円急騰、88円台 日経平均は一時1万円割れ
2009年9月28日13時29分 朝日新聞
http://www.asahi.com/business/update/0928/TKY200909280061.html
28日の東京金融市場は、円高が急速に進み、
円相場は2月4日以来約8カ月ぶりに1ドル=88円台に突入。
これを受けて日経平均株価は前週末から一時290円超下がり、
約2カ月ぶりに1万円の大台を割り込んだ。
前週末の20カ国・地域(G20)首脳会議(金融サミット)で景気刺激策の継続が合意され、
米国の金融緩和が長期化するとの見方が強まり、
低金利のドルが売られている。
28日の東京外国為替市場の円相場は海外市場で円高ドル安が進んだ流れを引き継ぎ、
一時、前週末午後5時時点と比べ2円37銭円高ドル安の1ドル=88円22銭前後まで上昇し、
1月23日以来の円高水準となった。
その後、やや値を戻し、午後1時時点では同1円24銭円高ドル安の1ドル=89円35~37銭。
円は対ユーロでも急騰し、午後1時時点では同2円78銭円高ユーロ安の1ユーロ=130円25~30銭で取引されている。
急速な円高ドル安の背景には、
投資家が低金利のドルを借りて新興国を含む他国通貨に投資する流れが強まり、ドルが売られていることがある。
円高を容認する姿勢の藤井裕久財務相が市場介入に否定的な発言を繰り返していることも、円高を後押しする形になっている。
ただ、藤井財務相は28日、朝日新聞の取材に対し、円が急騰する現状について
「やや一方的な感じがする」と述べた。
一方、28日の東京株式市場では、日経平均株価が一時、前週末比294円93銭安い9971円05銭まで下がり、
取引時間中としては7月24日以来約2カ月ぶりに1万円の大台を割り込んだ。
午前の終値は前週末比241円99銭(2.36%)安い1万0023円99銭、
東証1部全体の値動きを示すTOPIX(東証株価指数)は同20.95ポイント(2.27%)低い901.72。出来高は10億5千万株だった。
午後1時時点では日経平均は前週末比281円05銭(2.74%)安い9984円93銭、
TOPIXは同23.48ポイント(2.54%)低い899.19。
円高の加速で採算が悪化するとの懸念から、
自動車や電機などの輸出関連株が売られた。
また、大規模増資を発表し、前週末にストップ安となった野村ホールディングス株は引き続き売り圧力が強い。
野村に続く増資が連想されているメガバンクも軟調に推移するなど、幅広い銘柄で売りがふくらんでいる。
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【私のコメント】
1980年代の『円高ドル安、内需拡大』は日銀の金融政策によってバブルを生み出した。
アメリカは、『低金利、ドルのばらまき』を続けている。
アメリカは国内産業(特に製造業)に対して保護政策をとろうとしているが、
アメリカの製造業は弱り切っている。
ドルが高騰する要素はない。
『鳩山不況』はそぐそこまで来ている。
GDPが落ち、株価が低迷し、給料が下がることを覚悟すべきだろう。
しかし雇用は守らなければならない。
民主党政権下では公共事業などの財政政策は望めない。
だとすれば日銀主導の金融政策しかない。
銀行も自己資本比率の引き上げなどで経営が苦しいところだが、
そこは日銀の持つ信用創造をフルに使って乗り切るべきである。
日銀が信用できるかどうか、それは今回の亀井モラトリアムに対する対応の仕方にかかっている。
金融庁と対立している場合ではない。