記事にするのが遅くなってしまいました
実は先々週に訪れていた大山崎山荘美術館。
山口晃さんの展示でなおかつ、よさそうなロケーション。
つくなり、こんな雰囲気のある小道です。
いやが上にも期待が高まります。
勾配をしばらく歩いて、ようやく美術館の建物にたどり着きました。
これでホワイトキューブだったらたぶん、がっかりですよね。
こういう建物が待ち構えてるというのがいいのです。
もっと作品数が少ないのかなあと思ってたら、結構な点数で満足のいく内容でした。
気になった作品を挙げてみますね。
「大山崎交通乃圖」
ぜんまいで動く車のばねスタンドが素晴らしい!
エコっていうとちょっとおしつけがましい雰囲気もありますが、こういう可笑しみのあるタッチで軽やかに見せてくれますね。
「産後の晩餐」
まさかお侍さんでこのモチーフを描くとは!
しかも構図はまんま真似でなくって、すごく立体的な構成。
しかし、なんで小さいひとが描かれちゃってるんだろう。。。なぞでした。
「川圖」
川の絵ですが、かわず=蛙にかけています。
何よりもフラクタルちっくな波頭の描き方がツボです。
江戸絵画でさんざ描かれた波頭をこういうタッチで自然と描けるのって山口さんだけではないでしょうか。
「緑の台所」
すごくいいタイミングだったみたい。というのも窓からの夕日がガラスを通してプリズム分解された赤緑黄の光がキャンバスに当たってたのです。
この色とのハーモニーったら。
これが計算だったら相当にすごいいなあ~。
あと、新館地下での「壁面見立」シリーズがおかしかったですね。
コンクリートの打ちっぱなしの壁のかすかな濃淡を「カニ」だったり「二十面相」だったりのフォルムに見立ててしまうというもの。
何よりもおかしかったのは係りの女性が大真面目にこの解説をしてくれること。
モネの「睡蓮」のよこに垂らした簾を「垂簾(すいれん)」なんてタイトルにしてるのを説明してくれてるのがよかったです。
大満足で終館まで楽しめました。
最後に売店に行ってみたら、なんと終了10分前に終わってました。
これはちょっと悲しかったなあ。
図録とポスターはどっちか欲しいなあと思ってたんですがね~。
3/8まで。
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