望子のただいま稽古チュッ!

稽古、公演、プライベート
・・・オバサン役者、木村望子の日々。

番外ウラ話・稽古の日々<本当に怖いオバちゃんの話・その2>

2015-05-25 12:37:21 | 舞台・ウラ話

コソコソと着替えている私たちに、

「ちょっと!
 ここでそういうこと、
 やめてもらえません?」

と立ちはだかったド派手なオバちゃん。


そのいで立ちで、すぐにわかりました。

同じフロアーの別の部屋でやっている、
社交ダンス教室の人です。

(私、こういう衣裳がほしかったのよね~)

ととと、そんなこと言ってるヒマはない。

こういうときには、対応に慣れている、
私のようなベテランの出番です。

つまり・・・、


 <とっことん、謝りたおす!>


これなんです!

小劇場を長くやっていると、
こういうことだけは達者になるんです(笑)


「申し訳ありません!
 今だけ、ちょっと、のつもりで、つい。
 本当に申し訳ありません!
 すぐに、どけますので。
 ただ、あの、今ちょっと途中なので、
 本当に申し訳ありません!
 もうちょっとだけ、
 あ、でも、ホントにすぐですから。
 申し訳ありません!!」


意味不明?

はい、その方がいいんです。
あんまりクリアに言うと、
「ああ言ったじゃない」と言われるから。

それよりも、とにかく謝る。

ひと言やふた言じゃダメなんです。
土下座でもしかねない、激しい謝り方じゃなきゃ。

それをやってこそ、こういうオバちゃんは、
優越感をもってくれるんです。


とはいえ、こっちだって、通し稽古の真っ最中。

この衣裳の山をどけるなんて、できっこないし、

そんな気は、最初からサラサラない(笑)

また来たら、また謝り倒して、
とりあえず、通し稽古を乗り切ろう、

最初っから、その予定でした 


とは言うものの、
いつ怒鳴りこんでくるかと、
内心ヒヤヒヤしながら、
芝居を続けたのも事実です。

でも、ぜんぜん、何も、言ってこない。

やれやれ、とりあえず、
あれでおさまったのか、とホッとした、
中盤を過ぎたころでした。

例のフリースペースで、
いよいよ荷物をとっ散らかして、
(片づける時間がないのだ!)

私たちオバちゃんが、
何度目かの着替えをしていたとき、


また、さっきのオバちゃんが現れたのです!!

 (うげっ


   ところが、

オバちゃんの顔には、満面の笑みが。

 (え? なぜ?)
 


   (つづく)




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