ひょうきちの疑問

新聞・テレビ報道はおかしい。
2020年のアメリカ大統領選以後はムチャクチャ

亀井静香氏、日銀の金融政策も視野

2009-09-15 20:21:11 | 日銀景気対策

亀井氏、西川社長は自発的辞任を 日本郵政で

2009/09/15 19:57 【共同通信】
http://www.47news.jp/CN/200909/CN2009091501000901.html より


 郵政問題・金融担当相に内定した国民新党の亀井静香代表は15日の記者会見で、
日本郵政の西川善文(にしかわ・よしふみ)社長の進退について
「新しい経営者に委ねる判断をされたらいい」
と述べ、自発的辞任を求める考えを示した。
中小企業の返済猶予など金融機関の貸し渋り対策を強める意向も表明した。

 亀井氏は、宿泊保養施設「かんぽの宿」売却に伴う日本郵政の不透明な手続きなどを指摘、西川氏の経営について「結果は悲惨だ」と厳しい評価を示した。
その上で「辞めてもらうのは当然だが、生首を切るようなことはしたくない」とも語り、新政権による事実上の解任を待たずに自ら辞めるよう促した。

 郵政民営化の見直しでは、郵便や金融、保険の各事業が「一体感のあるものにする」と現在の4分社化の見直し方針を表明。
「かつての郵政以上に国民にとって役立つものにする」と強調した。

 中小企業の資金繰り対策では
「3年程度の返済を猶予するモラトリアムを実施すべく取り組みたい」と発言。
制度の詳細は今後詰めるが、借金の元本返済を猶予できる制度を想定しており、金融業界からは反発も予想される。

 亀井氏は
「金融は産業の血液だが、わが国の金融は回っておらず、死んでいる」
と指摘。「金融庁は(貸し渋りの)チェックがきちんと機能しておらず、意識改革してもらわないと困る」
と述べた。

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【私のコメント】

銀行の貸し渋りをなくすためには日銀から市中銀行への潤沢な資金供給がなければならず、
その意味では亀井氏は日銀の金融政策への指導も行ったことになる。
(もっとも日銀は約十年前の日銀法改正で独立組織としての自立化の道を勝ち取ったのだが、これがまたいろいろ問題がある)

私は日銀が政府の方針とは独立して金融政策を行うという新日銀法そのものに問題があると思うのだが、今後日銀がどう動くか。

日銀はとにかく物価の安定だけを求め、国内の不況に対しては無関心なところがある。
今の日本の経済はそれどころではないと思うのだが。

日銀の市中銀行に対する権限は我々が思っている以上に大きい。
それを度外視しては金融政策はできない。

西川社長に自発的辞任求める 郵政問題相内定の亀井氏

2009-09-15 19:53:57 | 労働者派遣、郵政民営化、地方分権

西川社長に自発的辞任求める 郵政問題相内定の亀井氏

2009年9月15日18時9分 朝日新聞
http://www.asahi.com/politics/update/0915/TKY200909150278.html より


 鳩山新政権で郵政問題担当相に内定した国民新党の亀井静香代表は15日、
日本郵政の西川善文社長に対し、自発的な辞任を求める考えを明らかにした。
党本部での記者会見で答えた。

 亀井代表は会見で、
「(郵政)見直しが既定事実になっているので、そのなかで続けるのは不可能だ」
と述べた。
西川社長の去就をめぐっては、鳩山代表も解任方針を示している。

 また、亀井代表は、不況で業績が悪化している中小企業に対して3年程度、借金の元本返済を免除する「支払猶予制度」(モラトリアム)を導入する考えを示した。

谷垣氏、自民総裁選出馬 「みのもんた」が茶化す

2009-09-15 18:52:39 | 自民党政策

谷垣氏、自民総裁選出馬を正式表明

TBS 2009.9.15
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4235072.html より

 自民党の総裁選挙に出馬を表明している谷垣禎一元財務大臣が、正式に出馬会見を行いました。

 「我が党には国民のために果たすべき使命がまだある。その再生のために捨石となる覚悟でことにあたろう。今覚悟を新たにしているところだ」
(谷垣禎一元財務相)

