超人日記・俳句

自作俳句を中心に、自作短歌や読書やクラシックの感想も書いています。

内面短歌・鉱石標本

2024-08-08 19:32:00 | 自作短歌
暦では秋に入るが真夏日に町を歩いて蝉の只中

長いこと音信不通の待ち人と連絡が取れ胸は満ち潮

毎日は書けないけれど原稿を数枚書いて一歩進める

作文がいつ世に出るか分らない情報不足は身も細る程

いつまでも貫禄のある身にならぬ吾は鉱石標本を買う

年齢と共に手放すこと多く身軽になって前を向くだけ

一行を生きた詩情と見定めて書き進めても砂の一粒

存在が割り当てて来る命運を引き受けて聞く瀧の轟音

野の花を目にするたびに瞳には命の咲かす永遠の今




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