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大河ドラマ いだてん 考

2019年05月07日 19時53分51秒 | 文芸・アート
3年前にリタイヤしてから予想通りというか、TVを見る時間が多くなった。見ながらブツブツ文句を言うので、横にいる家内に嫌がられる。「黙っててよッ」。 それでも、ブツブツ。面白い番組も多いが、イラ立つ番組も多い。「そんなことあり得ないだろうっ」。ま、もうそれは見なければ済むのだが。しかし、イラ立つ番組が多くなると、世の中全体にハラが立ってくるので穏やかではない。これ老人の兆候だね。

で、見ながらブツブツ言うより、いっそ自分のブログで吐き出したほうが、周りに迷惑をかけないかも。自分も溜め込まずにスッキリするかもしれない、ということでTV番組へのブツブツを書いてみることにした。もちろん感心した番組についても書いてみるつもりだ。

自分のストレス発散が主目的だから、あらかじめお断りしておくが、私のブツブツへの批判は遠慮願う。よくあるのは「何も知らないくせに、偉そうに」的な反論というよりも理屈なしの反発だ。しかも「通りすがりの者」と匿名性を確保したうえでだ。あらかじめ言っておこう。批判したいかたは当ブログを言及して構わないから、自分のブログでやってくれ。そもそも当ブログは私的ブログ。嫌なら読まなければ良い。


さてさて、前口上が長くなったが。しょっぱなに取り上げたいのは、NHK大河ドラマの「いだてん」だ。



本日GW明けで、過去二週間の視聴率がドバッと出た。第16回4月28日が7.1%、第17回5月5日が7.7% でとうとう7%台に陥落してしまった。特に7.1%は、大河史上の最悪記録だとか。

「いだてん」の視聴率が他の大河ドラマに比べて低いのは当初から話題になっていた(笑)。

・二つの時系列が並行して、わかりにくい。
・主人公らしき人物も、金栗四三と落語家が交互に出てきて? 関連性も見当たらない。更にタケシも解説に加わり何のこっちゃ?
・金栗三四といっても、Who is he? でそもそも関心がもてない etc

さまざまの理由が指摘されてきたが、ボクには全部当たっていると思う。

一番大きなミスは、宮藤官九郎(クドカン)の脚本自体が面白くないということだろう。
中村勘九郎演じるいだてんを、純朴かつコミカルに演じさせようとしたのだろうが、じぇんじぇん可笑しくない。ヒエーと冷水をかぶるシーン、間違ってフンドシ姿を綾瀬はるかに見せてしまうシーン、前だけを見つめて手を振らずに走る走法、みんな笑いを誘うとクドカンは期待したシーンだろうが可笑しくなくて、いだてんは可哀想に、アタマが少し悪い知恵遅れの青年に見えるだけだ。はっきり言って小手先だけのコミカルシーンの演出を連発して、ボクは演出者は視聴者をバカにしてるとハラを立てている(笑)。

金栗四三はベルリンオリンピックが中止になったあとも、アントワープ(16位)、パリ(途中棄権)オリンピックにも出場し続けた、むしろ悲劇の部分を中心に描いたほうがよっぽど感動を呼んだであろう。

二番目のミスは、中村勘九郎の演技。アタマが弱いイメージは脚本がそうなのだからしょうがないとしても、細かい心理表現ができてない。ベルリンオリンピックが中止になったと聞かされたときの四三の表情。目を見開いてはいるが、のべーっとした表情のままだ。もう少し驚き、動揺、悲しみ、怒りの心理を交錯せんかい。たぶん歌舞伎役者の演技は、大げさな表情に終始するから、そもそもドラマでの微妙な表情変化は無理なのでは。

三番目の、一番大きなミスは「いだてん」が国営放送の国策オリンピックそんたくドラマだということだ。来年のオリンピックを盛り上げるために、過去のオリンピックの歩みを総花的に盛り込んで製作したため、鑑賞に堪えるドラマにはならない。視聴率が低くても、NHKの経営委員会は「よくやってくれた」と任命権をもつ内閣総理大臣に褒められることだろう。
これもあらかじめ言っておこう。ボクは初めから東京オリンピック開催に反対だ。今日本に必要なのは「パンとサーカス」ではないゆえ。



参考ニュース:「NHKいだてん視聴率が大河ワーストの7.1%」