 28日に実施される自民党の総裁選への出馬を正式に表明した谷垣元財務大臣は、このように決意を述べました。

 そして谷垣氏は、保守政治を政策に具体化する、思い切った党改革を行う、地方の声に耳を傾けるといった点を公約の柱にしたいとの考えを示しました。

 また、立候補に必要な推薦人20人について、「徐々に目鼻はつきつつある」と述べ、推薦人確保に自信をのぞかせました。(15日16:24)

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【私のコメント】

谷垣氏への論評はしない。

ただ私が言いたいのは、『再生のために捨石となる覚悟』という言葉に対して一部マスコミが『暗い』とか『前向きでない』とかいう論評をしたことだ。

ハッキリ言えば『朝ズバ』の「みのもんた」なのだが、
自民党の現状を無視して感情論で茶化しているとしか思えない。
彼らは本当に日本の将来を考えているのだろうか。

いま自民党の総裁に立候補するのは、『捨て石』の覚悟がなければできないことである。
自分の損得だけを考える人にはできないだろう。
中川秀直のように比例で復活当選したクセに新党を結成しようとする動きすらある。

森元首相が総選挙で惨敗した今もキングメーカー気取りでいることは問題だが、
いま自民党の総裁に立候補することは損得で考えればメリットはほとんどない。

それを『暗い』とか『前向きでない』とか論評したマスコミ人は、
面白半分にニュースキャスターをやっているだけで、そのような番組は国民に害をもたらすだけである。

二大政党制の成立と一方では絶賛しながら、野党になった自民党の再生を面白半分に報道するのはどう考えても矛盾している。

二大政党制は今の日本人にとっては危険なものである。
私は民主党が政権を取り政権交代が実現したことは喜ばしいものだと思うが、
民放の自民党をバカにしたような報道には、将来の二大政党制の観点から危惧を感じざるをえない。
野党が健全でなければ二大政党制は実現できないのだ。

「みのもんた」の『朝ズバ』報道は、この政権交代の可能性と同時に存在する二大政党制の危機をもっと客観的に報道してもらいたい。

亀井静香氏 『郵政・金融担当大臣』に

2009-09-15 17:17:38 | 民主党、維新の会

亀井氏ポスト急転 防衛相から「郵政・金融担当」に

9月15日14時42分配信 産経新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090915-00000563-san-pol より


 国民新党幹部は15日午後、国会内で記者団に対し、
鳩山政権での亀井静香代表のポストが「(内定していた)防衛相ではなく、
郵政担当相兼金融担当相となった」と話した。

 国民新党は以前から、次期首相となる鳩山由紀夫民主党代表に対し、郵政問題を担当する総務相ポストを求めていたが、
鳩山氏が地方自治を担当する総務相ポストは民主党で取るべきだとの考えを示し、亀井氏は防衛相に内定していた。

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【私のコメント】

悪くはない。

本当は総務相がいちばん適任だったが、
それが駄目なら検察局を配下にもつ法務相かとも思っていた。
小泉・竹中の不正を追及するにはもってこいの場所だからだ。

ところが防衛相という報道が流れてガッカリしていた。
なぜならアメリカとの防衛問題は郵政問題の次にくる問題で、腕の見せ場がまだ熟していないと思っていたからだ。
もしかしたら民主党による国民新党つぶしになるかもしれない、と危惧していたところだった。

しかし『郵政・金融担当大臣』なら腕の見せ場は十分ある。
郵政は金融とも絡んでいる。場合によっては日銀やFRB(アメリカの中央銀行)に対しても発言しなければならないだろう。
今世界中をパニックに陥れているのは金融の世界なのだ。


総務相は原口一博氏に内定したようだが、
この総務相と郵政担当相との関係はどうなるのだろうか。
地方自治は原口氏がやり、郵政は亀井氏が受け持つということなのだろうか。
それとも両者協力して行うということなのだろうか。

