1本のわらしべ

骨肉腫と闘う子供とその家族とともに

介護用品のこと

2007-11-02 18:42:43 | Weblog
介護用品のなかには患者が快適に過ごすための物がたくさんあります。
私たちは病院にあるものがすべて、あるいはベストだと思っていますが、そうではないのです。病院にも予算という枠があって最新の器機を追いかけるわけにはいかないみたいです。
前にお話したエアーマットもそうです。
娘は床ずれができてしまっていたのに、病棟には床ずれ予防のマットしかなかったのです。しかも、そのマットが娘のところに回ってきたのはすでに床ずれができた後でした。でもそんな事は私たちにはわかりません。そのマットが最高のものだと思っているので娘が痛みを訴えても「これ以上はどうしようもないから我慢しなさい」というしかありませんでした。
外泊したときにもエアーマットが必要でしたのでレンタルすることにしました。
フランスベッドの営業の方が「一度、娘さんの症状を見せてください。」と病院に来てくれました。娘が寝ているマットを見たとたん「これでは娘さんがかわいそうです。痛いはずです。」と言われました。「これは床ずれができる前の患者さん用で、床ずれ予防のためのマットです。すでに床ずれができている患者さんには向きません。」
早速、そのエアーマットを持ってきてもらうと痛みがうその様に和らぎました。
もっと早くこのマットのことを知っていたら、娘に痛い思いをさせなくて済んだのです。

もう一つの優れものがありました。
尿瓶あるいは採尿器です。
病院の尿瓶は皆さんも一度は目にされた事があると思います。
あの尿瓶は女性には向きません。どうしても漏れてしまうらしくて、看護婦さんも「これが改良されるといいんだけど」と言われてました。
娘は尿が尿瓶から漏れて「寝巻きからシーツまで総換え」という事がよくあり、そのたびに痛い思いをしてベッドを移動しなければなりませんでした。
看護婦さんによっては、漏れたことに気付かずにそのまま行ってしまう人もいました。

同じ部屋に入院していた方が「介護用品のカタログに採尿器が載っていたので半信半疑で買ってみたらとても良いですよ。」と教えてくださったので、一つ買ってみました。ためしに使ってみたら、漏れません。それからは看護婦さんに「これを使ってください。」とお願いしました。

一度、介護用品のカタログをのぞいてみて下さい。
きっと便利な優れものが見つかりますよ。

看護婦さんのこと

2007-11-02 00:52:16 | Weblog
看護婦さんには本当にお世話になりました。
今となっては感謝の気持ちしかありませんが、入院時にはやはり小さな葛藤がありました。
娘は愛想の良いほうではありませんし、自分の殻に閉じこもっていたこともあって看護婦さんも扱いにくかったと思います。体中痛いところだらけで、うっかり触ってしまって怒鳴られた看護婦さんも少なくありません。
それでも徐々に看護婦さんに心を開いてくれて、ほっと一安心でした。
看護婦さんは大変な仕事だと話には聞いていますが、実際入院して1日看護婦さんを観ていると頭が下がります。
人手不足もその忙しさに拍車をかけていて、夜は二人で数十人の患者さんを看なくてはなりません。そこに手術後の患者さんが加わろうものなら他の患者さんは看護婦さんが来てくれるのを首を長くして待たなければなりません。

お世話になっていて思ったことは、「看護師の適性」です。
ちょっとした仕草に患者さんに対する思いやりが感じられる。一言声をかけながら
処置をする。最後に「大丈夫?」と確認する。
これは新人、ベテラン関係ありません。かえって新人さんのほうが自分の力不足を自覚している分、患者さんに優しいかも知れません。
生まれつきの適性があるとするならば、それを持ち合わせていない人は常に自覚して、努力するべきだと思います。
もう一つ思ったことは「知識が邪魔をする」ことです。
うちの娘のように特殊な症例には常識が当てはまりません。
床ずれができたときも娘は「痛い」と訴えていました。「そんなはずはない、ずっと寝ていれば痛いのは当たり前」。もっと早く対処していればあれほど酷い床ずれにはなっていなかったと思います。その床ずれのせいでリハビリは進まず、さらに床ずれを悪化させました。
人工間節が外れたときも、そうでした。娘は「股関節が痛い」と訴えていましたが「動いていないのだから、外れるはずがない。」
手術の後、尿の管が外れていたときもそうです。「尿がちゃんと容器に溜まっているのだから管が抜けているはずがない。」でも娘は「オシッコがしたい。管を抜いて欲しい」といいました。確かに医師が不在時に尿管を抜くことは危険が伴いますが、娘の言葉に耳を傾けて欲しかったです。素人の私がみても尿管の導入口に尿が出てきているのがわかりました。
このように「ありえない」事でも、患者の訴えに耳を傾けてほしいのです。何か原因があるはずです。医師が患者に会うのは回診のときだけです。一日中、患者の様子を見ている看護婦さんが気づいてくれなければ誰が気づいてくれるのでしょう。


長い入院生活の間にはいろんな事がありましたが、看護婦さんには言い尽くせない感謝の気持ちでいっぱいです。