短編小説 1
三車火宅
作 中道 進
文雄は会社の終わった後はスナックへ行くのが日課であった。
文雄 ママさん、度がある酒をくれストレートだよ、氷はすくないのでいいよ。文雄は仕事を忘れるように酒を飲んだ。
ママ 文さん、体は大丈夫なの 激やせよ 医者に行っているの
文雄 つまらない人生だ 酒で溺れるのが一番さ
ママ 命は大切よ
文雄 ははは 長生きか あほらしい
ママ 先日 三好さんがきて競艇で20万円儲けたといって、あなたを探していたわ。
文雄 ほうー。20万かすごいな。しかし、何か俺に用事があるのかな。
この店はカンターで椅子が10ほど小さな店であった。お客も常連が多く飲んでいるうちに意気投合して友人となるのもいた。
翌日、土曜日にスナックに飲みにいった。三好がすでに来ていたのだった。
三好 おー^ふみさん、待っていたよ。おごるから飲んでよ。
文雄 三好さん、私を探していたと伺っていたけど
三好 儲けたんだ 大穴を当てたんだ。競艇12レース、優勝戦で勝ったんだ。ははは。おごるよ、飲んで、ママ、ふみさん、お酒出して。文雄は三好の隣に座り、三好の言葉を理解し酒を飲んだのだった。
三好 ふみさん 聞いた話だが体がだいぶ悪いと。
文雄 たいしたことはない。
三好 酒もよいが、競艇は面白いよ、当たれば金儲けができるし。行きましょうよ 面白いですよ。
三好は文雄の体を考え競艇に誘った。競艇をやれば、酒に溺れず体もよくなるだろうと考えて誘った。
文男 面白そうだが、断る。ギャンブルもよいが、酒もよい
文雄はギャンブルが怖かった。それより、酒を飲み仕事を忘れたいと思った。
三好 儲けるよ 競艇は競技者も少なくレースも真剣に戦っているので面白い。
次月へ続
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます