あお!ひー

叫べ!いななけ!そして泣け!雑多なことを書いてみる。

川合玉堂展(山種美術館)

2007-10-08 23:08:14 | アート系
前回、とても楽しむことが出来た山種美術館に行ってきました。

今回は川合玉堂展です。

まずは気になった作品をピックアップ。


「猿」

猿の日本画と言えば森祖仙ですが、玉堂の描くお猿さんもなかなかのものでした。

なんせ人間さながらの表情豊かなところが心をつかまれてしまいますね。

猿たちはきっと楽しく戯れていたんだなあという雰囲気が伝わってきます。


「虎」

迫力満点でしたよ、この虎は。

江戸時代に描かれた虎は毛皮を見て描いたものか模写だったのでいまひとつリアリティーに欠けていたのですが、この虎は見事なものでした。

特に顔の描写は素晴らしいのです。

ところが、体の塗りは実に大胆なタッチ。

顔の緻密に描いてるのと比べるとギャップがあるのです。

ところがどうしてこのバランスの悪さのおかげで視線は厳しい表情の顔に集中するのです。


さて、奥の部屋に進んでみると、とんでもない作品が3つも並んでて印象に残りました。

「早乙女」

一つ目はこちら。

空間の使い方がとてもいい感じ。

あぜ道のぼんやりとした描き方もうまくハマっています。


「荒海」

二つ目はうってかわって厳しい感じです。

解説によればこれは規制の厳しかった戦時中に描かれたものだとのとのこと。

波しぶきが生きているようでした。

あまりにしっかりと描かれた波頭の部分はそれだけで抽象絵画に出来てしまいそう。

飴のようにどんよりと質量をもった物体がそこにあるって感じが不気味なくらいでした。


「石楠花」

これで「しゃくなげ」と読むとは知りませんでした。

くっきりと描かれた前景、これに対してぼんやりと描かれた背景。

技法でここまでコントラストを活かしてる!

まるで手間だけピントのあってる写真のようでした。

玉堂のテクニックには脱帽でした。

絵はがきでまとめようかとも思ったのですが、今回は図録も購入しちゃいました。


とは言ってもこの図録、サイズは小さいし値段も500円。

これでは買わない理由はありませんね。

重くもなく場所もとらずしかも安い。

やっぱり山種美術館はセンスあるなあと思いました。
コメント (4)
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