亀井氏の信念と原口氏の切れ味がマッチすればいい仕事ができそうな気がする。

ただ原口一博氏は大阪の橋下知事と会談したおり『涙が出るほど感動した』と橋下氏を持ち上げた。そのことが気になる。

私は橋下氏の地方分権論は、自己利益中心主義で本当に日本のための地方分権にはなっていないように思う。


ともあれ、亀井静香氏が『郵政・金融担当大臣』に内定したことで、民主党政権が本気で郵政民営化の見直しを考えていることがわかったことは評価できる。

『経済財政諮問会議』廃止 『国家戦略局』が全面へ

2009-09-15 16:59:39 | 民主党、維新の会

<経済財政諮問会議>民間メンバー4人が辞任 事実上廃止へ

9月15日11時26分配信 毎日新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090915-00000024-mai-pol


 政府は15日、経済財政諮問会議(議長・麻生太郎首相)の民間メンバー4人が同日付で辞任したと発表した。

 4人は、
岩田一政・内閣府経済社会総合研究所長
▽張富士夫・トヨタ自動車会長
▽三村明夫・新日本製鉄会長
▽吉川洋・東京大大学院経済学研究科教授。
麻生内閣の発足に伴い、08年10月に任命された。

 民間メンバーは「首相のブレーン」(林芳正・経済財政担当相)としての性格があるため、
従来、首相交代の際には辞表を提出するのが慣例。
民主党政権は国家戦略局の発足に伴い、諮問会議を事実上廃止する方針だ。【秋本裕子】

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【私のコメント】

諮問会議や審議会などが首相直属であることを傘に着ていいように日本の政治を操ってきた結果、今のようなおかしな政治になってしまった。

諮問会議や審議会は、国民に対して直接には責任を負わない。彼らは国会議員ではないし、諮問されたから答えたまでだ、という態度で逃げることができる。
それは政治家の隠れ蓑にもなってきた。
政治家や官僚がどのようなメンバーを選ぶかによって答えは始めから決まっていた。

しかし国家戦略局は性格が違う。
国家戦略局のメンバーは国会議員である。
彼らは国民に対して直接責任を負って会議で発言し、決定を下す。
その結果は次の選挙で審判される。
諮問会議や審議会のように政治家は陰に隠れることができない。

一面では強大な力をこの国家戦略局が持つことになる危険があるが、
それを監視するのは国民の目である。

いよいよ政治家が全面に出てきた。
国民にとっても知らぬフリは許されない。

米大統領は金融の規制強化というが、具体策がない 

2009-09-15 11:51:08 | 国際金融

金融危機、再発防止へ規制強化 米大統領、国際協調訴え

日経新聞 2009.9.15
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090915AT2M1403614092009.html より

 【ニューヨーク=山下茂行】オバマ米大統領は14日、
米証券大手リーマン・ブラザーズの破綻から約1年が経過したのを受けて金融の中心であるニューヨークのウォール街で演説し、金融危機の再発防止へ
「強い規則が必要」
などと述べ、
監督・規制強化を急ぐ決意を示した。
規制に関する国際協調の重要性を強調し、今月下旬に米国で開く20カ国・地域(G20)首脳会議(ピッツバーグサミット)で各国に提案すると述べた。

 オバマ大統領は
「(金融危機が顕在化し始めてからの)過去2年間の嵐は終わろうとしている」
など政府・金融当局が広範な対策を打ち出した効果を指摘。
金融システムは「正常化しつつある」と述べた。
その一方で、「油断してはいけない」と指摘。
「(金融)システム全般の保護に責任を持つ規制当局はなかった」
とも発言し、金融規制の一元化などで、より効果的な体制作りをめざすとした。(01:49)

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【私のコメント】

「強い規則が必要」なのは事実だが、
具体策には全く触れていない。

管理当局として、FRB(アメリカの中央銀行)に一任、などという案が出てくるかも。

このFRBがくせ者。
警備員に泥棒を雇うようなことにならなければよいが。

「高校無償化」二つの懸念

2009-09-15 11:35:49 | 教育もろもろ

「高校無償化」二つの懸念…方法は?財源は?

