普天間飛行場の移設問題が、今、政治上の大きな話題になっています。
戦後の平和を守るために沖縄の人々が背負ってきたものの重さを考えると、県外や海外への移設がベターなのかもしれません。ただ、どこへ移設してもその重さは消えずに、移設先の人々に新たな重荷を背負わせることになるように思います。
軍事力が平和を維持するために必要なのだと考える限り、この問題を解決する道は見いだせないのではないかと考えます。
軍事力のバランスや核の脅威の下で成り立つ平和は、果たして真の平和と言えるのでしょうか。
軍事力に頼らない人間としての良識と信頼が創り出す平和は、あり得ないのでしょうか。
イスラエルの若者が兵役を拒否したことが話題になったことがありました。日本でも戦中に兵役を拒否した日本人がいました。武器を手にして守る平和の無意味さを行動で示した例なのではないかと思います。
また、ゲリラの訓練を取材したテレビ番組で、小さな少年が銃を撃つ様子を見たことがありました。この子の両親は、敵の空爆で殺されたそうです。この子にとっての平和とはどんな世界なのでしょうか。悲しみや憎しみの中で銃をもつことで、何が生まれるのでしょうか。
真の平和は、武器や軍事力から決して生まれないもの。やはり心の中に平和の砦を築くことから真の平和の枠組みをつくっていく必要があるのではないかと考えます。基地をどこに移転するかではなく、基地のない軍事力の枠を越えた平和の大切さを強く感じます。