Annabel's Private Cooking Classあなべるお菓子教室 ~ ” こころ豊かな暮らし ”

あなべるお菓子教室はコロナで終了となりましたが、これからも体に良い食べ物を紹介していくつもりです。どうぞご期待ください。

ダマスクローズ 155

2020年12月06日 | ダマスクローズをさがして ― Ⅲ

5.  溶剤抽出法

植物のような(電荷を帯びていない)非極性の化合物にはヘキサンのような極性の低い溶媒を使って効果的に抽出します。この抽出液をろ過し、蒸留により濃縮してコンクリート (香料)と呼ばれるろう状の塊を作ります。ヘキサンより極性がある香り成分はコンクリートからエタノールに抽出されます。エタノールを低温で真空蒸留して除去蒸発すると、この中に溶けていたアブソリュート(油)が残ります。(溶剤抽出法で得られた製品はエッセンシャルオイル(精油)ではなく、アブソリュートと呼びます。)

このように、アブソリュートは、熱や水によって精油成分が損なわれることがないため非常に良い香りがしますが、溶剤抽出にきつい化学薬品を使用するので、残留物が必然的にアブソリュート内にも存在し、肌が荒れる可能性があります。従って、アブソリュートはマッサージには適していません。アブソリュートオイルにはさまざまな程度の化学汚染物質が含まれているので、それらを摂取したり、肌に直接塗布したりしないでください。化学物質が、皮膚の炎症やアレルギー反応を引き起こす可能性があります。

一般的により環境にやさしい、または全体的な製品を求めるなら、純粋な水蒸気蒸留エッセンシャルオイルを使い、適切なキャリアオイル(ローズ、イランイラン、フランキンセンスなど)で希釈することです。オイルを適切に希釈していれば、問題は発生しません。

 

アブソリュートとは、花から石油エーテルやヘキサンを使って抽出したコンクリートをエタノールで再抽出してでき上がった精油のことですが、花のアブソリュートをとくに花精油と呼びます。例えば、ローズアブソリュート、ジャスミンアブソリュート、チュベローズアブソリュートなどがあり、その他にバニラアブソリュート、オークモスアブソリュートなどがあります。

  1. ※ 超臨界二酸化炭素抽出法( supercritical carbon dioxide extraction )

1970年代に開発された新しいエッセンシャルオイル(精油)の抽出方法です。水や二酸化炭素に温度と圧力を与えていくと、ある時点から気体と液体の両方の性質を持った状態が生まれ、超臨界流体になります。二酸化炭素の場合は、31.1℃、圧力75.2 kg/cm2以上の状態の臨界点である温度の状態にすると、温度や圧力を僅かに変化させることで密度が大きく変化する特徴を生かし、圧力を下げたり、温度を上げて低密度の状態にし、圧力を緩めて再び二酸化炭素を気化すると、エッセンシャルオイル(精油)分だけが残ります。超臨界流体は密度は液体に近いが、粘度は気体に近いので分離に要する時間が短く、低温で効率のよい抽出ができ、CO2は抽出されるオイルと化学反応を起こさず、無毒、無色、無臭で低温に保たれています。その為、天然のもつ微妙なニュアンスが再現できます。又、超臨界抽出法では、水蒸気蒸留では分子が大きすぎて取り出すことのできない成分も抽出することができるため、自然の植物中に存在している状態に極めて近い形のままの上質なエッセンシャルオイル(精油)を得ることができます。又、抽出条件を変えることで、同一素材から異なった香りのタイプの抽出物を得ることが出来ます。グレープフルーツ、ブラックペパー、バニラ、ワサビなどの食品香料を中心に応用が進められています。

https://www.sccj-ifscc.com/library/glossary_detail/1076 から

 

      

二酸化炭素は温度と気圧を変化させると、固体、液体、気体と変化し、31℃、72気圧を超えると気体でもない液体でもない物質に変化します。二酸化炭素は31℃という低温で超臨界二酸化炭素に変化するため、用いる物質に熱変化を起こさせずに自然に存在している状態で植物から精油を得ることができます。

 

 

 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