(2009年9月14日22時08分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090914-OYT1T01063.htm


 民主党が政権公約(マニフェスト)に掲げた「高校教育の実質無償化」は、社民、国民新両党との政策合意に明記された。

 財務相就任が有力視される藤井裕久・党最高顧問も
「来年度当初から絶対にやる」と実現に意欲的だ。
だが、文部科学省には懸念が二つある。

 一つは、「無償化」の方法だ。
民主党が先の国会に議員立法で提出した関連法案は、
保護者の申請に基づき、市区町村を通じて年額約12万円を「就学支援金」として各世帯に支給するなどの仕組みだ。

 文科省内では、この案に否定的な見方が多い。
〈1〉保護者が支援金を授業料に使う保証がない
〈2〉在学証明や所得証明を処理する市区町村の事務量が膨大になる
――などの理由からだ。

 このため、文科省は代案を考案した。
公立高の授業料は徴収しない、
との法律を制定した上で、
高校の設置者である都道府県への国庫補助を増額する内容だ。
地方交付税など既存の仕組みの活用か、
新たな国庫補助制度を創設するか、
いずれかの手法が有力だ。

 民主党内には、文科省案に同調する意見もある。
ただ、自治体などに国が補助金を支給するという旧来の手法の踏襲は、
民主党が衆院選を通じて訴えてきた「家計への直接支援」路線の転換を意味し、
党がすんなり応じるか不透明だ。

 もう一つの懸念は、財源だ。
民主党が「年間4500億円」と試算する財源の手当ては明確でない。
省内には今、「高校無償化のために他の予算が削られかねない」という疑心暗鬼が広がる。
幹部は
「予算の全体額が増えるなら歓迎だが、省内から必要な財源を出すなら、とても無理」
と話す。

 文科省案の核心はここにある、ともいえる。
つまり、財源の大半について、地方交付税を所管する総務省の予算に計上できれば、文科省が“身を切る”分が少なくて済む、というわけだ。

 民主党は、麻生政権が編成した今年度補正予算の組み替えなどで対応する方針だが、
「子ども手当」や高速道路の無料化など、
巨額の財源が必要な懸案は他にも数多くあり、財源の確保には曲折も予想される。

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【私のコメント】

私はこの法案自体にあまり乗り気ではない。

義務教育の無償化は憲法で謳われているが、高校は義務教育ではない。

そんな大事なことを選挙で勝ったこと一つでこうも簡単に変えて良いものだろうか。
今までほとんど議論もなされていない。
このことが教育的にどういう意味を持つのかも分からない。

財源論・手法論だけが先行し、教育論が素通りされている。

ただより高いものはない、それが世の中のルールである。
何が高くつくのか、何も説明がない。

高速無料化など、簡単に『ただ』ブームに乗ってはならない。

東アジア共同体検討、日中首脳会談で一致へ

2009-09-15 11:21:03 | 国際・外交(日米関係)

東アジア共同体検討、日中首脳会談で一致へ

(2009年9月15日03時08分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090915-OYT1T00060.htm より


 今月下旬に米ニューヨークで開かれる鳩山新首相と胡錦濤・中国国家主席の日中首脳会談で、
両国が協力して
「東アジア共同体」
の検討を進めていくことで一致する見通しとなった。

 民主党幹部などが14日、明らかにした。
共同体構想は民主党の政権公約(マニフェスト)に盛りこまれているが、
日中主導の枠組み作りに米国などから懸念が示される可能性もある。

 両首脳の初顔合わせとなる会談は、国連総会にあわせて今月23日前後に開く方向で調整している。
会談では、鳩山氏が共同体構想への協力を要請する。
日中関係筋によると、中国側も同構想に理解を示しているといい、胡主席は前向きの考えを表明すると見られる。

 東アジア共同体は、通商や金融、エネルギー、環境、災害救援、感染症対策といった幅広い分野で協力する域内体制の構築を目指すもの。
鳩山氏は月刊誌「Voice」9月号に寄稿した論文で、東アジア共同体について、
「東アジア地域をわが国の基本的な生活空間ととらえ、経済協力と安全保障の枠組みをつくる努力を続けなくてはならない」
と主張している。

