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かえでがおか農場のなかまたち 価格:¥ 2,520(税込) 発売日:1998-04 |
とにかく、泣きたくなるくらい動物たちに対する愛情にあふれている絵本です。
絵本の通販、童話館さんから配本された一冊です。
かえでがおか農場に住む動物たちの行動や様子、日常が
事細かに描かれているだけの絵本で、特に物語性はありません。
行動図鑑とでもいいますか・・・。
ですが、なぜかひきつけられてしまいます。
秀逸なのは、牧畜だけでなく、
家のペット、農場にくる害獣、虫、さまざまな生き物までもが、
同じ農場の仲間として描かれていること。動物たちの表情が素晴らしいこと。
動物たちの困る癖も、作者の愛情に満ちたまなざしで楽しみ、喜び、泣き、
そしてともにに育つ。
この絵本から受け取るもの・・・
すべて、人間だけに限らず、生き物は、
同じ地球に住み、一緒に生き、
そしてともに暮らす仲間なんだということです。
困った癖も、害獣、害虫であろうとも、それは人間の勝手な都合で作りだしたもの。
動物たちにとっては必然で、生きていくための手段でもあるわけです。
そんなことを言葉で説いているわけではないのに、
なぜか気持ちの中に、しみじみと根付いていきます。
不思議で静かな、そして動物たちがいとおしい、
そんな絵本です。
絵本の最後のページ・・・
まえにいた動物たちと
いまいる動物たちと
これからやってくる動物たちが・・・
よろこびと、わらいと、いのちを、はこんできてくれます。
あなぼこだらけの道の、
ゆきどまりにたっている、
ペンキのはげかかった、
わたしたちの、かえでがおか農場に。
秋の夜長に、お子さんとのんびり眺めて楽しんでほしいおすすめの絵本です。