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世相を反映する川柳

2009年10月18日 14時27分08秒 | Weblog
          1位 4,119票 しゅうち心 なくした妻は ポーニョポニョ オー マイ ガット
 日本伝統文化の川柳は、本当に面白いものが多い。俳句と違って、定型的な決まり(季語を使う等)が無い分、自由に自分の伝えたいことが表現できる。この、゛自由な゛ということが非常に良いのである。思ったことをダイレクトに伝えれるのであるから、非常に庶民の感性に鋭く訴えてくれるのである。第一生命では、この川柳を広く公募し、毎年コンクルールを行なっており、その中で優秀作品を発表している。こんな面白い川柳の世界を覗いてみたいと思う。

1.「しゅうち心 なくした妻は ポーニョポニョ」 - オーマイガット
 ・・・羞恥心は、フジテレビ「ヘキサゴン」と言う番組で結成されたイケメン・オバカ・トリオのグイループ名にもなっている。羞恥心とは、はじらいの意味であるが、このデリカシーの気持ちが無くなった妻の体は、ポーニョポニョに膨れ上がっているということ。女性であることを捨ててしまったことにも、背景的にあるのだろうと感じる。この句には、流行のイケメンオバカキャラのグループ「羞恥心」と宮崎駿監督の映画作品「崖の上のポニョ」が見事に掛けられている作品である。この流行語と、句が意味している情景が、物凄く良く伝わってくるのである。こんなところが優秀賞に輝いたところなのであろう。

2.「久しぶり ハローワークで 同窓会」  - 転起
 ・・・こんな厳しい現代では、失業したことでハローワーク(職業安定所)にて職探しをしようと出かけてみると、同級生も同じ境遇で集まってきていた。何年後に同窓会をやる予定だったのが、いみじくも、こんな場所で同窓会的な集まりになってしまったのである。なんとも、切ない情けない集いであり、何の計画も無い中、自然に集まった友人たちを見て、お互い大きなため息をついているのだろう。本当に切ない情景が見えるのである。

3.「ぼくの嫁 国産なのに 毒がある」  - 歩人
 ・・・中国を中心に、食材が農薬等で汚染されたものが多く、食の安全が叫ばれているこの時勢。こんな中、国産は非常に重要であり、厳しい検査をパスしたものは、信頼性が高いのである。その国産として、海外産を産地偽装することまで日本では起こってしまった。信頼性の高い国産と言うブランドを利用し、多くの業者が偽装して表記してしまったのである。その基準の高い国産、しかし、我妻には農薬のような「毒」があったのである。こんな妻で良いのか?しかし、耐えるしかないのであろう!! 

4.「朝バナナ 効果があったの お店だけ」  - 品切れ店長
 ・・・「あさズバ」等主婦が多く見るTV番組では、体にいいものの特集が多く、番組で紹介された食材は、次の日店頭から姿を消す。多くの人が買いに殺到するからである。バナナ、ヨーグルト、ココア等色んなものの健康効果が報告され、食べ方まで研究された結果、多くの人がその食材に押し寄せる。しかし、本当に結果を出せた人はいたのだろうか・・?結果、その食材の売れ行きのみが良かっただけで、効果(利益)があったのは店の店長だけだったのでは?という皮肉を込めた川柳なのです。

5.「やせたのは 一緒に歩いた 犬の方」  - 花鳥風月
 ・・・健康のため、ダイエットのため、犬の散歩を自ら志願しての実行だった。一生懸命やったのに、効果が上がったのは犬だけだったという、なんとも笑えない川柳です。これまた情景が目に浮かびますなあ。(なんのこっちゃ!!)