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【私のコメント】

アメリカは凋落し、中国に接近している。
日本がその中国に接近してはならない法はない。

まさかアメリカの頭越しに中国に接近したからといって田中角栄のようなことにはなるまい。

アメリカと一定の距離を置くということは、最終的には軍事問題というよりも、通貨問題だと私は思う。

今世界の最も大きい矛盾は、凋落したアメリカの国内通貨であるドルが、いまだに世界の基軸通貨であるということである。

この問題で拙速な議論はいけないが、時間をかけて乗り越えていく問題である。

この問題の裏にはアジアの基軸通貨をどうするかという問題がある。

ノーベル賞学者スティグリッツ、米金融システムを批判

2009-09-15 11:00:52 | 国際金融

「銀行問題 危機前より悪化」 ノーベル賞学者が米金融システムを批判

2009.9.15 10:47 産経新聞
http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/090915/fnc0909151049013-n1.htm より


 ノーベル経済学賞受賞の経済学者、
米コロンビア大学のジョセフ・スティグリッツ教授は
14日までにインタビューに応じ、
金融危機の発生と米リーマン・ブラザーズの破綻(はたん)後も、米国は自国の銀行システムの根本的な問題を解決するのを怠ってきていると指摘した。

 同教授は
「米国とほかの多くの国では、大き過ぎてつぶせない(ツー・ビッグ・トゥ・フェイル)銀行がさらに大きくなった。問題は危機の前である2007年よりも一層悪くなった」
と語った。

 オバマ政権は、金融システム全体にとって重要な金融機関を指定し、より厳しい管理下に置くことを望んでいるものの、
同政権の金融規制改革案はこれら金融機関に規模の縮小や構造の簡素化を強制する内容とはなっていない。

 同教授は、政治的に困難なため、米政府は金融業界と対決することに慎重になっていると指摘。
20カ国・地域(G20)の他の首脳がより厳しい行動を取るよう米国を説得することを期待している、と述べた。

 米ピッツバーグで来週開かれるG20首脳会議(金融サミット)では、金融市場規制の改善方法について協議し、金融機関の報酬に制限を設ける方法を特に取り上げる見込み。

 同教授は、中でも
「銀行に多くの資金を投入した米国では激しい憤りがある。政府は必要な措置を取ることに極めて消極的に見える。何かはするだろうが、問題は必要なだけやるかどうかだ」
と述べた。

 世界経済については、リーマン破綻後の窮地からは立ち直ったものの、
「危険を免れたというには程遠い。弱い景気、経済停滞は長期間続くだろう」
と予想した。

(ブルームバーグ Mark Deen、David Tweed)

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【私のコメント】

ガイトナー財務長官など、オバマ政権には、ブッシュ政権と同じアメリカ金融界の関係者が要職を占めている。

これでは何も出来ない、という批判は前々からあった。

『米政府は金融業界と対決することに慎重になっている』というのは本当だ。

日本では日米外交というと米軍基地の問題ばかりが報道されるが、
現段階で一番重要なのは日米間の金融外交である。

まずは今まで日本が何十年と買わされ続けてきた米国債の購入をいかに抑制できるかにかかっているだろう。

そして
『20カ国・地域(G20)の他の首脳がより厳しい行動を取るよう米国を説得すること』だ。

お金で儲けようとするのではなく、ものをつくりなさい、といってやることだ。

懲りない強欲ウォール街 日本の郵政資産を守れ

2009-09-15 10:49:31 | 労働者派遣、郵政民営化、地方分権

社説:リーマン1年 変わらぬ「無責任」の土壌

毎日新聞 2009年9月14日 0時05分
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20090914k0000m070123000c.html より

 衝撃とその後襲った不安の大きさから、「金融の9・11」と呼ばれることがある。
2008年9月15日。
米証券大手、リーマン・ブラザーズが経営破綻(はたん)し、世界の金融・証券市場に激震が走った日だ。
衝撃波はウォール街から我々が暮らす街にまで押し寄せ、世界経済は底なし沼にのまれていくかのようだった。

 なぜ、こんなことに--。
多くの人々が理解できないまま職や家を失った。
ここへきて市場は安定を取り戻し、景気も最悪期を脱したように見えるが、危機はくすぶり続け、傷は地球のあちこちで癒えずにいる。

