鹿寄せ見物の人たちが時間の経過とともに増えてくる。
子供たちの中から、ホルンを持ったお兄さんに、「何処から鹿だ出てくるの」 「鹿は 何頭くらいいるの」 「雄と、雌とどちらが多いの」etc その質問に丁寧に答えてやる。見ている人の中からは、笑いが起こる。 和やかな待ち時間である。
鹿寄せの時刻は10時とお知らせの立て札があったので、見学の人も、ホルンのお兄さんもその時刻まで待つ。
待っている間に、鹿に接する時の注意や公園にはゴミを絶対に捨てないようになど、鹿が食べ物と間違ってビニルの袋や、紙などの異物を食べたら、消化しないで病気の原因になることなど、分かりやすく話してくれる。 その間にも、近くにいた鹿たちがお兄さんの傍に集まってくるのは、もうすぐ始まるご馳走のことをちゃんと知っているのだろう。
10時きっちりに、お兄さんはホルンを吹き始めた。優しい音色が公園に響く。
ダッシュ! ダッシュ!(小さい画像をクリックして大きい画像でご覧ください)
待ってましたとばかりに、森の中のあちこちから走り出てくる。 その勢いは圧巻である。
みるみるホルンのお兄さんはシカの群れに囲まれてしまう。
ホルンを籠に持ち替えて、鹿の群れの中に、ぱぁ~と豆まきのように、撒くのはどんぐりだと説明してくれた。この日は丁度節分で、豆まきの日だったから、見物人の中から「どんぐり撒きだね」「福どんぐりだ」などの声がする。 どのしかも一斉に地面に撒かれたどんぐり拾いに夢中になって、頭を下げている。
一つの取り残しもなく鹿はどんぐりを綺麗に食べてしまう。「 毎日撒くどんぐりの量って多いでしょう。どうして集めるのですか。」 空になった籠を持ったお兄さんに訊ねた。「最初は近辺の人たちの協力で集めてもらっていたのですが、今では、全国各地から集めて送ってくれるのですよ。」とのこと。
奈良を訪れた人たちに愛され可愛がってもらうだけでなく、どんぐり集めの運動を広げてくれていることを知った。嬉しいことである。
奈良市内では、鹿の保護活動に、職員として、あるいはボランティアとして、多くの人が善意の活動を繰り広げてくれている。 また公園案内ボランティアの黄色いパーカーの方が、奈良を訪れる人に深くこの地を知ってもらうための、案内ボランティアをしておられるのを、この日はあちこちで見かけた。 私も鹿愛護のための募金に小さな協力をさせてもらった。
募金箱と同じシールを戴いた。
鹿寄せが終わった浅茅が原には、まだ去りがたい人たちが、鹿と写真を撮ったりしてこの日の思い出を残していた。またこの中から、どんぐり集めの輪が広がってくるかもしれない。
ホルンの音につられて 駆けて来る・・駈けて
来る・・たくさんの鹿達が走ってきました。
勝手な餌やりを反省しています。
本当に感謝です。
公園や参道に群れている鹿が、あれだけの勢いで飛んでくるのを、一度は見たかったので、その躍動感が、その日のエネルギーのもとになったように、歩き続けました。
素晴らしい”イベント”にびっくりしました。
疾走してくる鹿たちには迫力を感じますね。
青年に対する信頼感、観衆への信頼。
鹿が信じ切っています。
そこでの鹿に対する注意事項は、しっかり観衆の耳に届いたことでしょう。
ホルンのお兄さんへカメラを向けたanikobeさんの優しい目線。それを感じたであろう青年の表情が穏やかで実によかったです。
今日の雪は大丈夫でしたか。
こちらは冷たい雨が朝のうち降っていました。
奈良の鹿寄せは、観光シーズンがオフの時に考えられたようですが、もうすっかり冬の風物詩として定着しているようです。
テレビでは見たのですが、実際目にしますと、細い足で必死に走ってくる鹿がとてもいとおしく思いましたし、団体行動の迫力にも驚いています。
多くの人に好意と優しさに守られているのですね。
いま、全国で鹿がでて相当困っています、
昔の人の知恵にはかないません。
次第に、鹿と人とが共生できる環境になっているのが、奈良公園の鹿だと思います。でも、木の皮を、剥いで食べたりしますので、公園のそのような木には、みんな鹿の届く範囲は金網で覆ってあります。そのほか人としかとが共生できるような環境作りに愛護会の人達の活動もあります。天然記念物として保護されるために積み上げられた道筋の上に、野生化しないで公園の鹿として、多くの人に愛されているのでしょうね。