超人日記・作文

日々の随筆の合間に、短歌や俳句も登場します。

内面短歌・鉱石標本

2024-08-08 19:32:00 | 自作短歌
暦では秋に入るが真夏日に町を歩いて蝉の只中

長いこと音信不通の待ち人と連絡が取れ胸は満ち潮

毎日は書けないけれど原稿を数枚書いて一歩進める

作文がいつ世に出るか分らない情報不足は身も細る程

いつまでも貫禄のある身にならぬ吾は鉱石標本を買う

年齢と共に手放すこと多く身軽になって前を向くだけ

一行を生きた詩情と見定めて書き進めても砂の一粒

存在が割り当てて来る命運を引き受けて聞く瀧の轟音

野の花を目にするたびに瞳には命の咲かす永遠の今



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歳時記俳句・秋立ちて

2024-08-08 00:03:10 | 自作俳句
秋立ちて久方振りの暖珈琲
秋に入り書きかけの筆進めけり
立秋や皆淡々と為す仕事

初秋や残暑をしばし楽しまむ
秋めきて蝉音遠くなり始め
今朝の秋人それぞれの年後半

暑き日を終えて見上げる天の川
画家の眼に確かに燃える星月夜
流星の落ち行く先は誰の町

秋鏡洗い髪ごと映りけり
残暑なり冷房名残フル回転
町の奥乗馬倶楽部も牧閉ざす
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