あお!ひー

叫べ!いななけ!そして泣け!雑多なことを書いてみる。

町田久美─日本画の線描(高崎市タワー美術館)

2008-06-28 22:49:46 | アート系


今日は土曜日だというのにお仕事でした。

といっても、立ち会いだけなのでそんなにはかからないだろうと。

そう思ってたらちょうどいい具合にお昼前に終わってしまいました。

場所は横浜。

横浜美術館も行きたいのですが、今日から始まった「町田久美─日本画の線描」を見に行くことにしました。

なんと湘南新宿ラインで2時間ちょっと。

ぎりぎりでお弁当を買ってグリーン券の手続きをSuicaで完了。

お腹を満たしてビールを飲みつつ、高崎へ。

高崎市タワー美術館はほんと一見するとただの高層ビル。

でも、ここはすごく雰囲気がよくて好きな美術館です。

今回は入口にもこんな装飾が。

「関係」の握ってる側がえぐられてるあの手です。

4階の大部分は、第1部 日本画の線描。

上村松園の「小町の図」、これしぐさがやばいです。

感情がすごく出てて、もうポーズとかたまりません。

こういうの収蔵してるというのは美術館にチカラがあるっていうことだと思います。

下村観山の「高士」はやはりはっとなります。

視界にはいってくると、反応しちゃうんですよ。観山てそんな絵が多いですね。

中村岳陵の「童謡」。子供の着物のラインの出し方が今回のテーマ的に納得。

浮かび上がり方がちょっと独特だなあと思いました。

この第1部だけでも見るべきところが多かったです。

ちょうど、学芸員の方の解説が始まって間もなくだったので、合流しました。


4階の奥からが第2部 町田久美。

全部全部は書ききれないので気になったポイントのみ。

今回、すごく注意して見られたのは、やはり町田さんの技術の高さです。

すごく細かいのですよ、実物たるや。

もちろん、以前にも見てるのですが、今回は解説を聞いた後ということと、以前に比べてささやかですが自分の眼が肥えてきてるなあと。

特に「訪問者」の髪の毛の細かさ!

地道に積み重ねたものの成果のすばらしきこと。

あと、町田さんの作品て、感情を押し殺して描いてるというだけあって、見ててすごく真っ白な状態で見られるんですよね。

うまく言い表すのが難しいな。

最大公約数を見せられて、その公式を解かさせられようとするのだけども、決して100%の正解は見つからない。

その宙づりにされていることの不安が常に残るのですごく印象が強いのだと思います。

すごく気になった作品がありました。

「入場」

頭からすっぽりと白いのを被った人物が横向きで体を折り曲げている。

柔軟だろう。手はつま先に、頭は膝にくっついている。

頭から細い線がふわりと出てて、画面左の上方へ立ち上っている。

この線がいつもの黒い太い線ではないんです。

もっと細くて繊細で色が金とも銀ともつかぬ色。

リストの材質の欄を見てみると、他の作品ではあまり見られない「金泥、色鉛筆」が加わっているのです。

あの立ち上るラインは忘れがたいなあと思いました。


図録は1000円。

今回、展示された町田さんの作品が網羅されています。

この絵は「来客」の一部。今回のメインビジュアルとして使われていました。

大原美術館の滞在制作で、一面の作品では一番おおきなものだそう。

大きさがあるのがいいですね。

西村画廊のカタログはちょっとちいさいですから。

あと、うれしかったのはポストカード。


なんと8種類。

左上から「きざし」「登山」「留守番」「深夜帯」。
左下から「装置」「夜の出来事」「ごっこ」「来客」。
※「ごっこ」は天地逆でした。

でも、これはあくまでオリジナルを見た時の記憶を引き出すためのアイテム。もしくはその見たという記念。

さて、昨年の「日本画ってなぁに?」の時のように、今回もポスターの販売があるんではと踏んでたのです。

ところがポスター販売中とか書かれていないのです。

あれ?

このポスター、売ってないのかな?


そう思って、係のひとに聞いてみました。

なんと、希望であれば無料で頂けるとのこと!

