土曜日の夜は21時まで開いてるBunkamura ザ・ミュージアム。
渋谷でちょうど20時すぎ。
うん、これなら見られるなと思い、青春のロシア・アヴァンギャルドへ。
初日とは言え、雨の夜にひとはまばらでした。
のっけから意外なシャガールに会えてびっくり!
「ヴァイオリン弾き」マルク・シャガール
ね、すごくまともに見えますよね。もっとも左奥に馬車が空飛んじゃってますが。
いつものよく知られてるシャガールのあのぶっとんだ感じまでは行っちゃってません。色彩も落ち着いています。
あと、なによりも、輪郭の線の出し方がくっきりはっきりとしてますよね。
同じシャガールでこちら↓も気になりました。
「家族」マルク・シャガール
やたらと女性や奥さんが登場しまくるシャガールの絵。
でも、こんな阿修羅男爵状態で左が妻、右が夫なんてのは初めてみました。
確かに家族の最小単位。背景の色はすごくシャガールっぽいのですが、この二人の目がちょっと違うなあという印象でした。
今回初めて見たニコ・ピロスマニ。
4部構成のうちのひとつを「見いだされたピロスマニ」として10点の作品を紹介していました。
「宴にようこそ!」ニコ・ピロスマニ
これ、括弧書きで居酒屋のための看板となってました。
こののっぺりとした塗りが独特なんですよね。裏ルソーみたいな。
なんでも、絵の具を自作してたとか。
他の人物画でもこの肌の白さは異様でした。
あと、ピロスマニは動物シリーズが何点かありました。
「雌鹿」はとても目がとてもかわいくて、ああこういうタッチが好きなんだなと思ってたら、最後にとんでもないのが。。。
「小熊を連れた母白熊」ニコ・ピロスマニ
ひょえー!
なんじゃ、この熊は。
口の裂け具合が怖い。
小熊の肩のはったポーズでちょっと違うのではあるけれども、三沢厚彦さんの動物彫刻がふっと頭をよぎりました。
江戸の絵師たちが虎をみたことなくって、毛皮や模写で描いてああなったのと同じなんでしょうかね。気になるところです。
「刈り入れ人」カジミール・マレーヴィチ
ポスターやチラシなどに使われている「農婦、スーパーナチュラリズム」と通じてますが人物の位相が全く違っています。
なんでしょう、この造作の面白さ。
これだけキレイな色で農村テイストいっぱい。
だのに、手に釜を持つ君はむしろブリキのかかし。
この顎の処理がマンガですね。ほんと、見て笑ってしまいましたから。
あと、マレーヴィチでは「冬のモティーフ」がよかったです。
キューブ系の風景。
雪の中、バケツを持った人物が2人。
白に朱の色彩感覚が素晴らしくハマってました。白は雪だから分かるのですが、そこに朱を持ってくるのがちょっとすごい感覚だなあと。
とまあ、思ってたよりも見所満載の内容でした。
8/17まで。
白熊、やばかったです。
視界に入った瞬間の「ええ!」って感じが忘れられません。
>農婦の純朴さとキュビズムの見事な融合。
これ、ありそうでないんですよね。
洗練されててすごくハマリました。
白熊は解説がなければ、何の生き物か分かりません~
農婦の純朴さとキュビズムの見事な融合。ステキでした。