平和の歌・核兵器絶滅へと戦った英雄の歌

トップページに平和の歌が投稿

短編小説    希望を持つ男

2008年09月13日 | Weblog
 飯塚 ははは、やめられん、高給取り、ボーナスは高額。貧乏人相手にできんよ。
 会田 ここですね。住民票の受付は。住民票お願いします。
 飯塚 はいはい。お金かかりますよ。持っていますか。
 会田 たかが、100円だろう。そのくらいあるよ。
 飯塚 みしてください。何しろ最近、世の中が物騒であるし、仕事していないのも多いいようで。
 会田  はいよ。100円だ。 君は役人なるの大変だったんだろう。はいてしまえばしめたものだな。後は遊びか。
 飯塚 ははは、なにをおしゃいます。私らはエリートなんですよ。出来が違います。頭が違います。
 会田 週末には豪華な食事か。給料はたっぷりか。
 飯塚 生まれが悪かったんですな。あなたの予想はできますよ。これからも職業なんでしょう。その年で職業は大変でしょう。食うのも大変でしょう。
 会田 君は、それで多くの人を傷つけてきたのか。エリートぶったってしょうがないぞ。俺は希望をすてない。最後まで希望を持つ。嵐が来ようと、馬鹿にされようと希望は捨てないぞ。
 飯塚 うはははは、あきらめろ、ははは。
 会田 捨てん、希望は捨てない。君は何も知らんな。財というのは心にあるのだよ。心だよ。心の問題なのだ。だから、億万者も悩みで苦しんでいるのだ。君こそ心の貧乏人だ。かわいそうに。               中道 進