川端文科相:教員免許更新制度「廃止含め見直し」
毎日新聞 2009年9月18日 東京夕刊
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090918dde007010091000c.html より
教員免許の更新制度について、川端達夫文部科学相は18日の閣議後会見で
「求めるゴールは(教育の)質の向上。着手は早速にさせたいと思う」
と述べ、廃止も含めた見直し作業を具体化させる意向を示した。
民主党は代替制度として教員養成課程の6年制化や、
免許保持者にさらに2年程度、大学院で学ばせる仕組みなどを提案している。
川端文科相は
「相当広範囲に検討し、大きく制度設計しなければならず、現行制度の検証も必要。4年間の中で一定の方向性をつけることは当然で、精力的に検討を進めたい」
と述べた。
川端文科相は官僚が作成した資料を持参して会見に臨んだ。【加藤隆寛】
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【私のコメント】
教員免許更新制の成立過程は安倍晋三政権下、衆議院の三分の二という数の論理を使って成立したものだった。
大した教育論議はなかった。
教育論議抜きの教育政策に大した意味はない。
教員免許を更新すれば教育の質が上がるというのはあまりにも幼稚な発想である。
安倍晋三はその程度の政治家だった。
小泉よりも良かったかもしれないが、同レベルの政治家だった。
教員養成課程の6年制化について。
大学院は本来研究者養成期間である。
修士課程まで出た人が教員になるとするであろうか。
しかも中学・高校の教員は教育学部出身以外の教師も多い。
文系ならば主に文学部。
理系ならば主に理学部。
ほかにも、経済学部、法学部、工学部、農学部など、いろんな学部出身の教師がいる。
しかもこれらの修士課程にはいることは非常に難しい。
結果的に教育学部以外の学生は教師になれなくなる。
教育学部出身者のみが教師になる。
一見理屈は合っているように思うが、本当にそうなのだろうか。
教育学部出身の教師と他学部出身の教師は、良い悪いは別にして、肌合いが違う。
そのことが学校教育に多彩な彩りを与えている。
多様な生徒に多様な教師が対応している。
教育学部出身の学生のみが教師になれば、どこを切っても同じ『金太郎飴』のような教師にならないだろうか。
しかも今の教育学部の教育は子どもの自主性を尊重するあまり、かなり偏った教育になっている。
そのような教師は頭は良いかもしれないが、子どもはついてこない。
その一方では子どもを一喝して、しかも人気のあるような体育会系の教師もいる。
授業以外に色んな知識を知っている文学部系や理学部系の教師もいて、そのことで子どもを引っ張っていく教師もいる。
教育学部一辺倒になることが、教育にとって本当に良いことなのかどうか、かなり大きな問題だと思う。