 1年を振り返り、二度とこのような金融の暴走を招いてはならないと思わずにいられない。
だが、現実はどうだろう。教訓は十分、生かされようとしているだろうか。

 危機をもたらした金融暴走の背景には、業界に蔓延(まんえん)した過信と無責任さがあった。
リスクの十分な吟味もなく、自分さえもうかれば、今さえよければ、と他人の資金に頼ったマネーゲームに興じた揚げ句、バブルがはじけて破綻の危機に直面した。

 普通の企業が経営に行き詰まれば倒産となり、企業と一部の取引相手がツケを払う。
リーマン破綻では、失敗のツケが世界経済全体に及んだ。
規模が大きすぎたのである。

 あわてた米欧の政府は、大手金融機関に公的資金を使って資本を注入したり、経営統合を促したりと、“第2のリーマン”回避に腐心した。
結果、最悪の事態はひとまず防ぐことができたが、重大な禍根を残した。
「無責任」が再びはびこる土壌を作ってしまったのだ。
米国では小規模な金融機関が相次ぎ倒産に追い込まれる中、巨大金融機関は救われて残り、そればかりか、ますます大きくなろうとしているのである。

 大きすぎてつぶせない金融機関は無責任な利益追求に走る恐れがある。
大きなリスクをとって吉と出たら自ら大もうけし、凶と出たら政府が助けてくれるからだ。
一方で投資家の資金は“安全な”巨大金融機関に集中していく。
「大」がどんどん太っていくメカニズムだ。

 主要国の政府は、金融機関の肥大化を許すべきではない。
巨大銀行でも粛々と破綻処理できるような仕組みを主要20カ国・地域(G20)で議論しているが、実効性には疑問がある。
やはり大きくなりすぎないよう規模に歯止めをかける方策を真剣に検討すべきだ。
資産総額に対する必要自己資本の比率が資産規模に比例して増大する規制の導入は一案だろう。

 経済あっての金融だ。逆ではない。「9・15」の記憶が新しいうちに、責任ある金融を目指した制度づくりを急ぐ必要がある。
代償はあまりにも大きかったのだから。

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リーマン・ショック1年…懲りないウォール街

(2009年9月14日01時23分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20090913-OYT1T00944.htm?from=any より


 米大手証券リーマン・ブラザーズが経営破綻(はたん)し、世界経済を戦後最大の危機に追い込むきっかけとなった「リーマン・ショック」から15日で丸1年。
金融危機の反省を生かし、世界経済は持続的な成長を取り戻せるのか。

 「新しい役所が増えても非効率なだけです。消費者金融保護庁の創設法案を廃案に追い込みましょう」

 9月8、9日、米金融業界の有力ロビー団体「金融サービス円卓会議」の首席ロビイスト、スコット・タルボット氏(41)は、再開したばかりの米議会近くで、金融関連法案の審議に影響力を持つ上下両院の議員8人と個別に会合し、説得工作を繰り広げた。

 「円卓会議」はJPモルガン・チェース、シティグループなど米金融大手をはじめ97社から会費を集めて運営されている。
タルボット氏は文字通りの「ウォール街の代弁者」だ。

 米財務省が目指す保護庁の創設は、リスクのある金融商品から消費者を守るための金融規制改革の中核と位置付けられている。

 米国では、住宅バブルを背景に、住宅ローン会社やブローカーが返済能力のない低所得者に高金利の住宅融資「サブプライムローン」を貸し込んだが、2006年夏を境にバブルが崩壊。
ローンが次々と焦げ付き、金融危機の火種となった。

 保護庁は、こうした金融商品が二度と出回らないよう目を光らせることになる。

 だが、金融業界や産業界は強く反発している。タルボット氏は
「行き過ぎた規制で普通の金融商品しか売れなくなれば、金融機関のもうけが減り、米金融業界の国際競争力が低下してしまう」
と訴える。

 「9月は新聞広告。その後は、テレビやインターネットでも広告を打つ」

 ワシントンにある米国最大のロビー団体「米国商工会議所」のオフィスには今夏、「保護庁つぶし」で大同団結した23のロビー団体代表者が集まり、広告戦略に200万ドル(約1・8億円)の拠出を決めた。

