夜間開館で、花の画家ルドゥーテ「美花選」展に行ってきました。
やはり創造していたとおりで会場にいる観覧者のはほとんどが女性でした。やはり、お花ですからね。これは納得です。
さて、会場に入るとお花ばかり。(もちろん版画ではあるんですが)
冒頭からしばらくは正直ちょっと退屈。いや、それになりに楽しめるのですが、単にボタニクルアートの展示だなあと。
ところが「美花選」になるか否や、花の立ち位置までがまるで変わってきます。
これまでは写実ベースの記録としてのものだったのが、花たちがさも自分が主役だと言わぬばかりの存在に変異しているのです。
なんというんでしょう、いい色香を感じるです。一枚一枚に。
どの花も表情があるかのよう。
キメの細かい描写には執着を感じるのだけれども、それをはるかに凌駕した美意識。
分析>再構成~創作。
そして、見せ場は続きます。
バラがいっぱい。
バラ図譜のコーナー。
でも、この描かれたバラたちはふつうにわたしが創造してたバラとちょっと違う。
もっとこうシャープで花びらが硬質なイメージだったのです。
この違いは当時と現代の時代による、西洋と東洋の地域による、品種の違い?
ルドゥーテのバラは丸みを帯びててまるでキャベツみたい。
(※もちろん全て全てがそうではない)
存在のあるそのたたずまい。かわいいけどもそれよりも生々しさのほうが勝っているように思いました。
その後、など東洋の植物。
アジサイが登場してるのがなんとも嬉しい。
そして、果物。
こちらでふと気づいたのは初めてここで葉の虫食いが出てきたこと。
それまでの図鑑などに載せたものはどれも瑞々しい健康的な緑のはっぱ。
なにがしかの意図がどのようなものだtったのか興味の沸くところです。
エキゾチックな植物。こちらはちょっと見慣れないものが多くてどこか怖い感じも。
続いての「バンクス花譜集」。
キャプテン・クックの探検航海に参加したバンクス編纂。
ところがこれはあえてそうしてるのですが葉っぱなどがメッシュのような表現になっててなんとも違和感を感じるです。
当時のもののはずなのにどことなく現代的で逆にあまり惹かれないという妙な感じ。
デザイナー 吉谷博光氏による空間演出とのことで、このコーナーのサロンは他とは違う趣き。
なかでもこれが一番、見栄えがよかったです。
はっとする美しさ。
そして、べラムに描かれた水彩画。
この色の澄んだ感じはやはり他とは違いますね。
ラストの「花言葉」。
ここだけ、うーむという感じ。いきなりデパートの展示よりひどくなっちゃってる。ほんと見せ方だけなんですがね。。。
ともあれ、トータルとしては大満足のお花三昧。
あさって7/3まで!