コソコソと着替えている私たちに、
「ちょっと!
ここでそういうこと、
やめてもらえません?」
と立ちはだかったド派手なオバちゃん。
そのいで立ちで、すぐにわかりました。
同じフロアーの別の部屋でやっている、
社交ダンス教室の人です。
(私、こういう衣裳がほしかったのよね~)
ととと、そんなこと言ってるヒマはない。
こういうときには、対応に慣れている、
私のようなベテランの出番です。
つまり・・・、
<とっことん、謝りたおす!>
これなんです!
小劇場を長くやっていると、
こういうことだけは達者になるんです(笑)
「申し訳ありません!
今だけ、ちょっと、のつもりで、つい。
本当に申し訳ありません!
すぐに、どけますので。
ただ、あの、今ちょっと途中なので、
本当に申し訳ありません!
もうちょっとだけ、
あ、でも、ホントにすぐですから。
申し訳ありません!!」
意味不明?
はい、その方がいいんです。
あんまりクリアに言うと、
「ああ言ったじゃない」と言われるから。
それよりも、とにかく謝る。
ひと言やふた言じゃダメなんです。
土下座でもしかねない、激しい謝り方じゃなきゃ。
それをやってこそ、こういうオバちゃんは、
優越感をもってくれるんです。
とはいえ、こっちだって、通し稽古の真っ最中。
この衣裳の山をどけるなんて、できっこないし、
そんな気は、最初からサラサラない(笑)
また来たら、また謝り倒して、
とりあえず、通し稽古を乗り切ろう、
最初っから、その予定でした
とは言うものの、
いつ怒鳴りこんでくるかと、
内心ヒヤヒヤしながら、
芝居を続けたのも事実です。
でも、ぜんぜん、何も、言ってこない。
やれやれ、とりあえず、
あれでおさまったのか、とホッとした、
中盤を過ぎたころでした。
例のフリースペースで、
いよいよ荷物をとっ散らかして、
(片づける時間がないのだ!)
私たちオバちゃんが、
何度目かの着替えをしていたとき、
また、さっきのオバちゃんが現れたのです!!
(うげっ)
ところが、
オバちゃんの顔には、満面の笑みが。
(え? なぜ?)
(つづく)
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