望子のただいま稽古チュッ!

稽古、公演、プライベート
・・・オバサン役者、木村望子の日々。

ちょこっとウラ話・愛すべきキャラクター(その4)

2015-12-01 00:54:26 | 舞台・ウラ話

1日空いてしまいました
意味不明な方は、(その1)からお読みくださいm(__)m

  *   *   *

さて、

かっこいい見かけとは裏腹に、
みょ~にオバサンっぽい、中年役者のAさんが、

わざわざ楽屋に持ってきてくれた、でかい空気清浄機。

持ってきてくれたのはいいものの、

本番中に突然うなりはじめて、
汗だくでコードを引っこ抜いたり、ひと騒ぎ。


しかし、ご本人はそんなことは露知らず、
本番を終えて、戻ってきました。

「あれ、消しちゃったの?
 だめだよ、空気悪いんだからさ」

「あ、Aさん、これ、ちょっとまずいんですよ。
 本番中に大きな音がし始めて」

「そんなときはスイッチ切ればいいんだよ」

「いや、それが切っても止まらなくて」

「えーーー、そんなことないよ~。
 なんか、ヘンな使い方したんじゃない?
 ウチではぜんぜん平気なんだから」

「あ・・・、じゃぁ、誰かがヘンに使ったのかもしれません。
 とにかく、ちょっとこわいので」

「そっかぁ、じゃぁ、持って帰るわ。
 壊すと奥さんに怒られるしね」


うんうん、ぜひそうして下さい

いつもよりサラッと納得してくれたのは、
奥さんに怒られるから?

たぶん奥さんも、
何かとストレスたまってるんじゃないかな(笑)


しかし、とにかく、のんびりできない人なんですね。

なんでも一生懸命の人なので、
当然、芝居にも、ものすごい情熱を傾けます。


お掃除片付けモードから、
役者モードに切り替わったとたん、

背中に炎が見えるような、熱い男に大変身!

もう、それはそれは、
ヤケドしそうに熱いのです。

そして、ここからがまた、ややこし・・・、
あ、いや、ムニャムニャ、
とにかくイロイロとやってくれるのです。


まず開演前、

口の中で、ずっとセリフを復唱して、

「よーし、大丈夫だっ! 頑張るぞ!
 どんな小さい役でも、バックボーンを考えなきゃな。
 お前、わかってるか?」

と、楽屋で隣の席のB君へ。

B君はさわやか系の若手です。


「おいB、わかってるか?」

「いや、もう、わかってますから」

「ホントか?
 お前、警官役で一瞬だけ出るときなんか、
 適当に手を抜いてないか?
 一瞬出るだけの役でもバックボーンを」

「いや、それはいいですけど、
 Aさん、もう出番ですよ」

「え? うわ、俺着替えてないよーーっ


「・・・だからさぁ

B君は、何度もAさんと一緒にやっているので、
<扱い方>を心得てるんですね(笑)



もう、とにかく何でも一生懸命。

だから人にもお節介、
あ、いや、アドバイスをしたくなっちゃうんでしょう。


もちろん、その熱心さは、
自分の演技にも、ありすぎるほどあって、


それがたまには、
ありすぎる、ことも、あって・・・。



   (つづく)






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