 来年の中間選挙をにらみ、「円卓会議」は有力議員20人に1000~2500ドルの献金もした。
保護庁法案は下院の審議が始まったが、早期成立は微妙な情勢だ。

 複数の米大手金融機関は6月以降、「安全性を高めたCLO(ローン担保証券)を担保にした金融商品」の売り込み攻勢を始めた。
この金融商品は、ローン債権の信用度が高い部分だけを集め、「格下げリスクを減らした」のがセールスポイントだ。

 しかし、CLOはサブプライム関連の不良資産を組み込んでいたため価格が急落、損失を世界中にばらまくことになった証券化商品の一つだ。
日本の金融機関は
「あれだけの危機の直後なのに、同じような商品をもう売ってくるのか」
と米銀の商魂に目を見張る。

 バブルを促したと批判された金融機関の高額報酬も復活している。
4~6月期決算に、リスクをとった投資業務で過去最高の純利益をあげたゴールドマン・サックスは、年末のボーナス用に66億ドル(約6000億円)を積み立てた。
社員1人あたり3か月間分として22万ドル(約2000万円)を受け取る計算だ。

 リスクを軽視し、目先の利益を優先した経営が、バブルとその崩壊を招いた。
その反省がウォール街では早くも薄れようとしているかに見える。(ニューヨーク 山本正実)

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『強欲ウォール街』再び
危機は今:リーマン破綻1年

毎日新聞 2009年9月15日 東京朝刊
http://mainichi.jp/life/today/news/20090915ddm001020003000c.html より

 米ニューヨーク・ウォール街。ニューヨーク証券取引所の建物の前で観光客に交じり、携帯電話で頻繁に売買の指示を出すスーツ姿の男たちがいた。
その中に08年9月の破綻(はたん)まで米証券大手リーマン・ブラザーズの債券取引の責任者だったローレンス・マクドナルドさん(43)の姿もあった。

 投資ファンドで株式の先物を扱う幹部に転職したマクドナルドさんは最近、リーマン破綻の内幕を描いた著書を出版。
全米のベストセラーで10位以内に入る売れ行きで、リーマン・ショックから1年を経ても、未曽有の金融危機に直撃された米国民の関心は依然高い。

 マクドナルドさんは毎日新聞の取材に
「ファルド元会長ら一握りの首脳がリスクも顧みずに大もうけを狙って、独断で無謀な投資をした」
と批判。
米金融機関幹部は高額報酬を得ていたため、オバマ大統領は「グリード(強欲)資本主義の象徴」と糾弾した。

 だが、今春以降に市場が落ち着きを取り戻し、ウォール街では「グリード」が息を吹き返しつつある。

 米ゴールドマン・サックスは09年4~6月期決算の報酬総額が66億ドル(約6000億円)。
市場が持ち直し、最終(当期)利益が34億3500万ドルと四半期決算で過去最高を記録したためだ。
約2万9400人の社員は3カ月で平均22万ドルを受け取る計算。
昨秋投入された公的資金100億ドルは6月に返済したが、
「税金を踏み台に高額報酬を復活させた」
と批判を浴びた。

 マクドナルドさんは「米国に重要な起業家精神を生む健全なグリードもある」と指摘した。
ただ「報酬は目先のもうけだけで払われるべきではないと危機で学んだはずだが」とつぶやいた。
さらに「周囲では損失リスクが分かりにくい複雑なデリバティブ(金融派生商品)が再び増えてきた」と打ち明けた。

 リーマン・ショックは、デリバティブの一種で、米住宅ローンの返済を裏付けとした証券化商品の価格急落が主因。
高利回りを目当てに米欧金融機関が大量に購入していたが、米住宅バブルが崩壊した。
「似たような問題の芽が出ている恐れがある」とマクドナルドさんは警告した。

 危機再発を防ぐため、各国当局は高額報酬の規制導入に向けた国際協議を進めているが、ウォール街の反応は鈍い。
「人間は忘れやすく、熱狂しやすい」。
マクドナルドさんはマネーの再暴走もにおわせて、ウォール街の雑踏に消えた。

     × × ×

 リーマン破綻から15日で1年を迎える。金融危機は瞬く間に広がり、世界経済は恐慌の瀬戸際に追い込まれた。最悪期はようやく脱したが、景気の先行きはなお厳しく、危機再燃の火種がくすぶる。

