時代の磐音を描いた短編を読みながら,第1巻に描かれていた許嫁である奈緒に対する磐音の思いがよみがえってくるような気がしました。親しい友とのつらい別れはもちろんですが,愛する奈緒との悲しい別れ,それでも再会を信じて愛する人を探し続ける磐音の一途な思いが切々と思い出されます。

 今回の最新刊のタイトルが『橋の上』となったわけは,①を見てわかりました。磐音の運命を決めるような出来事が数多く橋の上で起こっていたのです。奈緒の無事を祈っている時におこんと初めて会話を交わしたのも,奈緒との今生の別れとなったのも,橋の上の出来事でした。

 江戸を追われるように去った磐音は,その人柄を理解し慕う親しい人々の住む江戸に,次号で戻ることになるのだと思います。おこんと息子と手を携え橋を渡ることで,江戸への帰着となるのでしょう。時の権力者である田沼との戦いを軸に,新たな物語がどう展開していくか,とても楽しみです。38巻は,年が明けてから発刊されるようです。

 これまでの37巻を通して,主人公:磐音を初め登場人物の一人一人に,まるで家族のような親密な思いを抱くようになりました。特に義父と義母であった佐々木玲圓・おえいの死は,まるで身内の者が亡くなったような喪失感と悲しみを味わう出来事でした。磐音の子:空也が誕生した時には我が子が産まれた時のような喜びを感じました。主人公の人生を我が事と重ねるように生きてきたような感じがしたからなのかもしれません。

 佐伯泰英の描くシリーズものは,他にもたくさんあり,それぞれに人間味にあふれた魅力的な主人公が登場し,活躍します。時代小説を好むところに年齢的なものも感じますが,どの主人公も私の心の内に親しい存在として生き続けています。

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心にしみる投稿を読んで

2011-10-13 19:12:14 | インポート

キンモクセイのあまい香りは,今の季節を代表する香りかもしれません。暗くなってもどこに咲いているかは,あの香りが教えてくれます。

新聞の『ひととき』という欄に投稿された記事を読んで,このキンモクセイがとても愛しく感じるようになりました。

産まれて15日で,娘さんと悲しい別れをしなければならなかった方の投稿でした。キンモクセイの香りは,20年前の別れの一瞬に,引き戻してしまう香りでもあったようです。

また,その香りは季節が秋になったこと ・ どんなに悲しみにくれていても自然は時を刻んでいること ・ 外に目を向けて生きなくてはいけないこと を教え,悲しみから自分を外に押し出してくれた,娘さんからのメッセージであった と書いてありました。

娘さんが3歳になる年に,庭にキンモクセイの3年苗を植え,毎年誕生日にお菓子を供えてきたようですが,今年はお菓子を卒業し,成人の記念にコサージュを供えたとのこと。

今年のキンモクセイは,いつもより1週間早く咲き,「そろそろ私のペースで咲かせてね」とほほ笑むかのように庭いっぱいに香りを漂わせている そうです。

投稿者の伊東明美さん(49)は,娘さんと一緒にこの20年間を生き,その成長を見守ってこられたのですね。

ふれることも抱きしめることもできないのに,こんなにも深く娘さんを愛し,大切に育ててこられたことに,胸が打たれます。

キンモクセイの香り とともに これからも 娘さんと一緒に生き,誕生日のたびに成長した姿を想い,ふさわしい贈りものを供え続けていくことと思います。

とても 切なく そして 温かく 心にしみる 投稿でした。

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W杯アジア予選のサッカーの試合を見て

2011-10-12 20:50:58 | インポート

  昨日は,サッカーの試合をテレビで観戦しました。タジキスタンとのゲームでしたが,日本代表が8:0で圧勝しました。ボールの支配率も70パーセントを超え,シュート数でも圧倒する戦いぶりでした。連動した動きの中でシュートまでもっていくプレーを見て,改めてサッカーの真髄は,組織プレーなのだということを痛感しました。一つのボールを中心に,見事なパスワークとチームワークで攻め・守るチームプレーに感動さえ覚えました。なでしこジャパンもそうでしたが,根底には高い技術もあるのでしょうが,選手同士の信頼関係がしっかりと確立されているからこそ発揮できるプレーのように感じました。これまで精彩を欠いていた香川選手も2得点をあげることができましたが,自分の動きに合わせてパスが来ることを信じた結果が得点に結びついたと語っています。香川選手は,個人的に応援し期待している選手でもあります。この活躍で,揺らいでいた自信を取り戻すことができたのではないかと思います。今後のドイツ・ドルトムントや日本代表としてのプレーが楽しみです。

  それにしても驚いたのは,タジキスタンチームのフェアーな戦いぶりです。ファールは日本チームには一つあったのですが,タジキスタンは0でした。Jリーグの戦いでもファールのない試合は皆無なのではないかと思います。勝ちに徹したり,大差でリードされたりする時には,ファールがつきものと思っていました。しかしタジキスタンチームは,圧倒され大差をつけられながらも危険なプレーに頼ることなく,フェアーに戦い抜きました。その姿に,すがすがしいさわやかな感動を覚えました。実力差がありながら,正々堂々と最後まで全力で戦った相手チームに,心から拍手をおくりたいと思いました。今度は,日本代表がタジキスタンに出向いてのアウェイでの戦いとなりますが,もし可能であれば両チームにファールが一つもない理想的な試合であったらいいだろうなあと思いました。

  サッカーだけでなく野球も大好きな私にとって,残念なニュースがありました。楽天の山﨑選手の退団です。コーチとして残る道もあったようですが,現役として野球を続けたいという思いが強く,退団の道を選んだようです。統一球が採用された今季は,ホームランが出にくいシーズンとなり,山崎選手にとっても悪戦苦闘の毎日だったのではないかと思います。不振については年齢的な衰えももちろんあったと思いますが,それでも現役続行の道を選んだその選択に山﨑選手らしさも感じました。他のチームのユニフォームを着ても,願わくばその雄姿をまた見てみたいものだと思いました。

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命の音を耳にして

2011-10-11 08:32:42 | インポート

泊ったホテルの玄関わきで,夜に煙草を吸っていた時のことです。

近くでバタバタバタバタという音と気配を感じ,何だろうと思ってあたりを見回しました。

玄関の支柱のそばの地面に,大きな蛾がいて,羽をバタバタと動かしていたのです。コマのように回りながら,必死に舞いあがろうとしているのですが,体は地面から離れることができません。よく見ると,広げた羽のあちこちに穴があき,何度も地面に打ちつけたために羽の外側がボロボロに傷んでいました。

街灯に引き寄せられてどこかから飛んできたのでしょうか。そして帰ろうとしていたのでしょうか。

打ちつける羽の音が,命の鼓動のように胸にひびきました。蛾という姿の向こうに命が見え,音を通して確かな命の重さを感じました。

次の朝に同じ場所に来てみると死んでいました。生きていた証のように,羽の一部が風に吹かれてわずかに揺れていました。

どんな生き物にも命があるということ,一生があり死があるということ,そして確かな命の重さがあるのだということを強く感じました。

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