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世紀の天体ショー「金冠日食」

2012年05月21日 22時01分28秒 | Weblog

 広大な宇宙の彼方で、このような天体ショーが繰り広げられているのである。日本の太平洋側で広範囲に見えた「金冠日食」。これだけ広範な地域で観測されたのは、平安時代以来で、実に952年ぶりということである。この金環日食は、当時の源氏物語にも掲載されていたのである。
 日食という現象は、地球から見て月と太陽が一直線上に並ぶ天体現象のひとつ。月は、地球の周りを楕円軌道を描いて公転しているので、地球に近ければ「皆既日食」という太陽をすっぽり隠してしまう現象になるし、月が地球より離れた位置であれば、今回の「金冠日食」という、月が太陽を全て覆い隠すのではなく、月の周りに太陽がはみ出た形の゜リング゜を形成する現象を引き起こすのである。今回の「金環日食」は、不運にも多くの雲に遮られていたため、十分な状況での観測はできなかったが、雲の切れ間に出現し、多くの人を感動させたのである。
 このような天体ショーは、そうそう見ることができない。しかも、このように広範囲に亘って観測できることは、非常に珍しいことなのである。このような現象は、古くは不吉な前兆と捉えられることが多かった。現代のように、天体の動きや宇宙についての知識が確立されてきたことで、そのような不吉な前兆と捉えられることはなくなった。ほうき星と言われる「彗星」も、長く尾を引く様子が不吉な前兆と捉えられていた時代があった。このようなものは、迷信等が横行していた時代のものなのだろうから、現代とは、現象の捉え方が全く異なっている。祈祷師のような人物が、このような天体の現象を利用して自身に不可思議な力があることを誇示して、大衆を自由に操ることも可能だった時代もあったのである。

  地球が月の影に入ると日食が見られる