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【私のコメント】

アメリカはあきれた国である。

世界を同時不況に陥れ、経営が危うくなると政府から公的資金の援助を受け、もうこれで懲りたのかと思うと、
『約2万9400人の社員は3カ月で平均22万ドルを受け取る計算』。
一人あたり月額700万円以上の収入になる。

貧富の格差は進むばかりである。

以前ほどアメリカには世界中からの資金が環流していないから、基本的には資金不足である。
それを穴埋めするためにFRB(アメリカの中央銀行)のバーナンキ議長は『ヘリコプター・ベン』の異名のとおり、ドルを印刷できるぶん印刷してそれをばらまいている。
(世の中が不景気ならばヘリコプターからドルをばらまけばいいのだ、と言ったところからこのあだ名がついた。)
アメリカウォール街の復活はこの不健全なばらまかれたドルによって支えられている。
そこで利を得ているのはいまだにウォール街で働く一部の人たちだけであって、その他の国民にはその利益は分配されていない。

今でもアメリカは他国の資金がほしくてたまらない。
それは健全に公共投資をするためではなく、まして貧困層への社会保障を充実させるためでもない。
ウォール街のマネーゲームを再度復活させるためである。

アメリカは日本の何百兆円という郵政資金がほしくてたまらない。
郵政民営化とはつまるところブッシュのポチ公であった小泉純一郎が、虎の子の日本人の資産をアメリカに貢ごうとしたことに他ならない。
リーマンブラザースが破綻してアメリカ金融界が反省しているなどと思ったら大まちがいである。

ウォール街の『強欲』は骨の髄まで『強欲』である。
そこに日本的な倫理観などはない。
彼らは決して自分たちでものをつくろうとはしない。
他人の金を集めて、ゲームを仕掛け、そこから莫大な利益を得ることだけを考えている。
日本がそんなことに協力する筋合いはない。

こんなことをしてしては第二、第三のリーマンショックが起こるだけである。
それを許すマネーゲームの仕組みを早くストップさせることである。

① 銀行業と証券業の兼業を禁止していた『グラス・スティーガル法』を早く復活させることである。
これは1990年代後半にアメリカで廃止された法律である。アメリカ金融資本の暴走はここから始まった。
その結果、銀行などの間接金融で集められた資金が株や証券の売買市場である直接金融の世界へ流れ込んでいる。
日本でも多くの地方銀行などはアメリカの金融商品を買い込んだ結果、多額の不良債権を抱えている。

② 『レバレッジ』といわれる自己資本の何十倍もの巨額の投資を可能にする金融手法を規制することである。
具体的には、株券や証券などを担保にして融資することを規制すべきである。
レバレッジというのは一度買った株券や証券を担保にして資金を借り、その資金で別の新たな株券や証券を購入するという手法の繰り返しによって生まれるものだからだ。
その結果自己資金の何十倍もの株券や証券を購入することができるのだが、それが失敗した場合の損失は莫大なものになる。
担保そのものが無価値になるのだから、関係したすべての金融機関に不良債権が残ることになる。非常に危険な手法である。

③ 『デリバティブ』(金融派生商品)といわれる証券化商品を規制することである。
具体的には債権の分割に一定の歯止めをかけることである。
そうすれば細分化された債権同士を、福袋のように中身のわからない一つのパッケージ商品にして、売り出すこともできなくなる。
金融工学という詐欺まがいの金融手法も排除される。

金持ちによる私的な投資集団であるヘッジファンド(例えば村上ファンドのようなもの)は上の①~③を利用して、マネーゲームを仕掛けてきた。
規制緩和のあるところ、必ず法の網をかいくぐって利益を得ようとする集団が現れる。
市場主義は規制がなければ市場原理主義になる。
適正な市場が維持されるためには規制が必要である。
リーマンショックから一年が経とうとしているが、市場主義に対する有効な規制はまだ何ら手を打たれていない。

郵政民営化は早く撤回すべきである。
幸いにしてまだ郵政株は100%政府が持っている。これを市場に売却すればすぐに外資が郵政の実権を握り、何百兆円という日本人の虎の子の資産は、アメリカ金融資本の餌食になってしまうだろう。