おおー、太っ腹です。ということで頂いてきちゃいました。

去年のポスター100円でも安いと思ってたのに。

なんでも方針が変わったとのこと。

高崎市さんすばらしすぎます。

さすがに遠いのですが、この美術館はこんなふうに印象がいいので、また訪れてみたいと思います。

8/24まで。

<町田久美さん関連記事>
町田久美(西村画廊)
No Border 「日本画」から/「日本画」へ トークセッション(東京都現代美術館)
「日本画」から/「日本画」へ(東京都現代美術館)

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9 コメント

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Unknown (あおひー)
2008-08-17 23:34:10
こんばんわ。
いえいえお返事ありがとうございます。

あの構成はよかったです。学芸員の方の説明も分かりやすかったと思います。

やはりテクニックあってのあの絵だなあと思いました。
みててはっとする瞬間。やはり技術に裏打ちされているからこそです。

図録はあの価格だと購入しやすいですね。
やはり総じて良心的なのだと思います。
返信する
Unknown (はろるど)
2008-08-17 23:00:19
こんばんは。お返事が遅くなりました。すみません。

町田さんが近代日本画のあとに連なるという形がまず新鮮でした。
それに仰るようにあの技術、本当に素晴らしいですね。
大作でも空間に緩みがないのが凄いなと思います。

図録、私も即買しました。1000円とは思えません。

高崎タワーははじめてでしたが、仰るようにとても雰囲気が良いなと思います。係の方もとても親切ですよね。また行きたいです。
返信する
遠いですが行く価値ありですよ (あおひー)
2008-07-01 06:58:34
>kinoさん
そうそう高崎出身なんですよね。
昨年の「日本画ってなあに?」の時もメインビジュアルは町田さんの「郵便配達夫」でしたから。

1500円だと躊躇しますが、入場料が500円図録が1000円とすごく良心的でした。

その時の展示のポスターが無料ってちょっとこれまでに聞いたことがないのでびっくりしました。

>うれしい^^ がんばります。
kinoさん、がんばれ!そう思える心の素直さが大事ですよね~。

>ogawamaさん
ちょっと時間はかかりますが乗り換えなしだったので小旅行気分。
余裕があればしゅうまい弁当を調達したかったです。
返信する
なるほど (ogawama)
2008-06-30 23:21:09
湘南新宿ラインという手もあるのですね。
前橋出身なのに知らなかったです!
返信する
町田さん (kino)
2008-06-30 21:08:43
町田さん、高崎出身らしいですね。
だからこんなにまちぐるみで応援されてるのかなって。

しかし1000円の図録って素敵~。
ポスターももらえるなんて!(私もちょっぴり集めてます)
是非早めに行ってきますー。

追記・ブログのほうにあたたかいコメントありがとう
ございました!うれしい^^ がんばります。
返信する
コメントありがとうございます! (あおひー)
2008-06-29 23:03:52
>Takさん
もう我慢出来なくって初日に行ってきちゃいました。
判がそこそこの大きさなのでこれで1000円は安いなあと思いました。

>KINさん
すみません、煽ってしまいました(笑)
でも、行ってよかったでしょ?
37点もの町田さんの作品に囲まれる機会はそうそうありませんからね。
わたしがリストに細かくメモを取ってると、係のひとがちゃんとクリップ付きのボードを渡してくれるなど、総じて素晴らしく親切な美術館でした。

>palpalさん
去年の展示もかなりツボだったので、今回は絶対に行こうと決めてました。
7/12には町田さんのトークが聞けるのでこの機会に行くとよいですよ。
あおひーはこの日、関東に居るかどうか定かではないんですよね~
そういう理由もあって、初日に行ってきちゃいました。
返信する
行きたいです (palpal)
2008-06-29 22:47:59
去年、あおひーさんの記事を拝読して、
町田さんの作品て素敵だなーと思っていました。
今年も高崎で開催されているのですか。
ポスター、頂けるようになったなんて、本当に太っ腹ですね。
8月末までなら行けるかもしれないので、予定を組んでみたいと思います。
返信する
ああ、 (KIN)
2008-06-29 22:02:05
こちらの記事に煽られに煽られまくって、今日行って来ました。
町田さんの絵に囲まれた空間、良かったです。
美術館の人が凄く親切で本当に良い感じの美術館でした!
返信する
1000 (Tak)
2008-06-28 23:34:56
こんばんは。

図録1000円はお買い得ですね!
それにしても早い!!
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