望子のただいま稽古チュッ!

稽古、公演、プライベート
・・・オバサン役者、木村望子の日々。

ウラ話・スタジオの日々・・・義援金

2011-05-17 14:17:49 | 舞台・ウラ話
 
公演中に集まった76,508円の義援金。

これのほとんどは、
公演を観に来て下さったお客さまからの浄財なのですが、
一部には、我々が出したものも入っています。

スタジオに置いていた、募金ボトル↓


この写真を見た限りでは、ただの募金ボトルですが、
実は、これ、ちょっと中身が違いまして・・・、

言っていれば、罰金?


ホワイトボードに、
本日の稽古予定が書かれているんですが、
その横の一連の文字、読めます?


――――――――――――――
◦義援金◦

集合に遅れる・・・500円
「女郎」と言ったら・・・10円
刀や道具を雑に扱う・・・50円
はじらい・・・10円
―――――――――――――――

つまり、集合に遅れたら、500円の募金、

といったように、ルール違反の罰金を募金にしちゃおう、
という計画だったんですね。


「女郎」と言ったら・・・10円って、
これ、わかりにくいんですが、

主宰が、
「女郎と言う言葉はよくない。
 女郎は遊女、女郎屋は遊郭と呼ぶことにしよう」
と、突然思いついて、こういうことに。

個人的には「女郎」という言葉が嫌いじゃないんですが、
品格を持ちたいということだったんでしょうね。

でも結局、言い出しっぺの主宰が、毎日のように「女郎」を連発。
主宰による、主宰のための募金みたいなものでした(笑)
(みんな、そのたびに鬼の首をとったみたいに喜んで・・・ほとんど子供?)


刀や道具を雑に扱うのは当然NG。
特に、刀は武士の魂でもあり、
これをぞんざいに扱うなど、考えられません。
(太平の世の時代は、錆びつかせたりしてたらしいけど)

日頃から刀を大切にしていないと、
そんな気持ちが、ちょっとした演技にも出て、
一気にそのキャラクターが変わってしまうことだってあるんです。

もちろん、
稽古で使う木刀も、雑に扱えば割れますし、
本番用の刀に至っては、壊されたら大変!(個々の所有物!)
という現実的な問題もあります。

ということで、
反した所を見られて、誰かに「チャリーン」と言われたら、
募金箱に50円をチャリーンと募金!

刀を落として「チャリーン!」
刀を雑に扱っても「チャリーン!」

だいたい、1回の稽古で、数回、
「チャリーン!」の声が上がります。


対して、女子の方は「はじらい」募金。

女性の恥じらいなんて、今となっては死語ですが、
時代劇では大きなポイントとなります。

で、稽古以外でも、稽古場に一歩足を踏み入れた途端から、
恥じらい、上品な所作を徹底することになりました。

いちおう、キャラは違えど、女子全員です。

なもので、
「あ、今の言葉遣いはなんだ? ほれ、チャリ-ン!」
「なんて格好で座ってるんだ。チャリーン!」



そのうちに、お豊役の羽衣堂あやちゃんが、
もうひとつ付け加えました。

「半次郎がお豊に敬語を使ったら・・・300円!」

幕末のバカップル、半次郎と遊女お豊は、
ベッタベタの2人でなくてはいけないんですが、

日常では、年下の半次郎役、武市悠資くんが、
先輩のあやちゃんに遠慮して遠慮して(笑)

刀と同じく、お芝居だけでベタついてても、
何かの拍子に日常が出ちゃうんですね。

なのに、武市くんがミョ~に紳士で、
演出で「おっぱいつかめ」とか言われても、
微妙にすき間をあけてたりする(笑)
(あ、もちろん、彼女の了解を得ての演出ですよ)


業を煮やしたあやちゃん、
その垣根を取っ払おうと、半次郎限定募金を設定!

その甲斐あって(?)本番では、
「まったくぅ」とお伝をイラつかせるバカップルになってくれました。




この稽古場での義援金、結局、いくらたまったのか、
詳しいことはわかりませんが、
見た限りでは、結構たまったような。


喜んでいいのか、どうなのか。
ま、人さまのために使ってもらえるのなら、
これもよしとしましょうか。

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