先日からずっと行こう行こうと思ってた、「ヘンリー・ダーガー 非現実の王国で」を見てきました。
先週の土曜日だったのですが、シャネル「モバイルアート」~チェ・ウラム「anima machines」(SCAI THE BATHHOUSE)~川島秀明 展 "wavering" (小山登美夫ギャラリー)とフルで回ったあとに、この映画。
もっとも、その後にまた季織亭で飲んでたりするんですが。。。
死ぬ間際になって、当時の大家さんによって発見されたヘンリー・ダーガーの「非現実の王国で」。
15,000ページを越える小説で、数百枚の挿絵とともに発見されたという。
つまり、ほんとに誰にも見せる気がなくって、ずっと自分のためだけに作成されたものなのですよ。
スクラップした新聞や雑誌をなぞってみたり、写真にして引き延ばしたり、考えつく限りのいろいろな手法を発見し実践してる。
この人、もし絵が上手かったらここまでオリジナリティの高い作品は出来なかったと思います。
画面に並ぶ少女たちのバランスがおかしいんですよ。
手書きのとコピーしたのとでムラがあっていびつ。でも、色調がうまくあっててその世界は破綻なく(かなり危なっかしい雰囲気はありつつも)描かれる。
もっと、毒々しい感じが残るかと思ってたのですが、きちんと対象を冷静にみつめたドキュメンタリーになってます。
でも、ダーガーの生い立ちと「非現実の王国で」の挿絵と物語がクロスオーバーして映画は進行してく。
しかも、挿絵がちゃんと動く!
やり方が下手だったら、かなりがっかりするはずなのですが、ダーガーの数奇な運命とあいまってハマってました。
これ、製作したひと、かなりの腕前ですよ。
こういうバランスのドキュメンタリーって見たことがありませんから。
ダーガーに少しでも興味があるのなら是非、見ておいたほうがいいですよ。
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原美術館の展覧会も行けなかったし・・・
今年は悔いなくいろいろ見にいくつもりです
あおひーさんに負けないくらい(笑
あおひーさん、うまいですねー。
もう、これは行っとくしかありません。
あとで見たい!と思ってから、DVDが出るまでに待ちきれるかが問題なんですよね。
でも映画は出来るだけ劇場で見るほうがいいような気がします。
>ogawamaさん
原美術館、圧巻でしたね。
ただ、あのあれはすごく生々しいイメージでしたが、この映画はすんなりと見ることが出来ました。
そっか、映画は匂いがしないんですよね。きっと、それが原因のような気がします。
原美の、あの絵の具と古い紙の匂いとか、ナマ絵にこもった怨念? みたいな気(毒気?)とか……。
えらく「あてられた」のを思い出しました(´・ω・)
映画ですとね。
画面はおっきかったですが、そういう「禍々しさ」みたいなものがずいぶん緩和されてましたね。
「ダーガー少女殺害疑惑」は背筋が凍るかと思いました。
でも美術手帖読み返したら、会田誠がバッチリそれに触れてました。
「僕の中ではダーガーは完全なクロです」
とか書いてましたwwww
>そういう「禍々しさ」みたいなものがずいぶん緩和されてましたね。
技術が進化して、映画で匂いとか再現可能だったら見たくない映画No1かも。
あんなやばい絵を描いたひとですから何とも言えませんね。うーん、真相はいかに?