1本のわらしべ

骨肉腫と闘う子供とその家族とともに

ディズニーランドへ

2010-03-23 10:09:15 | Weblog
今朝、息子がディズニーランドへ出かけて行きました。
友達のそろばん教室主催の卒業旅行に便乗させてもらってのディズニーランドです。

3日前から熱を出し、昨日は「腹が痛い」と言い出しました。
出掛ける予定でなければ、休日ですし、そのまま様子を見るのですが、今日の事があったので休日診療に行きました。
「盲腸かもしれません。」と言われ、血液検査の結果を待ちながら点滴。
2時間して、血液検査の結果で盲腸の疑いは晴れ整腸剤をもらって帰りました。
点滴をしている間、ベッドの横に付いていて娘の事を考えていました。
息子も、同じことを考えていたらしく「あかは、痛くなかったのかな?何回もやったから
慣れていたのかな~」と言います。
私は「我慢強い姉ちゃんだったけど、ほんとは痛かっただろうね。」

血液検査の結果の中に見なれた文字があった。ALP(アルカリフォスファターゼ)。
リン酸化合物を分解する酵素で、肝細胞、骨芽細胞で作られ、これらの細胞が増殖したり壊されたりすれば血液中に増加する。骨芽細胞においては、子供の骨が成長する時期には血清中に著しい増加がある。

娘は、最初ALPの値が3000程度でしたが、検査をするたびにすごい勢いで増えて行きました。抗がん剤治療の効果がでて1000を切り600になった時点で、がん細胞の反撃が始まり
上昇が止まらなくなりました。
昨日の息子の値は1005。横にHの文字があり、思わず看護婦さんに聞いてしまいました。
「この判定基準は大人用ですから、大丈夫ですよ。」と看護婦さん。

今朝、息子は張り切って出掛けて行きました。ディズニーランドへ。

2010-03-20 22:10:04 | Weblog
桜が咲いた。
今年は、開花が早い。

「桜」の由来は一説に「咲く」に複数を意味する「ら」を加えたものとされる。
また、富士の頂から、花の種をまいて花を咲かせたとされる、「コノハナノサクヤヒメ(木花之開耶姫)」の「さくや」をとって「桜」になった、とも言われている。
私は「コノハナサクヤヒメ」の響きが好きなので、こちらの説を支持したい。
ずうっと昔、夢の遊眠社の「贋作・桜の森の満開の下」を見に行った事がある。
野田秀樹の「耳男」と毬谷友子の「夜長姫」。
巧みな言葉遊び。舞台の端から端まで走り回るダイナミックなお芝居だった。
毬谷友子は妖艶であり、あどけない少女のようであり、鬼であり、姫であり...。
素敵だった。
舞台の真中に大きな桜の木が1本。クライマックスでの桜吹雪は見事だった。
ちょうど、写真の薄墨桜のようだった。

上の娘が小学校に上がる年だから、下の娘は2歳。
その日は雨だったが、ニュースで見た薄墨桜を見たくて根尾村まで出掛けて行った。
今は廃線となった「谷汲線」に乗った。レトロな客車で、深い渓谷を渡っていく。
この道程は、予測していなかったので、思わぬ「もうけもん」だった。
平日だというのに、おまけに雨なのに、観光客の多い事。

こんな桜の大木なら、魂も宿るかもしれない。



卒業式

2010-03-19 15:36:43 | Weblog
今日は、一番下の息子の卒業式だった。
小学校最後の卒業式。
泣けて泣けて、涙が止まらなかったらどうしようと思っていたが
涙はなかった。

小学校の卒業式。その日から半年後に運命の日が来ると誰が予測できただろう。
希望にあふれ前途洋洋の子供達。
だけど明日は何が起こるか分からない。すぐそこに暗雲が待ち構えているかもしれない。
めでたい門出の日に、私はそんな事を考えていた。

卒業生110名。みんな元気で、成人式に会おうね。
そして、夢が詰まったタイムカプセルを開けよう。


ホワイトデーふたたび

2010-03-15 06:44:14 | Weblog
昨日はホワイトデー。
息子は「友チョコ返し」を買って、照れながらも幼なじみに渡しに行った。
「そういえば去年、娘のエピソードを書いたな。」と思って過去の記事を確認すると
なんと2年前だった。あれから、もう2年。
驚いた。時間の感覚が狂っている。
娘が亡くなってからの時間は、長いようで短い。短いようで長い。

4月から、娘は高校3年生。受験の年である。
はたして、どんな高校生活を送っていただろう。

記憶の糸

2010-03-06 01:37:22 | Weblog
普段は忘れている、封じ込められた記憶。
何かが引き金となって、蘇ってくる。
糸を手繰りよせるようにズルズルと...。
まるで昨日の事のように鮮明に蘇る。
手を伸ばせば触れることができる気がして、手を伸ばす。

そこには何もない・・・


身代り人形

2010-03-06 01:03:19 | Weblog
何年か前に流行ったハッピーブドゥードール。タイからやってきた身代り人形。
ブドゥーとは「精霊」という意味で、「願い事を叶えてくれる」「厄を食べてくれる」らしい。
1つ1つ手作りされている。
娘の手のひらにのっているのは白い人形。
沖縄に行く時、担当の先生がくれた。
その事を嬉しそうにメールで知らせてきた。

W先生がくれた!おまもりって言って。患者さんがくれたやつなんだって。
ちょっと、ねんきが入って黒くなってるけど効き目はなんだかありそ
身代り人形だって。知ってる?

沖縄に出発する前日の夕方だった。